患者と医師の関係は、後遺障害の認定にとても大切です。信頼関係がなければ、診断書に症状を克明に記録していただけません。私達は毎度医師との折衝に心を砕いていますが、順調に進むか否かは今まで通ってきた被害者さんの態度次第なのです。

 本件は相当の苦戦を覚悟しましたが、医師の協力であっさりと等級認定を得ました。医師の本音は「診断書など面倒」なのです。その点、運が良かったのかもしれません。被害者さんは常に自己責任においてよいドクターを選び、関係を良好に保たねばなりません。
 20070418 

併合14級:頚椎捻挫、腰椎捻挫(40代女性・神奈川)

【事案】

自動車運転中、交差点で右折のため一時停車中、後続車の追突を受ける。直後から頚部・腰部痛、手・足のしびれ、頭痛や吐き気等の神経症状に悩まされる。

【問題点】

むち打ちながら、事故から10ヶ月近く治療費を相手方保険会社から支払って頂けたが、保険会社もこれ以上は出せないという通知が届き、相談に来られた。
すぐに症状固定して後遺障害申請をする方針で固まったが、主治医との関係があまりよろしくない様子。また、6ヶ所近くもこれまで病院を転々としてきており、診断書や画像等の集積、分析が困難であった。

【立証ポイント】

医師は患者に対してあまり好意的ではないような印象であったため、心して病院同行を望んだが、案に反して後遺障害診断書に画像所見の記載や神経学的検査を丁寧に実施してくださった。また、相談者の今後の仕事の復帰を望んでいることなど、今後どのような治療を目指せばいいのか丁寧に説明して頂けた。

このような丁寧な対応をしてくださったおかげで、被害者請求後1ヶ月も経たないうちに併合14級が認定された。相談者の医師へのイメージとこちらの医師へのイメージにギャップが生じていたといえる。医師は怪我を治すことを第一考えますが、すぐれたドクターは事故後の補償問題にも理解を示してくれます。