【事案】

自動車を運転中、右方より走行してきた信号無視の自動車に衝突され、負傷した。直後から頚腰部痛に加え、左下肢の痺れ等の神経症状に悩まされる。   【問題点】

事故から半年が経過してからのご相談であったが、なんとか一括対応が続いていたため、MRI検査の依頼をしていただき、その上で後遺障害診断に立ち会った。受傷機転〇、通院回数〇、症状の一貫性〇、MRI検査〇であったため、14級認定は堅いと予想していたが、まさかの1ヶ月足らずで非該当。   【立証ポイント】

腰椎に比べれば、頚椎は改善しているとの事だったため、腰椎・左下肢の痺れに絞って書類を依頼する方針で再度病院に同行、「頚椎捻挫・腰椎捻挫の症状の推移について」・「神経学的所見の推移について」の記載を依頼した。

画像所見はないものの、症状固定後からは健康保険に切り替えてリハビリを継続していたため、審査側の心証も良く、40日で14級認定となった。本件は夫婦での申請だったため、非該当であろうもう一方に引っ張られた形?となったが、初回申請で認定されるべきだったと思う。弊所がウルトラCで覆したというよりも、本来あるべき位置に戻した案件であった。

(令和5年6月)    

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【事案】

自動車の助手席に搭乗中、右方より走行してきた信号無視の自動車に衝突され、負傷した。直後から頚腰部痛に加え、手の痺れ等の神経症状に悩まされる。   【問題点】

事故から半年が経過してからのご相談であったが、MRI検査未実施の状況で保険会社から治療費を打ち切られた。また、手の痺れがあるにもかかわらず、医師にその旨を伝えていなかった。すぐに病院同行し、後遺障害診断書を依頼した。受傷機転がそれなりの被害なので、淡い期待を抱いて申請するも1ヶ月もかからず非該当であった。   【立証ポイント】

再度病院に同行し、MRI検査の依頼をすると同時に「頚椎捻挫・腰椎捻挫の症状の推移について」の記載を依頼した。初診時から痺れを訴えていないため、その点は申立書でカバーするとし、主訴を頚椎1本に絞って申請することとした。

幸い、症状固定後も健康保険を使ってリハビリを継続していたため、領収書の写しやMRI画像の打出し等を添付し、異議申立手続きを行った結果、40日で14級9号認定となった。尚、こちらの意図した通り、頚椎でのみ認定を受けることができ、腰椎は”ついで認定”とはならなかった。

(令和5年6月)  

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 代理店向けのセミナーでも、保険金詐欺に関する話題はウケが良いように感じます。昨日は、信用できない交通事故被害者の話題を取り上げましたが、ちょうど掲題のニュースが飛び込んできました。    ニュース報道ですでにご存知と思いますが、中古車販売大手『ビッグモーター』さんは、売買、車検、整備、修理まで、ワンストップで行えることを売りに全国に店舗を拡大していきました。その裏で、保険金の不正請求が行われていたことが発覚したようです。やはり、内部告発が契機のようです。ニュースでは、『ビッグモーター』の元社長や、整備士などから、会社の様々な問題点、踏み込んでは保険金詐欺の手口まで、それらの告発は枚挙に暇がありません。

 経営陣が具体的に指図したのか、現場の作業員が忖度して不正に手を染めたのか・・。いずれにせよ、経営陣はその詐欺の数、詳細が判明次第、その規模・悪質性に応じた責任を免れないと思います。事故車1台当たりノルマを14万円と設定していること自体、熱湯風呂を前に「押すなよ、いいか、押すなよ」と、不正を推奨・誘発しているようなものですが・・。    さて、長くこの業界にいますと、秋葉も相当数の詐欺の手口を目にしてきました。整備や板金業に関わる者は皆、知っています。報道されている中でも、修理車にわざとキズをつけて修理費を水増し、新品の部品と交換としながら実は中古部品・・これらは定番の手口です。その他、私が知る詐欺例は、以下、列挙できます。   ・走行中、跳ね石でフロントガラスにひびが入ったので、交換 → 人為的にガラスを破損です。跳ね石による損害で車両保険を使っても、等級ダウンはしませんでした。現在、跳ね石は据え置き事故としたため、利益が減ったのか、この詐欺は減ったようです。   ・子供の靴の裏にペンキを塗って、ボンネットの上をペタペタ足跡をつける・・これで、いたずら事故を装い、安い車両保険(エコノミー+A特約)を使って、塗装費を詐取する。   ・友人とグルになり、車同士の追突事故を起こし、修理費やむち打ちの治療費、休業損害、慰謝料を詐取する。   ・そもそもぶつけて損傷している車を購入し、車両保険を契約します。その後に自爆事故をしたとして、車両保険で修理をする、いわゆるアフロス案件(アフターロス・・・契約前にすでに損害があった)。  

 これら定番の手口は、工場がグルとなれば簡単にできます。大多数の町工場は不正に手を染めていないでしょうが、そのあまりにも多くの不正請求から、損保がスレて支払いを渋る要因になっているのです。これらのモラル案件は、損保のアジャスターも良く知っていますので、疑わしき件は保険金を支払いません。では、被害者は払い渋りで損保を訴えるのでしょうか?  詐欺者は1~2回目まではなんとか成功しますが、味をしめて繰り返しますから・・3度目には疑われて支払いを受けられません。そこで、訴えでも起こそうものなら、目立って次の仕事(?)に差し支えますから、結局は諦めるようです。そして、損保に「要注意契約者&業者」としてリストアップされるわけです。    大手のビッグモーターさんは、一般ユーザーはおろか、保険会社からの信頼を取り戻すまでが茨の道となったのです。今後、ビッグモーターさんは当然として、大小問わず自動車整備・板金業界までもが、厳しい目に晒されるはずです。果たして、不正による業績向上は長期的にみて、得だったのでしょうか。

 私は、人間を性悪説で考えているわけではありませんが、人の悪い心を抑制するためには、不正や詐欺ができないシステムを知恵を絞って作り上げることが必要だと思います。そして、起こした罪に対しては、「二度とやるまい」と震え上がる程の重い罰こそ、抑止力になるのではと考えています。  

 

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