外傷性食道破裂(しょくどうはれつ)

(1)病態

 交通事故では、胸部に対する強い打撃、圧迫により、稀に発症しています。秋葉事務所では未だに受任例がありません。    ネットで食道破裂の外傷例を検索してみました。、   ① 交通事故による第3胸椎破裂骨折に合併したもの、   ② 樹木からの落下で胸部を打撲したもの、   ③ 野球でのヘッドスライディングによる胸部圧迫、   ④ 風呂場での転倒による胸部の打撲に伴う外傷性食道破裂が報告されています。   ⑤ 変わったところでは、食器を運搬中に転倒して、箸が右頚部から刺入し外傷性食道損傷となったものもあります。   >① 75歳男性、歩行中の交通事故により受傷⇒胸部CTとMRIにて右血胸、縦隔血腫、頚椎骨折、第3胸椎破裂骨折を認め、ICUで管理⇒受傷4日後、呼吸状態悪化、人工呼吸を開始、⇒右胸腔ドレーンより血性排液あり、翌日、膿性排液となり、CTで血胸の増悪と縦隔気腫を認める⇒受傷6日後の内視鏡検査で、食道穿孔を認め、外傷性食道破裂と診断、同日緊急手術、⇒食道部分切除、食道瘻造設、開腹下胃瘻、腸瘻造設術施行、⇒食道破裂は胸椎骨折の骨片による損傷が原因と診断されました。   >② 57歳女性、木から落下、翌日より、嚥下での胸部痛とつかえ感が出現、近医を受診、⇒食道内視鏡検査にて下部食道に約2cmの全周性の潰瘍と左右に深い粘膜裂傷を伴う狭窄を認める、⇒超音波内視鏡=EUS検査で食道壁は全層にわたり肥厚、壁構造は消失、⇒狭窄部が瘢痕化した後、バルーンによる食道拡張を施行し, 狭窄症状の改善を認める、保存的治療にて改善、狭窄瘢痕部位はバルーンによる食道拡張術で軽快、12カ月経過後も再狭窄は認められていません。   >③ 15歳,男性、野球でヘッドスライディングをしたあと、前胸部痛が出現、飲水後に,前胸部がしみる感じを訴える、⇒.胸部XP、CT検査で縦隔気腫と診断、⇒縦隔気腫の原因精査のため、上部消化管内視鏡検査を施行、⇒食道入口部に約3cmにわたる裂創を認める、

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