膝蓋骨とは、俗にいう、膝の皿のような骨です。これは、大腿骨の遠位端(太ももの骨の一番下)付近で浮いているように存在しています。
この骨の役割は、一般的に膝関節(靱帯等を含む)を守ったり、大腿四頭筋の機能を助けたりすること等と言われているそうです。
もし交通事故で膝蓋骨を骨折した場合、最初は保存的にギプス固定し、その後の治療方法としては(1)手術か、(2)保存療法、等を選択することになります。前者は、基本的にキルシュナー鋼線、ワイヤーでの固定術を指します。簡単に言えば、膝蓋骨が割れていくつかに分かれた場合に針金で固定する方法です。
これに対して後者は、膝蓋骨が少し欠けているレベルでしか折れていないような場合に、くっつくのを待つことをいいます。
膝蓋骨が骨折した場合、症状としては、痛みが出ることがありますが、上記したように、少し欠けたレベルであれば、痛みが出ない場合や、怪我をしてからしばらくすると痛みが消える場合があります。
相談者の中には、膝蓋骨骨折で膝の動きが悪くなっているので、可動域制限で等級が認められるかという相談される方がおりますが、基本的に可動域制限で等級が認められる可能性は低いです。何故なら、膝蓋骨が膝の屈曲運動で影響が出ることは少ないからです。痛みで曲がらないことはよく伺いますが、痛みはいずれ引くものなので、可動域制限では等級は認めにくいのです。よって、骨の癒合後(事故から半年後?)、まだ痛みが残存している場合、14級9号か12級13号が認められる可能性があります。
この点、膝蓋骨骨折後、痛みが残存しているだけでなく、(遊離)骨片が残存している場合があります。これらはレントゲンでも確認できることはありますが、(3D)CTで確認して頂くようにすることをお勧めします。
ただ、膝蓋骨を骨折しても、身体機能に影響はほぼ無いため、仮に遊離骨片が存在していたとしても、12級13号が認められることは少ないです。また、中途半端に癒合している場合もあり(遊離していない)、14級9号が認められる可能性が高いと言えます。