患者さんが主治医に「他の病院で診てもらいたいのですが・・先生、○○病院への紹介状を書いていただけませんか?」と切り出しました。 ・・セカンドオピニオンのためです。
すると、主治医の顔色が変わって、「俺の診断が気に入らないのか! 勝手にしろ! 他の病院へ行って、もう来なくて結構!」昔はこのように、気分を害して怒りだす先生がいたそうです。
私もかつて、頑固なおじいちゃん先生で経験しています。最近はセカンドオピニオンがすっかり一般的となって、医師は医大で複数の医師の診断を仰ぐことの大事さを学んでいます。よい医師ほど、「他の医師の見解、治療方針を聞くことも治療の一助になる」と、まさに患者本位に考えます。
医師は患者の傷病について、その治療実績があれば、症例についての見立て、治療方法を実践できます。しかし、患者を前に「う~ん」と考え込む医師とその病院は、つまり、症例がないのです。すると、「様子を見ましょう」と場当たり的にお薬をだすだけです。それならば、症例のある病院や医師に紹介状を書いて送り出して欲しいものです。
重傷者はその人生がかかっています。医師に気兼ねすることなく、複数の治療方法を吟味するべきでしょう。これは患者の権利ではなく、自己責任ではないかと思います。
しかし、一つだけ注意点があります。セカンドオピニオン先の医師に、今までの治療経過や前医の見解を十分に伝えることが重要です。今まで診てきた医師との連携なく、突然、別の医師に切替えれば、新しい医師は今までの治療経過を参考にできません。その点、前医との円滑な連携が必要です。
本日の病院同行ではそれを強く感じました。紹介状にできるだけ、治療経緯を記載頂き、何か不測の事態が起きた場合に対応できるよう、前医師と引き継ぎ医師の情報伝達をスムーズにしなければなりません。これも、私達メディカルコーディネ-ターの役割の一つと思います。