(1)病態

 気道確保の目的で気管切開を行い、気管カニューレ=通称Tチューブを挿管するのですが、稀に、肉芽の増殖、気管切開の位置や管理上の問題で抜去ができなくなることがあります。気管や咽頭を受傷しても、同様のことが考えられます。

 傷病名は、気管カニューレ抜去困難症と診断されます。交通事故110番では1例を経験したのみで、極めて稀な傷病名です。   (2)治療

 医学の進歩は目覚ましく、気管カニューレ抜去困難症であっても、オペで除去することができるようになっています。しかし、予後は、術後に誤嚥をきたすか、肉芽が再増殖してくるかの2つのリスクがあり、いつでも、このオペで成功するのではありません。   (3)後遺障害のポイント

Ⅰ.

続きを読む »