(腰椎捻挫の部位別解説を整理するため、13年前の記事をブラッシュアップします。)
人気の深夜番組「アメトーク」で、かつて、こんな放送回がありました。タイトルの「腰が痛い芸人」です。腰痛を抱える芸人の皆さんが集まって、その苦労を語りあいました。不謹慎ながら大笑いしてしまいました。しかし、腰椎間板ヘルニアの切除術後も、完全回復していない芸人さんおり、本人にとっては笑い事ではありません。 日本人の5人に1人が慢性的な腰痛に悩まされていると聞きます。交通事故外傷の世界でも、かなり難儀するが外傷性腰椎間板症です。なぜなら、急性腰椎症(ギックリ腰等)、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症は、外傷ではなく、あくまで内在的な原因、年齢変性の関与、つまり、病的なもの、と説明されています。当然、保険会社はこれを全面的に支持しています。しかし、年齢変成、経年変化など、内在的な関与があったとしても、外的衝撃によって痛みを発症、または、悪化することは、いくつかの裁判判例で認められいます。何より、自賠責保険は、一定の条件、審査から、「局部に神経症状を残すもの」として認定しています。
そもそも、40才を過ぎて腰椎に変化がない人の方が珍しいのです。しかし、それを加齢や身体的特徴から、外傷性を全面否定するのも暴論と思います。実際、「事故前はまったく痛みもなく、普通に生活できていたのに・・・」という被害者さんが後を絶ちません。 前置きが長くなりましたが、腰痛をスタートとして、その症状についての検査と、傷病名・分類を整理していきます。 (1) 安静時の痛み
それぞれ画像(MRI)検査にて描出します。病的原因として、以下3つが挙げられます。 ・転位性脊椎腫瘍 ・化膿性脊椎炎 ・脊椎・馬尾腫瘍 (2)前屈制限、あるいは前屈時の疼痛・しびれ 主に前に屈んだ時の痛みです。検査では下のイラストのように、仰向けに寝た状態で、片脚ずつ上げます。膝を曲げずに上げることから、ストレート・レグ・ライジング(SLR)と呼びます。 ① SLRテスト
・下肢を拳上したとき、ピリピリとした放散痛が走ります。 ・正常であれば 70 ...