長年、弁護士先生と仕事をしてきましたが、言葉使いから態度まで、弁護士は非常に気を遣っていると感じます。
例えば、理不尽な要求する相談者さんや、わからず屋の依頼者さんであっても、腹を立てることなく、言葉に気を付けて丁寧に受け答えしています。私なら、すぐブチ切れますが、弁護士さんは我慢しているようです。何か、不適切な言葉や態度をした場合、弁護士会にそれがたれこまれると、懲戒などの処分を受けます。自律的に倫理機能を持つ団体と言えます。
弁護士は代理権というその強大な権利から、総じて責任が重く、行動すべてを律する必要があるようです。法律に関する説明はとりわけ責任が生じます。例えば、あってはならないことですが、行政書士が依頼者さんに間違った説明をした場合、それが依頼者に重大な損害とならない限り、処分にまで至りません。損害賠償も発生しないことが大多数です。誤って修正すれば済むことが普通です。しかし、弁護士は間違った事を言ってはいけない「専門家」とされています。法律問題は、後から「間違ってました。すみません」では済まない事が多く、経済的損害に直結するからです。
したがって、法律問題の回答に対して慎重にならざるを得ないのです。調べて裏付けを確認するまで、うかつに回答できません。じれったいことではありますが、言葉に対する責任の重さから致し方ないと思います。また、賠償金の見込みなどを質問されても、不確定な数字の明言は避ける傾向です。私などは、ずばずば金額を言ってしまうので、それは気を付けるべきと思っています。 ご質問に対して、ズバリと明言、スピード感を持って回答を心がける秋葉事務所ですが・・それは、弁護士と比べて、行政書士の権利と責任に格段の違いがあるからなのかもしれません。