14級9号が認定される部位では、圧倒的に頚部(くび → むちうち)です。次いで、腰(腰椎捻挫)でしょうか。これらは、症状の一貫性と信憑性が認定のポイントです。

 上肢・下肢の捻挫の場合も同じように検討されますが、神経症状に陥るなど症状が残りやすい頚部や腰部に比べて、はるかに改善する傾向です。したがって、骨折のない腕や脚の認定は取りづらい印象です。秋葉事務所の実績からも数は少なく、毎度苦戦しています。そこで本件の場合、被害者さんの訴えを曲げてでも、認定が容易な腰部を主訴として作業を進め、診断書をまとめました。

 自賠責保険の認定パターンからすると、頚部や腰部で14級9号を認定すると、診断名や訴えのある肩やら膝やら各部位にもついでに(?)14級を付けてきます。14級はいくつあっても併合で等級が上がりませんから、実質、保険金の増額はありません。ある意味”おまけ認定”と弊所では受け取っています。

保険金は上がらない「おまけ認定」ですが、多少は賠償交渉の役に立ちます  

14級9号:膝関節打撲・挫創・血腫(60代男性・東京都)

【事案】

自動車で走行中、路外より急な転回を試みた自動車に衝突され受傷する。直後から右脚の痛み、強烈な神経症状に悩まされる。

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【事案】

自動車で走行中、路外より急な転回を試みた自動車に衝突され受傷する。直後から右脚の痛み、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

膝の血腫については1ヶ月ほどで消失するも、痛みを伴う神経症状が残ってしまった。しかし、主治医は腰椎からくる痺れ・神経症状と同視しており、MRI検査の紹介状にも膝のことは一切触れられていなかった。   【立証ポイント】

痛みの残存はあるが、歩行や可動域、正座・胡坐など問題なく行うことができるため、MRI検査の実施は諦め、認定を得やすい腰椎14級9号を主訴に、ついでに膝の認定を狙う方針とした。ご本人としては 腰 < 膝 であったが、渋々納得して頂く。

初診時からの一貫性と通院回数によって狙い通り、腰と膝両方に14級が認定された。最初から膝一本に絞っていたら、非該当だったのではないかと思われる。

※ 併合のため、分離しています

(令和3年9月)  

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