【事案】
通勤で自転車走行中、駐車中の自動車のドアが突然開いて衝突、受傷したもの。尺骨の先端、茎状突起に骨折があった。その後、実家に帰省、現地の整形外科で治療をして、診断書も書いてもらった。
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【問題点】
東京に戻り、引き続き治療ができる整形外科を探すことになった。保険会社に事情を説明し、治療費の支払いを依頼するも、「すでに症状固定とされていますから・・・。」と支払い拒否???、仕方なく労災を適用して治療を継続した。
このような経緯で、事故から2ヶ月半後に弊社に相談にいらした。机に広げられた書類を見ると、なんともう後遺障害診断書が作成されていた。尺骨茎状突起が偽関節化しているため、医師が「おそらく癒合しないだろう」と、好意的判断で診断書を記載してくれたよう。つまり、帰省先の整形外科で症状固定されていた。
【立証ポイント】
まず、以前お世話になった整形外科にお連れした。その院長から「一度、手の専門医に診てもらった方がいい。」と紹介状を作成して頂いた。次いで、紹介先の専門医からは「TFCC損傷の疑い」があるとの事で、定期的に受診し、痛みが治まらないようであれば、手術も検討すべきとの結論に至った。
以後、リハビリとケナコルト注射によって痛みは軽減したが、尺骨の偽関節については不変であったため、改めて後遺障害診断書を記載頂き、保険会社が言う「症状固定日」を更新した。無論、帰省先の整形外科にも、手紙で新たに症状固定日が設定されたことと、旧?症状固定日の修正を依頼し、隙の無い申請書類を完成させた。
症状固定日が二つとは、後の賠償問題に関わる。更新することで後顧を絶ち、自賠責へ申請した。約2ヶ月の審査を経て、狙い通り12級8号を得た。弊所が介入することなく、事故からわずか50日後に症状固定とされた後遺障害診断書を提出していた場合、結果はどのようになっていただろう?
(令和4年8月)
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