<治療>

〇 保存的治療

 半月板を損傷してから2週間以内の新鮮な損傷の場合、半月板辺縁1/3部のの血行がいい部分で若い人の場合は、小さな断裂や剥離は癒合して治癒しやすいため、2週間ぐらい膝を固定することにより、自然治癒に至る場合があります。
 一方、痛みやロッキングが見られ膝の伸展制限や液体貯留が見られるような場合、あるいは保存的治療で改善が見られない場合などでは、手術による治療が必要になってきます。
また保存療法と安易な判断をして、変形性膝関節症となる危険性もあります。整形外科医の診断も絶対とはいえないので、膝関節に精通した専門医の診断をお勧めします。

〇 手術

 半月板損傷の手術治療には、部分切除術と縫合術とがあります。

1、部分切除術 … 傷んだ部分を切り取り、形を整えます。

2、縫合術 … 断裂部を縫い合わせます。

 近年診断方法の一つである関節鏡を使った、鏡下手術も増えています。

  
 
<後遺障害>

 微細な損傷で痛みの残存したケースは14級9号の判定を狙います。損傷が画像上明らかなもの、手術を伴ったもので疼痛の残存は12級の審査にふします。

 完治できる傷害なので、深刻な可動域制限や痛み、動揺性が残存するとは思われていません。それらの症状は周辺靭帯の損傷や骨折を伴ったケースで起こります。したがって6ヶ月後、早急に症状固定とし、残存する症状の審査を図るべきと思います。

 ちなみにサッカーの本田選手は先週バルセロナで手術をし、全治3ヶ月の診断です。年内には復帰予定なのです。