8年前でしょうか、X’masにお呼ばれしたブルジョア弁護士先生の別荘で「オリンピック、東京に誘致決定!」を聞きました。長らく不況の続いた平成でしたが、国際大会最大のイベントです! インバウンド含め景気の起爆剤となります。この時は期待に溢れる未来を思い描いていたものです。

 しかし・・ご存じの通り、今年はオリンピックイヤーながら、夏に静かに東京で開催された過ぎず、お祭り気分には程遠いものでした。個々の競技はすばらしいものでしたが、正直、まったく思い出残らない大会として、今後、記憶すら薄れると思います。

 コロナ下の影響は、直接には飲食店や遊興業ですが、派生した売上減少は多くの業種に影響を及ぼしています。企業の倒産数は、実は来年がピークとの試算も見ました。コロナの管理・克服なしに景気の向上は望めないと思います。

 私共も派生産業の一つです。昨年はコロナの発生があっても、売り上げや受任数はキープできました。しかし、今年になって、影響はじわりと寄ってきました。この低迷を取り戻すには、コロナが終息しても2年かかると試算しています。交通事故被害の低下は皆が望むことではありますが、残念ながら0にはなりません。とりわけ後遺症を残すような、困っている被害者さんに声を届けねばなりません。実績ページの通り、秋葉事務所でなければ助けられない被害者さんが一定数存在しています。受任数低下は、つまり声が届いてない状態、勝手に憂慮しています。    オミクロン株の流行が気になります。仮にデルタほどの被害拡大がなくとも、まだ世間の警戒は解けないと思います。来年こそが一番の谷間、事務所の盛衰の最下点を経験するはずです。厳しい日々が続きますが、日本一を目標とする知識と技術、そして、何より成果主義を掲げてしのぎたいと思います。これまでの12年の経験と実績は伊達ではありません。きっと、個々の被害者さんに届くと思います。そして、関係各所の皆様、サバイバルとなる来年もよろしくお願いします。

 

 

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 毎度のことですが、2度目の14級9号の認定率は低いものです。ただし、0%ではない。

 神経症状14級9号の認定を受ける部位は、主に頚部と腰部です。これらの部位に神経症状が生じると、短期間での完治は難しく、以後も再発する傾向です。それは、年齢変性(加齢による脊椎の変形、ヘルニア等が神経に触り易い)が関与するからと医学的に説明できます。つまり、慢性疾患に近い。したがって、自賠責は一度、その部位に認定すると、数年後にもう一度痛めたとしても、審査は厳しく再度の認定を簡単に下しません。

 そもそも、過去に14級の障害を受けた部位に、重ねて同じ障害を追っても、加重障害となり、保険金は0円になるのです。    その辺の理屈 👉 保険会社は知っている ② 5年ぶり3回目の出場(じゃなくて申請)    対して賠償的な観点からすると、裁判でも14級9号の逸失利益(障害を負ったことによる将来の損害)の相場は5年限度が多いようです。すると、過去の受傷・認定で決まった逸失利益の年数、又は5年経てば「治った」ことになり、再度の障害認定に矛盾はないはずです。しかし、前述の通り、あたかも「味をしめたな」とでも思うのか、自賠責は厳しく判断します。ここが、自賠法に規定された自賠責保険と、民法の不法行為による損害賠償の違いが生じるところです。     本件被害者さんにも以上の理屈を事前に説明しました。しかし、20年ぶりに襲ってきた痛みや不具合を前に、そう簡単に納得などできません。「なんとか認定にならないでしょうか?」・・・同部位2度目認定へのチャレンジ、困難ながら佐藤は懸命に立証作業を行ったと言えます。   「依頼者は無理難題をおっしゃる」 再登場、クアトロ佐藤(カズレーザーじゃないよ)  

14級9号:頚椎捻挫(40代男性・神奈川県)

【事案】

自動車にて直進中、対向車が中央線を越えて走行してきたため、避けきれず衝突、負傷。直後から頚部痛等、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

本件被害者さん、20年ほど前に頚椎で14級9号認定を受けていた。

【立証ポイント】

以前に14級が認定されたとはいえ、立証作業は変わらないので、しっかりと整形外科でのリハビリを継続していただいた。相手保険会社がのんびりしていたため、8ヶ月半に及ぶ通院にて実績を万全とした。また、主治医が非常に優秀かつ親身だったため、丁寧な後遺障害診断書が仕上がった。

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 およそサービス業に関わる業者はお客様の意見を知りたいものです。多くの販売業・サービス業は、お買い上げ頂いたお客様に感謝します。そして、より利用して頂くためにも、お客様の声に耳を傾けます。業者が提供するサービスに対する評価に売上拡大のヒントがあること、これは言うまでもありません。

 しかし、業者によっては、サービス業とは言えない業種も存在します。その代表がお医者さんと弁護士さんではないでしょうか。お医者さんに治療費を払って、「ありがとうございました」などと言われることはありません。弁護士先生に対しても、お金を払って依頼するのであって、法律サービスを買ってあげたわけではありません。お客様ではなく、依頼者なのです。両者にはお金を払って平身低頭、お願いするものです。これを殿様商売とするか、特別な依頼とするか、それぞれの考え方になるかと思います。

 最近の傾向では、HPに依頼者さまの感想・意見を載せる弁護士もでてきました。司法改革により、この15年で約2倍の数となった弁護士、競争の原理の下、顧客ニーズの分析と喚起、マーケティングをするようになったのだと思います。「士業もサービス業である」とまで言う先生も見られます。それで依頼者さんへの対応に切磋琢磨があれば、競争の原理は士業にも良い影響を与えていると思います。

   さて、自ら宣伝効果を期しての意見掲載と違い、口コミ投稿は怖いものです。辛辣な批判も覚悟しなければなりません。今年は時間もあったので、他業種のお客さまによるクチコミ投稿を好んで観ていました。参考になることも多々ありましたが、思わず目を疑うと言うか、吹き出してしまうような書き込みを目にしました。少し紹介したいと思います。最近はモンスターカスタマーと言われるような、理不尽なお客さんがテレビでも紹介されています。どの業界でも一定数は存在するものです。  

<旅行予約サイト じゃらん様 から引用> 内容は個人情報に配慮、脚色しています。

  ○ ある山奥の温泉宿へ、旅行後のクチコミから

 Aさん「宿へのルートを聞こうと30分も電話をかけ続けたが、まったくでない。やっと到着して、受付で夕食の時間を1時間遅らせて欲しいと言ったところ、温かい物が冷めても良いのですかと返答された。気に入らないのか、玄関をバタンとすごい音で締めて出て行った。こんなひどい態度の宿は二度と泊まらない(怒)」    確かにひどい宿に聞こえます。しかし、山奥の家族経営の宿では、一斉に夕食を用意する体制が普通で、大型ホテルのような融通は利かないものです。旅行慣れしている者こそ、このクチコミに違和感を覚えます。そして、最近の宿は口コミによる風評を恐れてか、言われっぱなしを良しとしないのでしょう。普通にレス(反論)しています。    宿の女将「この度は行き届かず、申し訳ありません。しかしながら、電話30分は大げさではないでしょうか。確かに受付が混雑して、出れなかった電話が1本あったと記憶してします。何度もお電話を頂いたとは思えません。もしもA様が接客中の時に、宿の者がそれを遮って電話に出られたらいかがでしょうか。 また、宿の予約の際に夕食の時間が定められております。時間変更はできるだけお応えするようにしておりますが、山奥の宿のゆえ限界がございます。 それと、当宿の玄関は自動ドアになっており、大きい音は鳴るはずがございません。 もう二度とご利用はないとおっしゃるので、まさか再度のご利用はないと思いますが、次回は別のお宿をお勧め致します。」    女将、激おこですな。きっと、このお客Aさんに総じて問題があったのだと思います。

 クチコミの多くは、宿への感謝や旅の思い出です。仮に良くない点があっても、宿を想っての改善点で、きっと宿側も参考として受け取っているはずです。対して、気分の悪いクレームも一定数あるもので、不快な思い(遅れたのは自分の責任ですが)を盛って書くのでしょう。逆恨みで悪評を広げる・・宿側にしたらたまったものではありません。飲食店などは風評で簡単に潰れてしまうのです。   ○ ある観光地の旅館(1泊8900円)へのクチコミから

 Bさん「宿の受付でベルを鳴らしてもなかなか出てこない。部屋に案内するも、荷物を持ってくれない。部屋もカビ臭く、畳に髪の毛が落ちていた。露天風呂にも落ち葉や虫が浮いていて、掃除をサボっているとしか思えない。・・・部屋に戻ると電気が切れていた。さすがに、受付に文句を言う気も失せて、その日は懐中電灯で一晩過ごした。なんで旅行にきてまで、こんな最低な思いをしなければならないのか(怒)」    すでに、「おいおい」と言いたくなるレベルです。受付がすぐ出なかったことからの見事なドミノ倒し・・すべて悪い方へ解釈しています。確かに掃除の徹底は大切ですが、露天風呂のくだりは、無理です。落ち葉や虫を四六時中監視していろ、とでも言うのでしょうか。このような人は露天風呂に入っちゃダメです。好意的に解すれば、「常識を知らない」が為のクレームです。また、そもそも1泊1万円以下の民宿レベルの代金に、高級旅館や1流ホテルのサービスを求める勘違いもあります。この手の人には、周囲が優しく諭してあげるべきでしょうか。

 諭すレベルを越えている事は、「電球切れでキレた」くだりです。受付に電話1本入れれば、すぐに替えてくれるはずです。宿の落ち度として、電球のチェックを怠ったのかもしれませんが、チェックイン後にたまたま切れたのかもしれません。 懐中電灯で過ごした・・そんなことで旅行が楽しいのか?人生が楽しいのか?・・普通の感覚ならそう思います。そうです、このような人は、普通ではないのです。恐らく「悲劇のヒロイン症候群」です。これは、不当な宿の仕打ちに耐え忍ぶ自分に燃えている、いえ、萌えているのです。究極のマゾです。快感をつかさどる脳内麻薬が狂っているので、ある意味、病気なのかもしれません。でも、後になって、クチコミで復讐するからタチが悪い。    交通事故の被害者さんにもたまに見受けられます。確かに、ある日、理不尽な被害事故に遭って、大変な苦行を強いられます。相当な怒りと不安、ストレスでしょう。しかし、前向きに事故の解決へ進める方もおりますが、悲劇のヒロインから抜け出せない、いえ、抜け出さない方を数名みてきました。事故の加害者だけでなく、警察、病院、保険会社、役所、弁護士・・すべてに苦言・クレーム、誰彼なく噛みつき一々対立しますので、解決が一向に進まないのです。まるで、周囲すべて敵になります。    サービス業の多くは、人と接する仕事です。人の機微を掴む努力は必要です。ただし、病気レベルの人に対しては、あらゆる努力も及びません。医師間の隠語で「プシコ」と言う言葉があります。これは、サイコ・コンサルの略で、心療内科へ紹介(状)との意味です。   続きを読む »

 あるランキングによると、辻堂は住みやすい街でNO.1だそうです。駅前のショッピングアーケードの灯りがキラキラ、整然と計画された街です。      冷たい風の吹く中、辿り着いた整形外科は明るく、看護師さん・理学療法士さん達がきびきび動いています。受付の事務員さんもにこやか、すると当然のように院長先生も優しく丁寧・・良い病院は一貫しているのです。

 逆に、院長先生が高圧的、かつ院内のヒエラルキーが他人が見てもはっきりしている院は、すべての職員が仏頂面で冷たく、笑顔はありません。ホスピタルでありながら、まったくホスピタリティを感じません。院長先生の姿勢が院の雰囲気を作るようです。    本日は予約時間通りに待ち時間もなく、説明も的確に短く、速やかに診断書を依頼、流れるように後遺症診断を終えました。このような院に当たると、帰路の足も軽くなります。

 コロナ下、昨年~今年の病院同行数は少ないものでした。来年こそは、従来のフットワークを発揮した立証活動に戻りたいものです。

 

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【事案】

自動車にて直進中、対向車が中央線を越えて走行してきたため、避けきれず衝突、負傷。直後から頚部痛等、強烈な神経症状に悩まされる。   【問題点】

本件被害者さん、20年ほど前に頚椎で14級9号認定を受けていた。   【立証ポイント】

以前に14級が認定されたとはいえ、立証作業は変わらないので、しっかりと整形外科でのリハビリを継続していただいた。相手保険会社がのんびりしていたため、8ヶ月半に及ぶ通院にて実績を万全とした。また、主治医が非常に優秀かつ親身だったため、丁寧な後遺障害診断書が仕上がった。

過去に等級認定を受けている件では、「一方、○○様においては、本件事故前△△年の事故により14級の認定がなされており~」という文言が運命を分ける。本件はその文言が記載されておらず、普通に14級認定となった。過去にはなんと33年前の認定を持ち出され、非該当になった案件もあった。諦め半分で申請したが、ご本人も大喜びの結果となった。

このような、「二度目の同部位14級認定」、弊所では3件目となりました。

(令和3年12月)

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 興味深い記事があったので、記載したいと思います。因みに待機的手術とは、外科的機器やメスなどを用いて、計画的に患部を切開して治療的処置を行うことを指すようです。要するに緊急手術のような場合を除いた、手術する前に十分検証、説明をした上で行う手術ということですね。    多くの一般的な待機的整形外科手術は保存治療と比較して、全体/サブグループにおいて有効と思われるが、より効果的であることを示す強力で質の高いエビデンスはないという。英国・National Institute for Health Research Bristol Biomedical Research CentreのAshley W.

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TUGテストとは、Timed Up & Go Test の略です。    最近、水頭症の専門医と面談の機会があり、医師から教わった事を基に、日本運動器科学会さまのHPから引用、記事にまとめました。今後も高齢者のご相談・ご依頼者さまの介護や障害の評価として、度々目にするはずです。      Timed Up & Go Test(TUG)は開眼片脚起立時間とともに運動器不安定症(MADS)の指標となっています。 続きを読む »

日誌、連投します1    12月22日、政府が2022年度の診療報酬改定について全体で0.94%マイナスとすることを決めたようです。その中で「リフィル処方箋の導入」というワードがありましたので、調べてみることにしました。

 リフィル処方箋とは、一定期間内であれば反復使用できる処方箋のことを指し、薬が必要なときに調剤薬局でリフィル処方箋を提出すれば、医師の診察を受けることなく薬をもらうことができるようです。既にアメリカやイギリス、フランス、オーストラリアでは既に導入されている制度のようですね。

 日医工によると、ずいぶんと前からこのリフィル処方箋については議題にあがっているらしく、2010年に「チーム医療の推進について」の中でリフィル処方箋が提案されたとの記載もありました。普段あまり病院に行かない私としてはメリットしかないように思いますが、日医工は導入によるメリットとデメリットを各目線で解説していましたので、その表を載せてみます。   続きを読む »

 12月20日にネットニュースで自賠責保険のことがやっていましたので、記載してみたいと思います。(読売新聞参照)    国土交通省は、交通事故による重度後遺障害者の支援を充実させるため、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の保険料に車両1台あたり年100円程度を上乗せし、財源とする方針を固めた。2023年度実施を目指し、来年の通常国会に関連法の改正案を提出する。現在の保険料は自家用車1台で2万10円(2年)。人身事故の補償が目的で、うち「賦課金」(約32円)と呼ばれる徴収金は加害者が不明のひき逃げ、無保険車による事故の被害救済に使われる。この部分に100円程度加算し財源とする。今は01年度まで実施されていた自賠責保険の政府再保険制度による運用益を財源に、年140億円程度の予算を確保している。残高は約7500億円あるが、今後の増加が見込めない上、うち6000億円余りを国に貸し付けており財源として制約があった。一方、重度後遺障害者を受け入れる病院は老朽化が進み、施設も足りていない。親が子を介護するケースも多く、社会の高齢化で入所希望者が増えることも予想される。国交省は病院や施設の整備を図る方針だ。

 自賠責保険は車やバイクの全所有者に加入が義務づけられている。対象車両は国内約8000万台で、100円上乗せで新たに年約80億円の財源が確保できる。

 ◆重度後遺障害者=遷延性意識障害(いわゆる植物状態)となったり、脊髄損傷で介護が欠かせなくなったりした人。交通事故で障害を負った人には、国土交通省が専門病院で受け入れるなど支援している。    悲惨な事故は後を絶ちません。重度後遺障害者の支援として独立行政法人自動車事故対策機構(通称NASVA)があり、療養センターを国内に4ヵ所(千葉療護センター、東北療護センター、岡山療護センター、中部療護センター)、療護センターに準じた治療と看護を行う委託病床を国内7ヵ所(中村記念病院、聖マリア病院、泉大津市立病院、湘南東部総合病院、藤田医科大学病院、金沢脳神経外科病院、松山市民病院)に設置・運営しています。1台につき100円~150円で困っている被害者を救えるのであれば安いものですね。

 今後、車の所有台数は減少していく一方だとは思いますが、交通事故被害者や無保険、ひき逃げの件数は減らないような気がします。年々、国民の負担は膨らむばかりで辟易としますが、久々にこれなら上乗せで払ってもいいと思えるようなニュースでした。   現在、弊所のご依頼者でも、NASVA施設に入院の方が1名おります。  

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【事案】

自動二輪車にて走行中、右車線から追い抜いてきた車が急に左折したため、巻き込まれるような形となり衝突、受傷した。直後から強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

事故から半年が経過してからのご相談だったが、既に膝の可動域制限は12級の数値を逃しており、靭帯や半月板に問題なく、膝関節の動揺性もなかったので、神経症状の等級認定に向けてサポートすることとなった。

【立証ポイント】

すぐに病院同行し、現状の把握と主治医の方針を伺った。術後1年で抜釘し、1~2ヶ月後に終了予定とのことだったので、その間、復職へ向けてリハビリ病院でリハビリをこなすこととなった。

事故から1年3ヶ月後の後遺障害診断時には、自覚症状をまとめたものを主治医に渡し、12級を確保すべく丁寧な後遺障害診断書に仕上げた。また、関節面の癒合状態にわずかな不整がみられた。ここが運命を分けるポイント、それをアピールすべく事故当日のCT画像と症状固定時のレントゲン画像の打出しも添付し、勝負をかけた。

14級か12級か・・・関節面の不整を認めていただき、見事12級13号認定となった。

(令和3年11月)  

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「事故らなければどうということはない」

 佐藤です。 以前、電動キックボードのことを少し記載しましたが、少しずつ普及しつつあるように感じています。しかし、危惧した通り事故や違反が相次いでいることから、警視庁は今月から取締を強化することにしたようです。やっと!といったところでしょうか。    以前、ご紹介しました認定を受けた4つの事業者以外(前回記事 「電動キックボード流行の兆し」の電動キックボードに乗る際、若しくは認定事業所のものでも、エリア外では原付に該当するため、

 ① 運転免許証の携帯、車道の走行、ヘルメットの着用    ② ブレーキ、ライト、ミラー、ナンバープレートを備えること    ③ 自賠責保険に加入すること   以上が義務付けられています。    ところがシェアサービスではなく、量販店や通販で購入した場合、ここまでの準備を一人ですることは大変ですし、ここまでしなければならないことを認識されていない人がほとんどなのではないでしょうか。せっかく電動キックボードを購入したのに原付と同じことをしなければならないのであれば、私なら原付に乗ると思います(その方が便利で速いので)。

 都内では、2021年1月から11月までの11ヶ月で人身事故が16件、物損事故が44件も発生しているそうです。警察を呼ばなかったものも含めるともっと多いと思います。国も事業者も利用者もまだ手探りの段階ではありますが、早く法整備を進めてほしいものです。ちゃんと使用すればとても便利なものだと思うので、電動キックボードの今後について注目していきたいです。   電動ならキックボードは人身傷害保険の交通乗用具に入るようです 続きを読む »

 一番好きなお酒は?と聞かれ、あれもこれもと悩み、その回答に窮する時、思いつく酒が「田酒」です。

 好きな食べ物・飲み物、それも嗜好品となれば、簡単に答えられないと思います。お酒はビールもワインも好きですが、酒の種類などその日の気分で嗜好が左右されそうです。また、値段やグレードの差があっても、それぞれの旨さや個性があるものです。もちろん、合わせる料理にも大きく影響します。ワインと料理の組合わせをマリアージュ(フランス語で結婚)と呼ぶそうです。

 先の質問に対して「日本酒では」と付け加えますと、今の時期、お燗の季節は青森県の西田酒造の「田酒」が筆頭にきます。華吹雪という酒米を基本に醸しますが、西田酒造では大吟醸~特別純米など、どのグレードも必ず The 田酒 の味になります。どれも、燗にするとその実力が発揮されます。巷ではフルーティな吟醸香が際立つ日本酒が人気ですが、田酒はその路線を目指しません。味わいが「米」の滋味そのもので、お米の持つふくよかさ、甘みと苦み、うまみが料理を包みます。当然、お米を使った料理、お鮨はじめ日本料理には最高の伴侶となるのです。

 その田酒から、なんと山田錦(酒米でもっとも有名かつ高級種)で醸した酒が発売したではないですか!田酒マニアからすると、ちょとしたニュースです。元々、大吟醸では山田錦があったと記憶していますが、ベーシックグレードの特別純米酒での登場です。    山田錦の田酒・特別純米酒(左)。 ちなみに右隣は「山廃 田酒」で、毎年この時期の定番。もちろん、お燗にするために作られたお酒です。個人的には、ちょっと熱めに燗(55°前後)にして20分置いた、「燗冷まし」がベストです。日本食はもちろん、この時期、七面鳥や鳥のローストなどクリスマス料理にも合います。      山田錦「田酒」の感想ですが、味はいつも田酒の形を残しつつ、最初に山田錦特有の濃厚な甘みがきて、渋みと苦みが追ってきました。全体的に山田錦の実力を備えた力強い酒には違いませんが、やはり、田酒はいつもの華吹雪が合うなぁと思います。    購入時、「今更何で山田錦なの?」と疑問に思い、質問しました。酒店の店主によると、恐らく、全国的に山田錦が余っているので、それを引き受けたのではないか、とのことです。早速、調べた背景事情は以下の通りです。

農林水産省の「令和2年度酒造好適米等の需要量調査結果・酒造好適米の全体需給の推計」   ...

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 骨折しても、骨がきれいにくっついた場合、重大な後遺症は残らないのが一般的です。

 自賠責保険・労災では、障害の系統・序列を定めており、膝関節の場合、その序列を以下のように考えています。   1、切断肢 ・・・脚がズタズタで整復不能から切断   2、機能障害 ・・・可動域制限、あるいは動揺関節   3、変形 ・・・骨折後、曲がってくっついた   4、神経症状 ・・・痛み・しびれなど不具合   ※ 醜状痕 ・・・傷や変色の残り。上記に被って認定されるので、別枠のイメージです。    この中で、4の神経症状は、通常、12級13号と14級9号の選択になります。両者の賠償金は3倍ほどの開きになることもあり、賠償交渉を担う弁護士にとって注目の認定となります。

 その認定・判断を分ける要素は、器質的変化の有無です。簡単に言うと、骨折後の偽関節(結局、くっつかなかった)、変形癒合(形が変わった、きれいにくっつかなかった、余計な部分までくっついた)、転位(ズレてくっついた)、稀なケースですが異所性骨化 ※(余分な骨が形成された)などです。

 「すごく痛いから12級、それなりなら14級」で区別しているわけではありません。画像や検査結果で他覚的に証明されるか否か、つまり、証拠の有無が両者を区別しているのです。

 本件も、関節面の不整を勝負所とみて、癒合後の水平断画像を添付、アピールしました。   ※ 異所性骨化・・・本来骨組織が存在しない部位、例えば、筋膜、靱帯、関節包などに異常に骨形成が起こる現象。骨梁構造を認める点が石灰化との違いとなる。好発部位は骨盤、股関節、膝関節、肩関節、肘関節など。    画像が勝負を決めます  

12級13号:脛骨高原骨折(50代男性・東京都)

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 道路交通法の条文は以下の通りです。あおり運転の典型例を赤字で注釈しました。

 あおり運転で、117条の2の2 十一 イ~ヌがいくつも重なると罪状が加算するのでしょうか? 弁護士先生に質問したところ、イ~ヌがいくつあっても、刑が加算されるわけではなく、その罰則(三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金)以下で審議されるとのことです。

 ただし、ヌについては、それが著しい危険、重大事故となれば別格の扱いとなり、より重い117条の2 六に該当し、同条が求刑されることになります。    <道路交通法>   第百十七条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。    六 次条第十一号の罪を犯し、よつて高速自動車国道等において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた者    ⇒ 高速道路など駐停車禁止区域で止まり、重大な危険(事故)を生じさせたものはとくに厳罰(記憶に新しい事故ですが、停車させたことが原因で別の後続車に衝突された死亡事故がありました。この事故が法改正のきっかけでしょうか。)     第百十七条の二の二 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。     十一 他の車両等の通行を妨害する目的で、次のいずれかに掲げる行為であつて、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした者    イ 第十七条(通行区分)第四項の規定の違反となるような行為    ⇒ 反対車線を走行(して追い抜こうとする行為)    ロ 第二十四条(急ブレーキの禁止)の規定に違反する行為    ⇒ 理由のない急ブレーキ(で後続車へいやがらせ)    ハ 第二十六条(車間距離の保持)の規定の違反となるような行為   続きを読む »

 相変わらずワイドショーであおり運転、危険運転が報道されています。やはり、ドライブレコーダーの普及がニュースのネタ作りに一役買っているようです。今更ですが、昨年新設された「妨害運転罪」を見てみましょう。以下、警視庁のWebサイトから引用します。

妨害運転罪の創設

 令和2年6月10日に公布された道路交通法の一部を改正する法律により、妨害運転(「あおり運転」)に対する罰則が創設されました。これにより、令和2年6月30日から、他の車両等の通行を妨害する目的で、急ブレーキ禁止違反や車間距離不保持等の違反を行うことは、厳正な取締りの対象となり、最大で懲役3年の刑に処せられることとなりました。

 また、妨害運転により著しい交通の危険を生じさせた場合は、最大で懲役5年の刑に処せられることとなりました。さらに、妨害運転をした者は運転免許を取り消されることとなりました。   ※ 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律も改正され、危険運転致死傷罪の対象となる行為が追加されました(令和2年6月12日公布、令和2年7月2日施行)。    妨害運転のような悪質・危険な行為により人を死傷させた場合には、危険運転致死傷罪(妨害目的運転)等にも当たる場合があり、さらに厳罰に処せられることがあります。

 警察では、他の車両等の通行を妨害する目的で行われる悪質・危険な運転に対して、今回創設された妨害運転罪や危険運転致死傷罪(妨害目的運転)等のあらゆる法令を駆使して、厳正な捜査を徹底することとしています。

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 山梨県韮崎まで被害者さんとの打ち合わせに。久々の山梨出張だが、このまま中央線を下れば、信州松本です。ここから先は、いくつもの選択肢があるのです。選んだ湯は待望の白骨温泉、その遠さからも今まで来たことがなかった未湯(みとう)の地でした。    昨年の大雨の影響から上高地線が一部不通、松本駅から振替バス→上高地線→バスと乗り換えを重ねましたが、苦労してたどり着いたお湯は期待を超えるものでした。    炭酸+カルシウム、そして硫化水素(≒硫黄)、前者が湧き出した時に炭酸ガスが水中から逃げ、分解して炭酸カルシウムとなり白く濁る。さらに、空気に触れた硫化水素が酸化して白濁する。これらダブル漂白効果で、パールのような深い白色になるのです。

 硫黄泉では珍しく中性のpH値から飲泉も可能、香は硫黄の香ばしさを残すも、癖のない味は焼酎で割っても飲めそう。舌と鼻孔を通じ、体の中と外から湯が浸み込みます。浴槽の縁に重なるカルシウム分の固形物がまるでトルコのパムッカレのように美しく、野鳥の鳴き声と雪どけの軋み音が静寂にアクセントを加え、絹衣に包まれるようなベルベットな浴感・・ここは五感すべてを満たしてくれる場なのです。    能書きはこれくらいで、その薄青さを帯びたシルキーな湯面をご覧下さい。    この日、宿泊客は私一人。終始、湯舟を独り占めでご満悦。もぅ、お湯に溶け込んでしまいたい。     ワンちゃんが宿泊客の出迎えと見送りに従事。温泉宿のワンちゃんネコちゃんは立派な従業員なのです。

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【事案】

自動車に搭乗、信号待ち停止中に、左方より右折車の正面衝突を受けたもの。以後、頚部・腰部及び、肩関節の痛みに悩まされる。   【問題点】

本件は弁護士からの調査依頼で、受任時にはすでに後遺障害診断書が記載されていた。頚椎捻挫・腰痛捻挫など、おなじみの診断名に、肩腱板損傷(棘上筋不全断裂)の診断名が続いた。さらに、肩関節の可動域の外転が90°と、左右差1/2(10級10号?)となっていた。

受傷機転から、肩関節に棘上筋が断裂するほどのダメージがあったのかが問われるが・・・自賠責の怒りを買う事必至と思った。この場合、医師の診断名は患者サービスに過ぎ、正しくは「棘上筋損傷の疑い」に留まるもので、多くは頚部神経由来の頚肩腕症、肩関節炎の発症、痛みからの関節拘縮であることが多い。毎度のことだが、このまま提出するにためらわれる内容であった。

ためらわれる理由 ⇒ 肩腱板損傷の認定、過去記事から 発端編   【立証ポイント】

出来るだけ受傷機転他、事情を説明した文章を添付したが、案の定、自賠責から「怒りの非該当」回答が戻った。

実は認定結果がでる前から、肩関節の症状を究明する為、専門医に誘致していた。そこでのエコー検査では断裂を示す所見はないと、専門医は明言した。痛みから動かさないことで拘縮が進んだもので、事故との直接因果関係からは遠いことになる。

そこで、2つの対策をとった。一つ目は、同医師の指導の下、理学療法を再開して肩関節の回復を進めること。90°の可動域など、賠償金以前に日常生活への支障を取り除く必要がある。

2つ目は、最低限の後遺症を認めてもらうこと。肩関節はひとまず置いておき、主治医に意見書を記載頂き、少なくとも頚部・腰部の神経症状が続いていることを主訴に、14級9号に絞って再申請に臨んだ。

結果、頚・腰共に症状の一貫性から14級の認定を受け、あるべき解決の軌道に戻した。

(令和3年12月)  

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 受傷機転(どのような事故状況で、どこに、どれほどの衝撃が加わったか)から、かけ離れた診断名、症状を訴えると・・自賠責は怒ります。いくら医師が診断名を付けようと、信じてくれません。残念ながら、これが交通事故外傷の現実です。

 もちろん、検査を重ね、間違いのない損傷所見を見出せば、その障害認定に全力を尽くします。しかし、苦しい事故状況の説明、物理的に不自然な受傷、誰がどう考えても大げさな症状、年齢相応の症状が重なったもの、加えて不明瞭な画像所見が揃えば、苦戦どころか戦いになりません。裁判まで突っ走っても負けます。そこで、現実的な戦略で進める必要があります。

 本件は最初から最後まで、秋葉の予想通りの流れと結末でした。連携弁護士も良い経験則になったはずです。   14級とは言え、主婦でも300万円です! 正しい解決へ導く必要があります  

非該当⇒併合14級:頚椎・腰椎捻挫(40代女性・神奈川県)

【事案】

自動車に搭乗、信号待ち停止中に、左方より右折車の正面衝突を受けたもの。以後、頚部・腰部及び、肩関節の痛みに悩まされる。   【問題点】

本件は弁護士からの調査依頼で、受任時にはすでに後遺障害診断書が記載されていた。頚椎捻挫・腰痛捻挫など、おなじみの診断名に、肩腱板損傷(棘上筋不全断裂)の診断名が続いた。さらに、肩関節の可動域の外転が90°と、左右差1/2(10級10号?)となっていた。

受傷機転から、肩関節に棘上筋が断裂するほどのダメージがあったのかが問われるが・・・自賠責の怒りを買う事必至と思った。この場合、医師の診断名は患者サービスに過ぎ、正しくは「棘上筋損傷の疑い」に留まるもので、多くは頚部神経由来の頚肩腕症、肩関節炎の発症、痛みからの関節拘縮であることが多い。毎度のことだが、このまま提出するにためらわれる内容であった。

ためらわれる理由 ⇒ 肩腱板損傷の認定、過去記事から 発端編   【立証ポイント】

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