○ 鼻の障害は、
外貌の醜状(鼻の欠損、鼻が曲がった)と嗅覚障害 に大別できます。
○ 口の障害は、
咀嚼障害(食べ物を噛み砕けない)、嚥下障害(飲み込めない)
言語障害(上手く話せない)
歯牙の障害(抜けた、折れた、補綴(人工物を使って修理)した)
味覚障害(味がしない) このように、大きく5分類できます。
例えば、顔面の多発骨折や脳損傷の場合、上記の障害が複数生じる可能性があります。しかし、顔面や脳の手術が優先され、その後のリハビリが続く中、徐々に上記の障害が確認されていくのです。鼻の醜状や言語障害は周囲が気付きますが、咀嚼や嚥下、味覚・嗅覚は注意深く観察する必要があります。とくに、高次脳機能障害の被害者さんの場合は、周囲がチェックしなければ、何かと見落とされるものです。
本人が主張しない症状、家族が気付かない症状、そして、医師が見落とした症状は・・「障害はなかった」ことにされてしまいます。
交通事故外傷による後遺障害の世界では、”病院にさえかかっていれば”、障害が自動的に認められるわけではありません。目耳鼻口の中でも感覚器の障害は、被害者側の医療調査・損害立証の必要性を強く感じる分野でもあります。
それでは、味覚障害が(そもそも、高次脳機能障害が)見落とされた実例をご参照下さい。