膝蓋骨々軟骨々折・スリーブ骨折 (しつがいこつこつなんこつこっせつ)    膝蓋骨シリーズ最後は、骨折、打脱臼を含め、後遺障害のポイントを解説します。    (1)病態

 膝蓋骨の裏の軟骨面は、大腿骨の前面の軟骨と関節を形成しています。これを、膝蓋大腿関節と呼びます。

 膝蓋骨々軟骨々折は、若年の女性に多く、膝蓋骨脱臼に伴うもので、膝蓋骨の内側に小さな軟骨片が残置しています。膝蓋骨が脱臼するとき、元の位置に戻るときに、大腿骨の外側の突起と膝蓋骨が衝突し、こすれあって、膝蓋骨軟骨々折が起こるのです。交通事故では、膝蓋骨脱臼後に軟骨々折を発症しています。   (2)症状

 膝の曲げ伸ばしで、痛みが生じます。

  (3)治療

 手術により、骨片を元の位置に戻すか、除去して固定します。スリーブ骨折は、10歳前後のサッカー、野球少年に多い膝蓋骨下端の剥離骨折で、骨片が小さく見逃されることが多いので要注意です。治療としては、保存的にギプスによる外固定を3~5週間行われています。   (4)膝蓋骨 骨折、膝蓋骨 脱臼、膝蓋骨 骨軟骨々折における後遺障害のポイント   Ⅰ.

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