足関節不安定症(そくかんせつふあんていしょう)

(1)病態

 いわゆる捻挫癖で、なんども捻挫を繰り返し、痛みが持続する障害を足関節不安定症といいます。

 内返し捻挫で損傷した、外踝下にある外側靭帯、前距腓靭帯と踵腓靭帯が、十分修復されていないことを原因として、足関節不安定症が出現するのですが、さらに放置しておくと、足関節の軟骨も損傷し、変形性足関節症に増悪、日常歩行に、深刻なダメージを与えます。    (2)症状

 足関節の鈍痛、歩行や階段の昇降で、足首がぐらつく、頻繁に足首を捻挫する等。   (3)治療

 足首を強固に締結する主要な靱帯は、前距腓靱帯、踵腓靱帯、後距腓靱帯、脛腓靱帯の4つです。

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【事案】

横断歩道を歩行中、左方より走行してきた自動車に接触し、負傷した。直後から足の痛み、神経症状に悩まされる。第5中足骨のみの骨折は多いが、第5以外の4本は珍しい。

【問題点】

ご相談の段階で既に骨癒合が完了しており、半年が経過するのを待つだけだったが、足首や足指の曲がりが悪く、力が入らない等、日常生活でも支障をきたしていることが分かった。14級9号の認定はとくに問題ないが、13級以上にもっていく要素を見つけることができなかった。   【立証ポイント】

このまま申請をかければ14級9号はほぼ間違いないが、リスフラン関節の靭帯損傷やアーチが崩れているようなことが分かれば、上位等級が狙えると思い、主治医にMRI検査の手配を依頼した。残念ながらMRIにて所見は見つからなかったため(ご本人にとっては良いこと)、自覚症状と可動域制限に注力し、後遺障害診断に臨んだ。協力的な医師であったため、足首の可動域計測に加え、足指の可動域(5本全て)も依頼したところ、「このケガで本当にこの計測が必要だと思っているのか?」と再三確認されたが、少しでも上位等級を狙いたい旨を説明し、渋々計測していただいた。(結果として、全ての指(MP・IP、MTP・PIP)が等級認定に該当しない数値だったため、主治医には悪いことをしたと思っています。)

受傷時の骨折画像(3DCT)の打出しも後遺障害診断書に添付し、自覚症状に信憑性を持たせて申請した結果、ちょうど1ヶ月で14級9号が認定された。多発骨折の被害者とムチウチ被害者が同じ等級というのは、正直納得がいかない部分(後遺障害慰謝料は同額)でもあるが、「非該当」では目も当てられない。ひとまず最低限の仕事は果たせたのではないだろうか。

(令和5年11月)  

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