扁平足とは、足の裏が平たく、扁平化し、土踏まずが、ほとんど見られない足のことをいいます。上のイラストにあるグリーンのカーブが平坦になった状況です。
交通事故などで、踵骨の骨折により距踵関節面が陥没すると、それに伴って舟状骨も落下することで、アーチの後部が低下し扁平足になります。 (2)症状
距骨と踵骨の関節面は整合性を崩し、後脛骨静脈圧迫による血行障害、腓骨筋腱鞘炎などを合併して、慢性の疼痛とむくみに悩まされます。アーチの低下により、足の靱帯や関節などに、直接的な衝撃が加わり、蹴り出す力を生み出すことが困難になります。
中足骨の脱臼・骨折でも扁平化を生じ、このときは血行障害が著しく、大きなむくみとなります。比較的に強い足関節捻挫であると診断され、放置されると、徐々にアーチが低下し⇒下肢の支持性が低下し、蹴り出しが不十分となり、⇒足裏の筋、下腿三頭筋のポンプ作用が低下し、⇒血流量が低下、⇒足はむくみ、⇒足裏の筋、下腿三頭筋の筋力が低下、⇒さらに、アーチが低下する悪循環に陥ります。 (3)治療
保存的治療が中心で、①足指じゃんけんの運動療法、②血流を促進させる温熱療法、③靴底にアーチパッドを装着し、土踏まずに当てることで、一定程度の改善が得られます。
改善が得られないときは、後脛骨筋の移行術や骨切り術、最悪では、関節固定術などで足のアーチを作成することになります。 (4)後遺障害のポイント
関節固定術が行われたときは、足関節の用廃で8級7号が認定されます。それ以外では、それぞれの症状に合わせて立証していくことになりますが、現在、外傷性扁平足は未経験です。 次回 ⇒ 中足骨骨折シリーズ