Ⅱ. 外傷性食道破裂後に想定される後遺障害は、瘢痕性食道狭窄による嚥下(えんげ)障害です。
① 嚥下障害とは?
交通事故では、咽頭外傷で舌の異常や、食道の狭窄をきたしたとき、頭部外傷後の高次脳機能障害により咽頭支配神経が麻痺したこと、頚椎前方固定術後で、椎体後方の食道や気管を圧迫したときに、また、少数例ですが、外傷性食道破裂でも、複数例の嚥下障害を経験しています。
嚥下障害とは、飲食物の咀嚼や飲み込みが困難になることをいいます。咀嚼した食物は、舌により咽頭へ送り込まれて、飲み下すのですが、そのときは、軟口蓋が挙上して、口腔と鼻腔が遮断、喉頭蓋で気管に蓋をし、飲み込む瞬間だけに開き、食道へと送り込まれているのです。これらの複雑な運動に関わる神経や筋肉に障害が生じたときに、嚥下障害を発症します。
嚥下障害の原因、傷病名 👉 唐突ですが、嚥下障害 ② 嚥下障害の立証
瘢痕性食道狭窄は、耳鼻咽喉科における喉頭ファイバー=内視鏡検査で明らかにします。 続きを読む »