昨年の自賠責保険の改定ですが、地味ながら後遺障害慰謝料が増額しています。増額と言っても、支払い限度額が変わったわけでなく、慰謝料が増額した分、逸失利益が減りました。つまり、全体として支払い限度額は増額していません。

 これは、昨年の法定利息の引き下げ(長らく5% ⇒ 3%)の影響でしょうか? しかし、法定利息の引き下げは、逆に逸失利益の計算における、中間利息を控除する計算(ライプニッツ係数)上、被害者が有利になります。つまり、ライプニッツ係数が上がれば、逸失利益は増額することになります。以下、かみ砕いて説明しましょう。   裁判の判決で賠償金が決まる ⇒ 法定利息5%が加算される (原告=被害者は嬉しい!)   これが昨年4月より3%に下がったのですから、全体として被害者が獲得する賠償金は減ることになります(被害者、残念)。   逆に、後遺障害の逸失利益(将来に向けての損害)はこの金利引き下げの影響から、中間利息控除の計算上、その係数(ライプニッツ)は引き上げられました(被害者には朗報!)。   逸失利益の喪失期間10年間の場合、その係数7.7217が8.5302に引き上げとなりました。   新たな係数では、逸失利益10年分ですと、10-8.5302=1.4698が利息として差し引かれます。これは将来10年に渡ってもらうべきお金をまとめてもらうので、先に一括で受け取るのだからそのまま貯金すれば利息で得をしてしまいます。損害賠償の公平な負担の観点から、その利息分は差し引くべきとの考え方です。つまり、この係数が上がれば、逸失利益は増額することになるのです。   続きを読む »

【事案】

市場の構内を歩行中、後方よりフォークリフトの衝突を受け受傷したもの。転倒の際についた肘は肘頭骨折、車輪でひかれた右足は足甲部に圧挫創と醜状痕、小指側の中足骨の骨折と足の親指(母趾)の骨折となった。

【問題点】

本件は上図のようなキルシュナー鋼線ではなく、折れ方から金属ピンで固定した。癒合は良好で、幸い可動域制限なく回復となった。また、線状の手術痕が残った。   【立証ポイント】

回復よくも、痛みや不具合は残存した。診断名と自覚症状の記載だけで14級9号がついた。

※ 併合の為、分離しています

(令和3年9月)

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