骨折の後遺障害は画像審査に尽きます。
関節が曲がらない、痛みが残った、骨が出っ張っている・・その根拠はすべて画像です。1.受傷時の折れ方、2.手術の固定後、3.癒合状態、この3段階を観れば、訴える症状が裏付けられます。
秋葉事務所では医師面談の際、出来るだけ医師と一緒に画像を観て、予想される後遺症の検討、もしくは、現実に訴えている症状との照らし合せを行っています。ここでの判断が審査側である自賠責・顧問医と同じ見解になれば、問題なく等級が決定します。
したがって、骨折案件は申請前にほぼ等級の予断が可能です。あとは、間違いの無い等級に収めるべく、該当所見について医師に診断書への記載を求め、関連する必要資料を集積するだけです。
等級申請とは、当てずっぽうにくじを引くような作業ではありません。自賠責の判断を正確な事実に導くために、審査側に問題点をわかりやすく示し、その審査を助ける材料を集めて預ける作業です。
これが秋葉事務所が提唱している”被害者側の医療調査”です。
12級13号:踵骨開放骨折(50代男性・東京都)
【事案】
バイクで交差点を横断中、対抗右折自動車と衝突。右股関節の寛骨臼、右足の踵骨を骨折した。
【問題点】
受傷初期、手術後のレントゲン画像を観ると水平に亀裂が走り、それを斜め上からスクリュー2本で固定していた。最新の画像を観ると骨癒合を果たすも、やや変形が残っていた。しかし、関節面の不整とまでは言えず、事実、底屈・背屈の可動域には問題は残らなかった。医師も外反・内反のみ問題があるとのこと。自賠の審査基準では外反・内反の制限は評価外である。
【立証ポイント】
そこで、CT画像をもう一度見直した。踵骨の裏面に骨棘(骨が癒合する際に残った余分な出っ張り)があることを、転勤で代わった新しい主治医と一緒に発見した。骨棘について、外反・内反の直接原因ではないが、歩行痛や可動痛の原因となることを記載いただき、12級13号の認定に導いた。
13号は神経症状なので逸失利益は10年が相場である。しかし、股関節で機能障害の7号を確保できることから、「逸失利益は67歳まで!」と強交渉ができる。想定通りの併合9級として弁護士に引き継いだ。