他の弁護士を見限って弊所に相談、セカンドオピニオンの多い理由は、わりと一つの理由に集約されます。 その受任者が謙虚ではないことです。 それが、弁護士や医師などの専門職であるほど顕著です。その先生方は法律や医療、確かにその道の専門家です。それゆえに、相談者や依頼者に対し、一見一聞で判断、方針を断じてしまうのです。それは、相談者の声を、症状を、十分に耳を傾けて、目を凝らしていないことにもつながります。相談者さんは質問しても、納得できる回答をしてもらえず、不安は解消されず、ただただ、「専門家の言う通りにしなさい」との高圧的な印象を持つに至ります。その方針が正しければ問題ないのですが・・。
僭越に聞こえるかもしれませんが、弊所のような法律や医療に素人の事務所でも、弁護士の誤りや医師の誤診を、ほとんど毎年何件も指摘して正しています。それは、私たちが専門家に勝っていることではありません。見落としはないか、予断的ではないか、自らの判断に過信はないか、・・「謙虚さを」忘れないように丁寧に観察、相談者さんに接しているからです。
弊所のホームページでは、実績数や解説文に「自信あり」と押し出していますので、やや矛盾した物言いかもしれません。しかし、多くの経験則を持てば持つほど、より「無知の知」の状態、まだ知らないことの多さに気づかされるのです。これは、どの分野でも共通した、マスター(達人)への道、その通過儀礼と思います。
どんなに優秀な者であっても、慢心は目を曇らせます。私達は、常に自らの知識や経験など、まだ足りないと自戒しています。実際、人体すべての後遺障害や、あらゆる保険・保障制度に精通するには何年もかかりますし、実は一生かけても制覇・熟達できない、天井知らずの世界と思っています。「自分はまだまだ」、それ位の謙虚さを持って業務にあたること、これこそ仕事の精度を上げると思っています。