(4)後遺障害のポイント Ⅰ. 交通事故、労災事故では、外力により大動脈弁、僧帽弁または三尖弁の弁尖が損傷、腱索または乳頭筋が断裂することが報告されています。弁尖が損傷し、あるいは腱索または乳頭筋が断裂したときは、弁の閉鎖不全をきたします。そのため、左心系の弁では、早期に心不全が出現するのですが、三尖弁損傷では、長期間を経過後に症状が出現することが多く、この点にも注意を払わなければなりません。
※ 尖弁・半月弁・腱索・乳頭筋 尖弁=房室弁は右心房室間の三尖弁と左心房室間の僧帽弁、半月弁=動脈弁は、右心室と肺動脈間の肺動脈弁と左心室と大動脈弁間の大動脈弁を言います。 三尖弁と僧帽弁は、腱索と呼ぶヒモで心室にある乳頭筋につながっていますが、動脈弁と大動脈弁は3枚のポケット弁で腱索や乳頭筋とは関係ありません。
Ⅱ.