【事案】
センターラインをはみ出した対向車との正面衝突。自車は甚大な被害。
【問題点】
・圧迫骨折による変形の度合いは何級レベル?
・神経症状を伴う圧迫骨折であるが神経症状の状態は?
【証明ポイント】
(画像はサンプルイメージです)
圧迫骨折の事案で確認すべきポイントとしては、
① 新鮮骨折であることが確認できるか。それとも陳旧性の骨折か。
② 圧壊率はどの程度か。後湾が生じていないか。
③ 可動域に制限はあるか。
主に上記3点が挙げられる。これに対し本例では
① 新鮮骨折であることは明らか。
② 圧潰率は11級レベル、後湾は無い。
③ 若干の可動域制限。
このような状況であった。①は前提条件として、③は②が8級レベルでなければそもそも考慮されない。全体像としては11級解決止む無しであるが、問題は神経症状を伴うことにあった。
この点、慎重かつ繊細に神経学的検査の実施を受けたものの、腱反射やラセーグ・SLRの異常所見は確認されず、神経症状としては14級9号レベルとの評価(仮に12級が認められたとしても本例では変形障害に吸収されてしまうが、後の賠償交渉への影響を考えると手を抜いてはいけない部分)。
結果は消化不良であったものの「やれるだけのことはやったという気持ちで先に進める」という言葉を頂いた。後を弁護士に引継ぎ、対応を終了した。
(平成25年5月)