手指の障害において、突き指は「変形障害」の起因となるケガの一つです。障害を残さぬよう、正しい処置が望まれます。今回は指の変形シリーズのまとめにもなります。 (1)病態
突き指は、指を突いたときに指先から力が加わって、関節や靱帯、腱、骨などに損傷が加わることです。多くは、野球やバスケットなど、球技でボールを受け損ねて受傷します。また、ドアや壁などの固いものに指先を強くぶつけた場合でも起こります。つまり、交通事故外傷でもあり得ます。
その突き方や強さなどによって、症状もさまざまであり、ケガそのものの状態も捻挫程度から脱臼や骨折までとさまざまです。手指の正常な状態では、上側に伸筋腱、下側に屈筋腱、関節の左右には、内・外側側副靱帯があり、それぞれ連結して、指の可動域を確保しています。骨折や靱帯損傷などの場合は関節が変形したり、後の動きに支障が出たりということもあるので、正しい処置が必要になります。昔はいい加減でした。冷やすだけなら良いのですが、曲がった指を無理やり引っ張るなど、間違った処置がされていました。これは靭帯に悪影響でしかありません。
(2)治療