交通事故でにおいがわからなくなった、あまりにおいを感じなくなった、または味がしなくなった、味がわかりにくくなった、と相談されることがあります。
味覚障害の原因は、交通事故等の外傷によるものから、加齢による味蕾の機能低下や唾液分泌の低下、亜鉛不足、ストレス、その他病気によるもの等、様々な点があげられます。他方、嗅覚障害の原因も、交通事故等の外傷によるものから、単なる鼻づまり、加齢、ストレス、その他病気によるもの等、様々です。
交通事故で鼻や顔面の骨折、脳挫傷等がされていれば、神経や脳がやられている可能性があり、疑われることは少ないですが、そうではない場合、保険会社は高い確率で疑います。
相談者も整形外科の方の治療費は出してくれるが、味覚・嗅覚の方は治療費を出してくれないこと、後遺障害の申請で、嗅覚障害が認められないこと等で相談に来られることがあります。
しかし、上記相談をした方々は、大抵の場合時間が経過しすぎたために認められない場合が多くあります。
味覚・嗅覚障害は他の怪我の場合と同様、交通事故の後に発症した場合には、直ちに医師や保険会社に相談してください。症状を早く明らかにすることはどの怪我の場合でも同じですが、器質的損傷が認められない場合(鼻や口の怪我、脳、神経の損傷がない場合)の味覚・嗅覚障害は特に大切です。整形外科の医師に相談しても、大抵の場合はそのままにせず耳鼻咽喉科を紹介して頂けます。
なお、味覚障害か嗅覚障害となった場合、双方を患っている場合があります。その場合、味覚、嗅覚それぞれの傷害を併せて治療・検査を耳鼻咽喉科で出来ますので、併せて紹介状を作成して頂くことができます。
しかし、病院先によっては、治療はできても検査が出来ず、今後の立証に影響が出ることがあります。必要な検査ができる病院も抑える必要があります。
次回からは必要な検査についてまとめていきたいと思います。