どれだけ症状を訴えようと、事故の衝撃がわずかの場合は後遺障害は認められません。とりわけ、打撲・捻挫、軽度の靭帯損傷での申請の場合、納得できる衝撃でないと深刻度が疑われます。
労災では、顧問医の面接・診断から、症状があれば認める傾向です。しかし、自賠責保険の書面審査では、それが自動車搭乗中であれば、必ず被害状況を確認します。調査事務所は見積もりや車両の写真を取り寄せます。そこで、バンパーが凹んだ程度の損傷では、衝撃が軽い事故と判断され、それに反して訴える症状がいくらひどくても、信用してくれないのです。
自賠責が賠償保険であるところ、この厳しさは仕方のないことです。それだけ、軽い事故で後遺症を訴える事案は難事案と言えるのです。秋葉事務所でも、認定をめぐって数々の攻防が繰り広げられました。今回、「小破」での成功例が一つ増えました。これはこれで貴重な成功例なのです。 小破でも稀に症状の重い方が存在します
非該当⇒14級9号:頚椎捻挫(50代女性・静岡県)
【事案】
自動車にて渋滞のため停止中、後続車に追突されて負傷した。直後から頚腰部痛に加え、手の痺れ・目眩等の神経症状に悩まされる。 【問題点】
事故から4ヶ月経過してからのご相談であったが、整形外科と接骨院を併用して治療していた。そのため、今後は「整形外科>接骨院」という頻度でリハビリ通院することを指導した。5ヶ月目からは順調に整形外科での治療実績を重ねることができたため、事故後半年で後遺障害診断書を依頼し、後遺障害申請を行ったが、非該当であった。 【立証ポイント】
再び病院同行、医師に一貫性を主張する書類を依頼した。医師は「このケガでは後遺障害認定はおりないから、作成しても無駄である。」と言うも、患者に寄り添った書類を作成いただけた。弊所も日常生活の困窮点等をまとめあげ、非該当から1ヶ月半で再申請を実施した。
本件は症状の残存があるものの、受傷機転が「小破」、すなわち被害自動車の損傷は軽微であったことから、非該当を覆すことができるかどうか不安であった。結果、上部審査を経てなんとか14級認定を勝ち取った。以前から「小破」=非該当といった結果が頻発していたが、大逆転! 依頼者さまも大満足の結果となった。