弊事務所では重傷案件を数多くお預かりしています。最近では弁護士事務所から「重傷・難事案専門の行政書士、医療調査事務所」との評価を頂いております。ご期待に応えるよう、日々勉強です。
重傷者は交通事故で人生が一変し、その補償問題は被害者のみならず、家族全員に及んできます。多くは弁護士と共同して対応しています。賠償交渉はもちろん、障害の立証や公的補償制度の利用を含めた膨大な事務が生じるからです。いずれも解決まで長いお付き合いとなります。
それでは、今年上半期認定された案件の中から数例を紹介します。
政府の保障事業 別表Ⅰ 2級1号:脊髄損傷(40代男性・神奈川県)
【事案】
二輪車で直進中、右側駐車場から右折合流してきた二輪車と接触、転倒したもの。頚髄損傷となり、下肢は完全麻痺、上肢は回復傾向。現在も車イス生活を強いられている。
【問題点】
相手は任意保険があるものの、自賠責保険が未加入。相手は自身の過失について認めず、賠償対応を拒否。連携弁護士から賠償交渉を含めた等級申請を相手任意社に打診のところ、「自賠がないから対応しない」、「自社認定も行わない」など信じられない対応。
幸いながら、治療費・休業損害は労災から支給を受けていた。
【立証ポイント】
脊髄損傷の評価について、基本通り医師面談を行い、診断書類を集積した。続いて、政府の保障事業並びに労災の障害給付へそれぞれ申請した。双方の給付金は支給調整となるが、まず労災の1級:障害年金が決定し、前払い一時金を選択した。したがって、続く政府の保障事業からの支給は相殺され、「てん補なし」となった。
”労災1級””介護を要する2級1号認定”をもって、連携弁護士は任意社相手に盤石の体制で交渉中。裁判必至、勝負はこれからです。