首都圏、主要都市の相談会は毎回参加者も多く盛況でが、ゴールデンウーィーク前とあって、参加者は少な目でした。それでも重傷案件があり、気の抜けない相談者が続きました。
毎回の所感でもありますが、受傷後早めの相談者は解決に向けて間違った行動を抑え、正しい誘導ができます。交通事故の解決は加害者と被害者だけではなく、間に保険会社が介在し、病院や労災、健康保険などの関わりもあることから、順調に進まないものです。先が見えないと相談者も不安な状態が続くだけではなく、間違った対応をする危険性があります。したがって早期に解決までのロードマップを描くことが必要です。しかし誤情報を信じ、自己流を貫いた結果、抜き差しならない状態に陥ってしまい、ようやく相談会の扉を叩く相談者もいるわけです。
両者の明暗ははっきりしています。よくある2パターンを例示します。ちなみにA、Bともに同程度のケガです。
例A)
1、停車中、追突を受け、むち打ち・捻挫・打撲となった。保険会社にきちんと補償するよう、びしっと言ってやった。
2、軽傷を理由に保険会社は3ヵ月で治療打ち切りを打診してきた。
3、しかし痛みや不調が治まらないので、保険会社と大喧嘩して治療を継続。
4、その後、相手保険会社は強行的に治療費の支払いを中止。
5、治療費でもめた結果、板挟みとなった病院も冷たくなった。仕方ないので健康保険を使って接骨院に通う。
6、今後の対応に相手保険会社は弁護士を入れてきた。
7、痛みやしびれも収まらず、職場でも休みがちのせいで立場が悪くなり、精神的にも病んできた。
8、そのまま時間ばかりが過ぎて、いつまでも解決しない。ついに相手弁護士から「債務不存在確認訴訟」を提起される。
9、ここでやっと相談会に来る。なんとかこの状況を救って欲しい・・・しかし「もう手遅れです。穏便に相手弁護士と解決を。」と回答された。
10、治療費や休業損害も全額もらえず、後遺障害の認定もなく、泣く泣く二束三文の慰謝料40万円で示談。
例B)
1、初めての追突事故でむち打ちとなった。保険会社との交渉やら通院やら大変・・・早めに相談会に参加する。
2、むち打ちであっても、しびれなどの神経症状が生じれば通院が長引くことを相談会で聞いた。
3、相談会で、「医師と相談し、早めにMRIを撮るよう」指示を受け、検査を行った。
4、3か月後、保険会社から症状の打診があった。相談会で言われた通り、「神経症状がありますので、もう少し治療させて下さい」と保険会社の了解を取り付けた。
5、整形外科でリハビリ通院を続ける。症状が重ければ、整骨院・接骨院・針鍼灸には行かないよう、相談会で注意されたからである。
6、6か月後、相談会でのアドバイス通り、保険会社の治療費打切りに素直に同意し、症状固定とし、後遺障害診断を受ける。
7、14級9号の認定を受け、その後弁護士に示談を任せる。
8、弁護士の交渉にて主婦でも300万円を超える示談金で解決。
9、その後は健康保険を使ってのんびり針やマッサージで軽快を図る。
10、ついでに家族でハワイ旅行。
このように泥沼にはまる被害者、あっけらかんと解決する被害者・・・これは相談会に来る時期で明暗が分かれると言えます。