上腕骨骨幹部骨折 (じょうわんこつこつかんぶこっせつ)    上腕部、長管骨の中央部付近の骨折を骨幹部骨折といいます。簡単に言いますと、二の腕の骨折です。  

(1)病態

 交通事故では、バイクの転倒で手や肘をついたとき、転落などで直接に上腕の中央部に外力が加わって発生しています。このような直達外力で骨折したときは、横骨折が多く、外力が大きいと粉砕骨折になります。手をついて倒れたときは、螺旋骨折や斜骨折となります。肩や肘関節に遠く、一般的に関節の機能障害を伴わないことが大半ですが、上腕骨骨幹部骨折では、橈骨神経麻痺を合併することが高頻度であり、見落とされやすい障害と言えます。

 橈骨神経は上腕骨骨幹部を螺旋状に回っているので、骨片により圧迫を受けて、麻痺が発生しやすく、骨折部にはれ、痛み、皮下出血、変形、圧痛、異常な動きが現れます。骨折部の上下の筋肉の力で骨片はずれて短縮します。

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