舌骨骨折(ぜつこつこっせつ)      男性では、喉の外側から、喉仏=アダムのりんご、喉頭隆起の位置が分かります。喉仏を、手の親指と人差指で、挟むように触れると、上側に、喉仏より柔らかい正中甲状舌骨靭帯があり、その靭帯を上方に辿っていくと、V状の固い骨らしきものに触れます。それが、舌骨です。

  (1)病態

 舌骨は、喉仏=咽頭隆起の上に位置する、三日月型の小さな骨で、手足の骨とは違って、舌首の筋肉で吊るされており、ものを飲み込む、舌を動かすときに連動して動きます。ヒトは、食べるとき、言葉を発するときも盛んに舌を使いますが、舌は大きな筋肉の塊であり、舌骨と呼ばれる宙に浮いた状態の骨を基盤にして働いています。この舌骨が本来の位置から外れる、あるいは不安定になると舌の働きに影響がでます。

 人間の殆どの骨は、隣り合う骨と接して関節を形成していますが、舌骨は顎の下で宙に浮いており、他の骨と接してはいません。胸からの筋肉、喉からの筋肉、そして顎や頭蓋骨や肩甲骨からの筋肉につながっていて、それらの筋肉がお互いにの引っ張り合うバランスによって位置が決まっているのです。   (2)症状

 ① ...

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