【事案】

バイクで直進中、対抗右折車に衝突される。救急搬送後、すぐに手術となり、約3ヶ月の入院を余儀なくされた。上肢、骨盤の骨折に加えて顔面も受傷し、線状痕が残存した。   【問題点】

なし   【立証ポイント】

残存した線状痕を計測していただき、5cmを大幅に上回る数値であったため、認定に問題はなかった。また、モノフィラメント知覚テスターを用いた知覚検査も実施していただき、神経症状も乗せた結果、想定通り9級16号認定となった。

👉 セメスワインスタインモノフィラメント検査とは   (令和4年6月)

※ 併合の為、分離しています。  

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【事案】

バイクで直進中、対抗右折車に衝突される。救急搬送後、すぐに手術となり、約3ヶ月の入院を余儀なくされた。診断名は臼蓋骨折、以後、股関節の痛みが続いた。

臼蓋骨は寛骨臼とも言われます。

  【問題点】

治療過程で、「恥骨結合離開」という診断名に変わっていった。   【立証ポイント】

退院当初は歩くことすら困難であったが、懸命なリハビリ努力によって僅かな痛みが残存するだけとなったため、自覚症状や日常での困窮点を主治医に伝え、自覚症状欄にご記載いただいた。

なお、恥骨結合離開は骨盤の変形にまでは至らず、骨盤全体の整復を確認した。   (令和4年6月)

※ 併合の為、分離しています。  

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【事案】

バイクで直進中、対抗右折車に衝突される。救急搬送後、すぐに手術となり、約3ヶ月の入院を余儀なくされた。以後、手首の痛み、手関節と肘関節の不具合に悩まされる。   【問題点】

ひどい骨折であったため、癒合のペースが悪く、抜釘の話も順調に進まなかった。本件は手関節と肘の回内運動に可動域制限が残ったが、治療期間が長引けば長引くほど中途半端に改善してくことが予想されたため、症状固定時期を見定める必要があった。   【立証ポイント】

長期間のサポートによって癒合状態や可動域を把握できていたため、ご本人の意向に沿って抜釘後の症状固定(それでも可動域制限が認定されると判断したため)とした。

後遺障害診断時の可動域計測は無事に終わり、手関節は12級認定を確信したが、回内・回外については原則、合計値で判断されるので、回内だけの制限で認定されるかどうか・・この点に注目した。弊所の危惧した通り、手関節については12級6号認定だったが、回内・回外については非該当であった。

本申請にて回内・回外は合計の数値で判断され、単体では判断されないことが分かった。しかしながら、ケガによっては回内・回外のどちらかのみに可動動域制限が起こることもあり得る。その場合、この認定基準は不利に働くと思う。

※ 併合の為、分離しています。

(令和4年6月)  

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【事案】

自動車走行中、交差点で左方よりの一時停止無視の自動車と衝突、横転したもの。右第6肋骨骨折、頚椎・腰椎捻挫の診断となった。   【問題点】

受傷機転から、余程のことが無い限り認定は取れるはず。MRI検査のみ指示をした。   【立証ポイント】

整形外科でのリハビリ継続させ、症状固定日に病院同行、後遺障害診断書を記載頂いた。

認定上は問題ない。ただし、レントゲン画像貸出=1枚1000円には困った。全部ではなく、初診・終診分のみ絞って提出した。

(令和5年1月)  

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 先日取り上げた「聴覚障害者の死亡事故判決」👉 聴覚障害の女児死亡事故 逸失利益は85%3700万円余判決 ① 事件について    この事故について、関西圏の日本テレビの取材を受けました。それが3月4日に放送されましたのでご紹介します。    ただし、肩書や立ち位置が一部不正確に伝わりそうなので、先に2点補足説明の上、放送映像(Youtube)をUPします。   1,放送中、「保険会社に10年以上勤務の・・」とありますが、正確には保険会社に3年、保険代理店14年です。保険会社関係に在籍・・大雑把に捉えられたようです。   2,赤い本が映し出され、「保険会社の賠償提示は・・」と、まるで保険会社と相対交渉の経験があるような、つまり非弁行為をしている印象を持たれる懸念を感じています。取材の意図は、保険会社の考え方や視点を(歯に衣着せず)聞きたかったようです。その観点からの回答です。決して、行政書士の立場で保険会社と交渉していませんし、弁護士と業際を明確に分離して業務をしています。保険時代の経験と、連携弁護士の報告からの回答と解して下さい。その点、誤解無きよう、補足しておきます。    「報道番組ten.」より ⇒ 交通事故の賠償金裁判、そこでは命に“値段”がつけられていた―― なぜ減額されるのか、遺族らを苦しめる賠償金の闇に迫る   

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 後遺障害が一つ認定が過半数ですが、複数の等級認定も少なくありません。最終的な併合等級を追って、複眼的に認定計画を進めます。やはり、受傷初期からの相談が吉、治療と並行してじっくり準備ができるからです。

 本件も取りこぼしなく、後の交渉解決へ向かいました。

複数の障害、ご本人にとっては大変です   12級6号:橈尺骨遠位端開放骨折(40代男性・群馬県)    14級9号:臼蓋骨折    9級16号:顔面線状痕  

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人体の不思議?

 あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、今回は幻肢痛についてまとめてみたいと思います。幻肢とは、手腕や足の切断後に失ったはずの手足が、まるで存在するかのように感じられることを指し、その部分に痛みを感じるのが幻肢痛です。幻肢痛には通常の鎮痛薬だけでは消えないので、苦しんでいる方がたくさんいらっしゃると思われます。

 幻肢痛は切断後だけではなく、神経損傷や脊髄損傷などによって手足の感覚と運動が麻痺した場合にも現れることがあるようです。幻肢痛が発症するメカニズムとして、脳に存在する身体(手足)の地図が書き換わってしまうこと、つまり手や足を失った事に対して、脳が正しく適応できなかったために生じることが報告されているようですが、その要因については明らかになっておらず、治療法も十分ではありません。実に不思議な幻想ですね。

 治療法としては、薬物療法や鏡療法等があります。薬物療法としては、鎮痛剤(アセトアミノフェン、イブプロフェン)、三環系抗うつ薬光痙攣薬、プレガバリンなどの抗てんかん薬が使われることがありますが、もっと強いものだとコデインやモルヒネなどのオピオイド系の薬があります。その場合には、医師の指示のもと、適切な量をコントロールしてもらう必要があります。

 鏡療法とは、鏡に健常な手足を写し、幻肢が実在するかのように錯覚させることで、幻肢に関連した脳活動を強める訓練があります。しかし、鏡療法は全ての患者さんに有効なわけではなく、効果も一時的であることが多く、幻肢痛に対する確立した治療法とはなっていません。また、近年の研究からは、幻肢に関連した脳活動が強まるほど痛みが強くなることが示され、鏡療法のメカニズムについても疑問が生じていました。その他にも鍼灸治療や反復経頭蓋磁気刺激があるようですが、どれも効果は定かではありません。   ※ 反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)とは、repetitive Transcranial Magnetic Stimulationの略です。  rTMS療法は、頭に密着させた専用の器具から磁場を発生させ、特定部位の神経細胞を繰り返し刺激して、うつ病による症状を改善させる治療法です。頭に密着させる専用の器具にはコイルが内蔵されており、そのコイルに瞬間的に電流を流すとパルス磁場が生まれます(ファラデーの電磁誘導)。この磁場の変化が脳内の局所に渦電流を誘導し、特定の神経細胞群が電気的に刺激されて活性化します。つまりTMS装置では電気エネルギーを専用コイルで磁気エネルギーに変換し、さらに脳内で電気エネルギーに再変換されて神経細胞に伝わります。これを繰り返すことにより、脳内の神経細胞の活動性が変化し、うつ病による症状を和らげていくことが期待できます。(NTT東日本伊豆病院より)  

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相容れない二つの制度?    交通事故に携わっている方や役所関係の方からすると、「そんなことあり得ない!」と怒られてしまいそうなタイトルですが、実は両方使えることがあるのです。今回はその実例を紹介したいと思います。    事例としては、業務中に0:100の事故に遭い、後遺症が残ったというよくあるケースです。被害者さんには過失がないので、自由診療の一括対応で問題ないのですが、長期入院のお怪我だったため、保険会社の担当者に説得(第三者行為届等も全てやりますので…といった具合でしょうか)され、健康保険での一括対応に切り替えました。相手損保は「健保使って!」とうるさいのが常です。

 尚、被害者の方は個人事業主でした。症状固定後に色々お話を伺うと、被害者さんは「労災への特別加入」をしていたのです。しかし、私が気づいたときには、既に相当期間が経過しており、且つ3割負担分であっても高額な治療費を今更自由診療で払うこともできないため、労災に切り替えることは諦めました。そのため、このまま治療を継続し、特別休業給付と特別一時金のみをダメ元で労災に申請してみることにしたのです。

 今までにもこのようなご相談はあったのですが、「健康保険を使ってしまったのであれば、労災保険は使えません。」と、原則通り回答していました。しかし、今回はお怪我が重篤であったことや長期にわたり休業を余儀なくされていたため、仮にOKだった場合の給付金額が大きくなると思い、申請することに至ったのです。(なにより可哀想だったので…。)

 本来であれば、今までの治療費を一旦自由診療で全額支払い、労災へ申請することが望ましいのですが、「既に症状固定をしていること」、「請求するのは特別支給金のみであること」を労働基準監督署の担当者に問い合わせたところ、申請を受け付けるという回答を頂くことができました。    健康保険と労災保険の併用は基本的にできませんが、できたケースもあるというお話でした。今回の知識は交通事故被害者向けというよりも業界関係者向けかもしれません。   ※ 今回は被害者さんが無知であるが故に損をするということを防ぐためにサポートしましたが、この請求方法を悪用することは許せませんし、そのような方をサポートすることもありません。  

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 昨年は突起部の骨折が多い年でした。すでに、尺骨茎状突起、歯突起骨折の実績はご紹介済です。

 今回は載距突起(さいきょとっき)、その実績をUPしたいと思います。   とんがっていると折れるよ  

14級9号:踵骨載距突起骨折(20代男性・山梨県)

【事案】

自動車を運転し、信号のない交差点に進入したところ、左方より進入してきた自動車に衝突され、負傷した。直後から歩くだけでひどい足の痛みに悩まされる。診断名は載距突起骨折。

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【事案】

自動車を運転し、信号のない交差点に進入したところ、左方より進入してきた自動車に衝突され、負傷した。直後から歩くだけでひどい足の痛みに悩まされる。診断名は載距突起骨折(さいきょとっき骨折)。   足のかかとの骨(踵骨)の一部です

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 本日は、久々に栃木県宇都宮市に。

 参加者は少なかったのですが、新しい情報も一つ確保しました。

 東京海上日動さんの弁護士費用特約、損保ジャパンに続いて「刑事弁護費用」もできたそうです。今年の1月1日改定でしょうか。また、主要社の約款を総覧してまとめたいと思います。

 終了後、弁護士さんと駅前の餃子店に。少し離れたお店でしたが、事前の期待を下げていた分、餃子もおつまみもラーメンも美味しかったです。また、数年ぶりに大田原市の辛口酒「天鷹」を味わいました。

 

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 障害を追った人は100%の人間ではない、よって、パフォーマンス低下分○%を差し引いて、その人の生産性とします。    実に人権を無視した考え方に聞こえます。    しかし、前日の自賠責保険のルールを基に逸失利益を逆算した通り、損害賠償の公平の為に障害分を将来収入から差し引いて計算すること自体、理にかなった仕組みです。事実、判決後、多くの法学者さんの見解や、連携弁護士先生の意見を聞くと、これは正当な理屈であり、むしろ、裁判所は被害者寄りに踏み込んだ判決をしたとの評価が多いようです。    そうであっても、本件被害者さんは生れてからご家族と共に、それこそ聴覚のハンデキャップを克服する努力を続けてきました。家族の思いは、「この子は普通の子と変わらない」 のです。    一方、賠償上の評価として、仮に障害やハンデがあっても、それを克服する「特別の努力」という概念があります。本人・家族の努力によって、あるいは職場の理解から、障害のマイナスを埋めた結果、他の同僚と同じ賃金、同じ地位の被害者さんも存在します。弊所の連携弁護士も、この「特別の努力」を立証することで、既往症など減額を防ぐ論陣を張っています。

 また、もちろん少数ですが、障害を持っていたとして、他の才能や努力から、健常者以上に稼いでいる被害者さんも存在します。当然、その収入実績を主張することになります。判例上、実態収入を基とした、高額判例も目にします。つまり、個別具体的な立証が必要であると言えます。    さて、子供さんの場合です。未就労者ですから、収入実績を示すことができません。ある程度、進学した場合は高校の成績から大卒の賃金センサスが採用されることがあります。また、何かスポーツや芸術分野で特別な才能を発揮した場合も考慮されるでしょう。しかし、しかし、、小学校の場合です。学業成績にしても、まだ実績が十分とは言えません。将来、大学進学する事や一部上場企業に就職することなど、まだわからないのです。    本件はまさに、将来どうなるかわからない子供を評価しなければならなかったのです。    障害を持った子供の将来を予想するに、普通の子の収入平均で良いのか? 大変、難しい議論なのです。逸失利益算定の難しさを集約する言葉があります。    それは 蓋然性 です。   👉 蓋然性とは?    本件の判示は、「年齢に応じた学力を身につけて将来さまざまな就労可能性があった」と、特別の努力、聴覚障害者でも健常者同様に活躍できる社会の進歩、技術の進歩を踏まえています。それでも、「将来どうなるかわからない」ことを完全に無視はできませんでした。「労働能力が制限されうる程度の障害があったこと自体は否定できない」とのことです。

 現状の法律である限り、蓋然性を検討して、どうなるかわからない将来を「推測する」しかないのです。その推測ですが、損害賠償は何処まで行っても公平な判断でなければならないのです。進歩的に考えて、将来のある子供さんの予想について、「蓋然性はバラ色にすべき」との人権的な意見が存在します。また、法律はそのままに、逸失利益は削っても、その分、慰謝料を増額させて、実質100%に近づける案も目にしました。まさに、人智を絞った、より被害者救済のアイデアが望まれます。    結論になりますが、秋葉の仕事としては1、弁護士の仕事は2です。     1、蓋然性を高める記録・証拠を集めて、弁護士に託す     2、弁護士は法解釈・テクニックを使って、実質の損害額を高める交渉に尽力する     本件は、控訴されるのかどうか、まだわかりません。秋葉への取材は3月4日、関西・読売テレビ「報道番組ten」で放送とのことです(関東では観れません。後日、ネット放送はあるようです)。今後も事件を見守っていきたいと思います。      

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