【事案】
交差点にて横断道路を歩行中、前方不注意の右折車に衝突を受ける。転倒した際、小指を脱臼し負傷。事故から 6ヵ月目、相手保険から打切り打診があった段階での相談となった。
【問題点】
受傷した小指は、可動域制限あるも、13級6号「1手のこ指の用を廃したもの」に届かない数値だった。残るは靭帯損傷か神経症状の残存か・・選択は厳しくなった。
【立証ポイント】
左小指の軟部組織状態を精査する為、急遽主治医にMRIの紹介状を貰うよう手配。MRI撮影後、本人から画像のコピーを速達で送って頂き確認。軟部組織に異常が無いと判断し、症状固定の日取りを調整した。
無事、医師面談も終わり、上出来な診断書が完成した。過去撮影したレントゲン画像もコピーをして頂き、補強できる医証が無いか確認したところ、受傷初期の画像に遊離骨片(脱臼の際に折れた骨のかけら)のような影が映っていた。
症状固定後の現在、骨片が残存しているか不明、何よりレントゲンの費用は自己負担になる。依頼者さんの時間とお金を使わせて良いのか悩みに悩んだ末、一か八かレントゲンを追加依頼した。
結果は、骨片は残っていた。医師もMRI上問題なかったため見落としていたとの事。後遺障害診断書へ骨片の残存を追記して頂き、自賠責へ申請した。
これが決め手となり、14級6号「1手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの」の認定となった。わずか3㎜の骨のかけらであるが、基準通りの”指骨の欠損”に導くことができた。 (令和3年3月)