14級はいくつとっても併合の対象にはなりません。すると他に13級以上の障害があればつい軽視しがちです。しかし12級13号の神経症状は判例上、逸失利益10年が相場です。そこで逸失利益が67歳まで見込める14級を加えることが必須作業となります。この辺のセンスは弁護士へ引継ぎ後の賠償交渉まで見据えているからこそです。
上肢・下肢の醜条痕は手の平の大きさで14級、手のひら3倍の大きさで12級判断となります。
併合12級:脛骨・腓骨骨折(50代女性・埼玉県)
【事案】
自転車で交差点を横断中、対向左折自動車の衝突を受け、左足首を骨折した。脛骨、腓骨共に骨幹部を開放骨折、直後にプレート固定術を施行した。
【問題点】
医師の処置、特に手術は非凡な腕であった。おかげで回復は良好、可動域制限を残さず症状固定を迎えた。そうなると痛みやその他不具合を観察することになる。
【立証ポイント】
やはり可動域が回復したとしても正座はもちろん、極端な可動には無理がある。症状を丁寧に診断書に落とし込み、また開放創と手術痕を写真に撮り、醜状痕も加えるようにした。結果は神経症状で12級13号、醜状痕で14級5号の併合12級となった。おまけの14級と言えど逸失利益の伸長に重要、12級13号の喪失率14%で10年間、さらに67歳まで喪失率5%を請求するからです。