保険会社の治療費打切り攻勢の次に待っているのは、治療費の支払いストップはもちろん、弁護士の介入です。
加害者側の弁護士から「これからは当方が交渉窓口です」と宣告文が届きます。これに対して、強く治療費支払いの継続を求めれば、「これ以上、治療費が欲しくば、法定で待っている」と逆訴訟されます。
さて、この場合、被害者さんはかなり苦境に立ちますが、症状が続いているのであれば、粛々と健保を使って通院し、頃合をみて後遺障害の申請を行えば良いのです。
相手に弁護士介入で万歳をしてしまう被害者さんが少なくありません。タイトルにある通り、自賠責に「普通に申請」して等級を固めてから、交渉再開するだけのことなのです。
併合14級:頚椎・腰椎捻挫(30代男性2人・千葉県)
【事案】
一人は自動車運転、もう一人は同乗、信号待ちしていたところ、直進道路で後続車の追突を受ける。双方共に、直後から頚部痛、腰痛のみならず、手のしびれ、下肢のしびれ等、神経症状に悩まされる。
【問題点】
共に事故から8ヶ月後に保険会社が治療費を打ち切り、しかも、その後通院をしていない。さらに、相手方保険会社が弁護士を入れてきた。内一人は数年前にも事故にあっており、腰椎捻挫で非該当となっていた。
相手保険会社にかなり症状を疑われているよう。もはや、受任を躊躇うほどの赤信号状態である。
【立証ポイント】
医師に急いで症状固定して頂き、後遺障害診断書を依頼する運びとなった。通院をやめてから期間が空いているため、症状固定日をどうするかを検討しなければならない。この点、本件では幸いにも、事故から8ヶ月経過後に通院をやめており、かつ通院回数も100を超えていた。病院は交通事故として診察していたのが8ヶ月間であったことから、症状固定日は通院をやめた最後の日にして頂くことにした。後遺障害診断書がそれぞれ完成したので、双方を同時に申請にあげた。
結果、症状が信用されて、併合14級が双方に認められる。