国交省、自動ブレーキ義務化を発表 

 <以下、ベストカーwebさまより引用>    2019年12月17日、国交省から乗用車の衝突被害軽減ブレーキ(AEBS/アドバンスド・エマージェンシー・ブレーキ・システム)国内基準と義務化の内容が公表された。

 GVW(乗員+車両+積荷の重量合算値)に応じ、2014年から段階的に義務化が施行されている商用車(トラック&バス)に続く安全対策だ。

 まずは2021年11月以降に発売される新型の国産車に関して、基準を満たした性能を持つ衝突被害軽減ブレーキの装着が義務化される。

 義務化の時点で販売されているクルマ(=継続生産車)は2025年12月以降、同タイミングの軽トラックはさらに後倒しで2027年9月以降に義務化が課せられる。

 また、正規販売される輸入車の新型車は2024年6月以降、輸入車の継続生産車は2026年6月以降、国内基準が適応される。    安全装置の義務化、良い響きですが一抹の不安がぬぐえません。まだ記憶に新しい、池袋で起きた高齢ドライバーの暴走による死亡事故を例に検討しますと、「自動ブレーキ装置でこの事故は防げない」・・これが、専門家の意見です。走行中、歩行者や自動車を察知して止まってくれるのは、時速40km以下の低速走行の場合です。時速60kmの走行の場合は、時速20kmの前車に追突する危険を察知・制動がかかって追突を未然に防ぐことができます。つまり、一定の速度を超えれば、完全に事故を防くことはできません。高速道路はもちろんですが、例の池袋の事故は100km近くだったそうです。たいていの重大事故は高スピードを原因とし、スピードが被害を拡大させている事実があります。

 日進月歩の安全装置であっても、自動車は基本的に人が操作する機械です。交通状況から臨機応変な対応を可能とするのは、未だAIより人です。確かに、発進時のアクセル・ブレーキの踏み間違いなど、単純なミスによる事故を防ぐ効果は期待できます。だからと言って、そもそも、アクセルとブレーキを間違えるほどの人にハンドルを握らせて大丈夫なのでしょうか。そのような危ないドライバーが街中にあふれていることを想像して下さい。交差点を、曲がり角を、あらゆる交通状況からいち早く危険を察知して、歩行者を守って運転できるのでしょうか。、アクセルとブレーキを間違えるほどの人は、すぐにでも運転を止めてもらった方が賢明ではないでしょうか。

 免許返納を決意するような判断力が高齢者にあればよいのですが、池袋の事件はそれ(自己判断)ができなかった例と言えます。安全装置の義務化に決して水を差すつもりはありませんが、過度な期待は危険と思います。むしろ、高齢者ドライバーの免許返納が遅れないかを危惧します。「自動ブレーキ付きだから、もう数年おじいちゃんが運転しても大丈夫と思った」・・・高齢者の重大事故が頻発してから、このような分析(言い訳)をされても困ります。

 言うまでもない事ですが、教習所の指導、免許更新時の検査、そして何より本人以上に家族による(免許保持の)判断を、複合的に考えていく問題かと思います。

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【事案】

バイクで直進中、右側道から右折進入した自動車と衝したもの。頭部を強打、ほぼ即死となった。 【問題点】

被害者は家族経営の自営業で収入・申告額が低く、逸失利益があまり見込めない。さらに、妻子も居なかった為、家族慰謝料もなく、事故状況からある程度の過失減額も止む無し。結果、ほとんど自賠責保険の死亡保険金の限度額3000万円に留まる計算に。

【立証ポイント】

それでも、自賠責保険で終わるなど、到底、ご遺族にとって認められることではない。連携弁護士は裁判に利がないため、粘り強く追加的な賠償金を求めて2年に渡る交渉を続けた。

弊所では、自賠責保険の請求事務と携行品損害の明細を作成するなど、連携弁護士のバックアップを務めた。平行して、財産目録と相続分割協議書を作成、相続手続きを進めた。

相手の(任意)保険会社も名目をつけて賠償金を上乗せし、できるだけの努力をしてくれたよう。しかし、もはや金額の多寡が問題ではない。ご遺族にとって、事故を解決させるために、2年の月日が必要だったのだと思う。

(平成30年2月)  

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