最近の相談事例から・・・
事故で足首を痛めました。捻挫ですが、腫れと痛みがかれこれ1か月以上も続いています。主治医も初診時にレントゲンを撮り、「骨に異常はないですね」と言ったきりです。湿布による消炎と電気治療が続きます。しかし回復せず、関節もよく曲がりません。医師に相談しても、「様子をみましょう」と・・・
さて、このまま漫然と治療を続けるとどうなるでしょう。半年後の症状固定時になっても足首の可動域は回復していません。底屈30度、背屈10度と計測し、後遺障害診断書に書いて頂きました。しかし傷病診断名は右足首捻挫です。画像もレントゲンのみ、骨に異常なしのままです。
これでは確実に「非該当」=後遺障害はなし、です。
この段階になって、異議申立をして、いくら関節の痛みや可動域制限を訴えてもダメです。
骨折や靭帯損傷など器質的損壊がないもの、例えば「捻挫・打撲」は治るもの、と解釈されています。そして可動域制限があったとしても、その原因となる傷病名が診断されていなければ無視されます。
この方は、足首の靭帯に損傷があるものと疑う必要があります。丁寧に足首の靭帯をMRIで描出する必要があります。それも受傷直後、遅くとも3か月以内に。そして「後距腓靭帯、踵腓靭帯、前距腓靭帯の損傷」のような確定診断の記入が必須です。
もうおわかりですね、医師の指示は絶対ではないのです。あとで泣くのは自分自身です。「おかしいな?」と思ったら、自分から医師に検査の依頼をしなければなりません。それでも「患者は医者の言うことを聞いていればいい!」と相手にしてもらえないのなら、残念ながらただちに転院です。