休業補償に関する証明書類の取得ため、仙台まで病院同行。

 本件、重傷の被害者さんは、受傷まもなく保険会社から紹介された保険会社の顧問弁護士に依頼しました。しかし、病院の転院先選定やリハビリ計画・検査計画に対しても具体的な方策はなく、「まだ症状固定は先なので・・」と様子見です。生活の糧となる休業補償の確保すらせず、さすがに依頼者から見放されました。

 法律の専門家である弁護士先生とて、万能の神でもスーパーマンでもありません。賠償交渉はできても、すべての事務に精通しているわけではありません。まして、地元仙台の病院情報すら、東京の秋葉より劣ります。通常、整形外科ならまだしも、その他の専門科を把握している事務所は稀です。

 それなら、抱え込まずに、弊所に委託してくれれば・・恐らく解任はされなかったでしょう。

 (この先生、解任によって、少なくとも三百万円の報酬を失ったと思います。)

 こんな便利な事務所があるのに、まだ利用価値が弁護士業界に浸透していません。

   雨の仙台駅。 東北地方は局地的大雨の被害があったそうです。

 

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 前回の①②を通して、秋葉事務所の結論を述べます。

 それが、9年前の事務所開設から一貫して主張・実践してきた、「連携」です。

 受傷から解決まで、交通事故業務全てを完璧に対応できる事務所はないと思っています。そして、賠償交渉の場面のない交通事故解決もほとんど存在しませんので、絶対に弁護士は必要です。したがって、交通事故の諸事務を、被害者側の調査機関(あるいは行政書士)と弁護士が連携して業務にあたれば、被害者救済業務は完成します。  

4、受傷から解決まで、連携業務一覧表(完成)

 上図のように、担う業務を法律に照らして分担・整理すれば、弁護士との業際問題は起きません。なにより、被害者の皆さんは安心してストレスなく治療に専念できます。諸事務を行政書士(もはや行政書士でなくても良いのですが)が二人三脚で進め、交渉ごとは弁護士が対応、解決まで隙の無い両輪体制になるからです。

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 交通事故の解決には、弁護士の賠償交渉に留まらず、色々な作業があることを示しました。また、すべての弁護士が宣伝文句通りに助けてくれない現実も説明しました。    それでは、弁護士がやってくれないのなら、誰がやってくれるのでしょう?    最近、めっきり少なくなった交通事故・行政書士、一時の流行は過ぎ去った感があります。10年前は交通事故を積極的に受任する弁護士は少なく、保険会社の顧問・協力弁護士が細々と保険会社から紹介を受けている程度、まして、ネット広告を出す弁護士は(広告規制の為ですが)皆無でした。もちろん、交通事故被害者からの相談・依頼はありますが、交通事故はあくまで死亡や重度障害のレベルでの受任であって、むち打ちなどの軽傷は謝絶が普通でした。

 このような環境下、隙間産業的に勃興したのが交通事故・行政書士でした。ビジネスとしての狙いは良いのですが、避けられないのは”業際問題”です。行政書士は代理権もなく、弁護士に比べてできる事が制限されています。それを示す表があります。

弁護士 行政書士

 書類作成

○ △(保険会社に対する請求書を作成。なお裁判所に提出する書類の作成は不可)

 示談交渉

○ ×

 調停

○ ×

 訴訟

○ ×

   この表は、交通事故・弁護士向けに販売されているHPのコンテンツです(HPの内容を自作せず、雛形を買っている先生のHPに同じように掲載されていますのでよく目に付きます)。それはさておき、まったくもって記載の通り、弁護士と行政書士を比べては話になりません。そもそも資格・専権業務が違うのですから当たり前です。ただし、私達の整理した表は、もっと細かく交通事故の作業を整理しています。それが、下の図です。  

3、行政書士ができる業務の範囲

 このとおり、交通事故業務はもっと広範に渡り、先の表は、上図の4 賠償交渉 の部分だけ、弁護士・行政書士の双方を比較しているに過ぎません。弁護士側からの発想ですから、賠償交渉にのみ着眼するのはやむを得ないとして、昨日の2 治療 ...

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 先週の東京相談会は厳しい残暑にも関わらず、8名のご参加を頂きました。参加された皆様、大変お疲れ様でした。毎度のことですが、既に弁護士に相談中、又は契約中のご相談者様が3名もおりました。    いずれも、賠償交渉以前の段階で難儀していながら、弁護士の先生に相談しても埒が明かない、不安が解消できないことから、相談会に参加となりました。つまり、交通事故で困って専門家に依頼したものの、相談先の先生では何も解決できないのです。それは、弁護士が法律の専門家であり、決して交通事故の専門家ではないことを示しています。加えて、この現象は交通事故業界の構造的な問題と考えています。交通事故の解決に必要な作業として、当然に弁護士先生の賠償交渉は必要です。しかし、交通事故は賠償交渉のみですべてを解決できるものではありません。百万遍の言葉を重ねてもわかりづらいと思いますので、8年前に作成した図を使った説明を試みたいと思います。  

1、交通事故発生から解決までの作業一覧

 1 事故発生から5 解決まで、被害者に課せられる作業です。人身事故を対象としていますので、病院の役割も下段に整理しました。ケガの痛みや入通院の苦難を抱えて、これらの作業を被害者がたった一人でやらなければなりません。ご家族の助けがあるにせよ、初めての事故で混乱することばかりです。だから、相手保険会社の言いなりに進んでしまうのだと思います。なにせ、保険会社は治療費を病院に払ってくれますし、事故車も見に行ってくれますし、休業損害まで払ってくれるのです。被害者にとって、これらは当たり前の事かも知れませんが、本来、被害者自らがきちんと立証書類を突きつけて請求する作業です。電話での感じは悪いながら、大変便利な相手保険会社におんぶに抱っこ・・後の賠償交渉でそのツケ(安い示談金で解決)を払わされることになります。

 実は交通事故の80%以上は、相手保険会社に囲われた状態で解決です。もちろん、その全てがダメとは言いません。多くはそれも省力的・合理的な解決方法と思います。しかし、後遺症が残るような重傷者の方はそうは行かないはずです。

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 骨折しても、予後の経過がよく、骨癒合を果たし、ほとんど完治するケースもあります。医療の進歩も日進月歩、プレート固定術の技術も向上していますので、むしろ、変形や機能障害を残すことは減っています。それでも、骨折で人体に高エネルギーの衝撃を受けたわけですから、数年は痛みはもちろん、何らかの不具合は残るものです。

 問題は、臨床上、医師は「後遺症無く治った」と判断することです。医師もある程度の不具合は残っても、それは完治の範囲、後遺障害が認定されるとは思わないのです。そこで、私達のようなメディカルコーディネーターが病院に同行し、医師の理解を促す、つまり、後遺障害診断書の記載を求める作業となります。

 医師は一生懸命、治療努力をしてくれたのです。医師への感謝と尊敬を持ちつつ、後遺障害認定のお手伝いを乞う・・・これも、後遺障害立証の困難の一つです。

患者1人で医師と折衝するのは難しいものです

14級9号:橈骨遠位端骨折(50代女性・埼玉県)

【事案】

原動機付自転車で、信号のない交差点に進入したところ、左方から来た自動車に衝突され転倒、手首を骨折した。直後から手の痛みやしびれ、強烈な神経症状に悩まされる。 続きを読む »

 なんだかんだ言っても、自賠責保険の等級認定は精度が高く、認定結果の多くはその論理的な判定基準に納得しています。

 一方、交通事故でも、加害車両がない自転車事故のように、自賠責保険の後遺障害審査にふす事ができないケースがあります。すると、対応する保険契約を探し、その自社認定に頼ることになります。自賠責保険は任意保険の会社と密接でありながら、第3者機関としての立場で審査します。比して、自社認定は保険金を支払う保険会社が独自審査するのですから、判定のブレはもちろん、一抹の不安があるわけです。

 本件の場合、自身加入の保険会社と加害者が加入する賠償保険(工事業者が工事中、第3者に損害を与えた場合に補償を行う請負賠償保険)双方に審査・請求を行いました。何故、そんなことをするのかは、以下の通りです。

保険請求のプロを自負しています

請負賠償12級13号:膝蓋骨骨折(50代男性・埼玉県)

【事案】

自転車に搭乗中、道路工事の工事中の標識がなかった為、工事現場に進入してしまい転倒、膝を強打、膝のお皿を骨折した。

【問題点】

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 高次脳機能障害により引き起こされる様々な後遺症、どの部分に焦点を当てるか? 立証計画を作成するにあたって、心がけていることです。

 すべての症状を余すところなく、完璧に主張することが基本ですが、本件の場合、とくに労働能力の低下に注目しました。日常生活の障害は睡眠障害と味覚障害が主訴ですが、これらは等級を引き上げる要素としては弱いものでした。一方、職場では極端に疲れやすく、段取りも悪く、慣れた工程すら忘れて覚えられません。簡単な片付けや掃除ならまだしも、まったく仕事にならないのです。

 これでは、サラリーマンの場合は当然「クビ」になりますが、家族経営の自営業者の場合、解雇にならず、勤め続けます。それは当然に家族だからです。しかし、後の賠償交渉で、「復職できていますね」と相手損保から指摘されるのはしゃくなわけです。そこで、労働能力の全廃と言わないまでも、専門職への復帰不能はもちろん、業務が相当限定される5級2号を目指す必要がありました。一見、7級の症状でしたが、なんとか一つ繰り上げた次第です。

毎回、ギリギリの勝負です  

5級2号:高次脳機能障害(40代男性・神奈川県)

【事案】

バイクで信号のない交差点に進入したところ、自動車と出会い頭衝突。頭部を強打し、意識不明の状態で救急搬送、急性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血、脳挫傷、頭蓋骨骨折の診断が下された。

【問題点】

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【事案】

バイクで信号のない交差点に進入したところ、自動車と出会い頭衝突。頭部を強打し、意識不明の状態で救急搬送、急性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血、脳挫傷、頭蓋骨骨折の診断が下された。

【問題点】

本件は依頼者側の過失が大きく、相手から一括支払いを拒否されていた為、ご家族が自賠責に120万円を求償すると同時に労災を申請しており、支払いや書類等が複雑になりつつあった。また、高次脳機能障害認定の3要件の一つである「意識障害」がやや弱かった為、審査の入口ではねられる危険も十分であった。

【立証ポイント】

すぐに病院同行し、主治医と面談。高次脳機能障害に多少の理解はあるものの、どのような検査立証が必要か、また、その検査設備についても心もとなく、全ての検査を別病院で実施する方針となった。

書類作成作業では、ご家族からより具体的なエピソードを伺った。特に仕事面では、専門職である仕事の工程から、どのようなことを頭の中で組み立てていくか、各工程からどのような工夫が必要か、そして、出来ない理由は等々、具体的にお聞きした。そのエピソードをもとに「易疲労性」、「遂行機能障害」を明らかにする文章が出来上がった。 仕事面は別として、ご本人が一番困られていることは「不眠」と「味覚障害」であったが、この2つは直接後遺障害等級に結びつかなかった。人間にとって最も重要である「睡眠」と「食事」の楽しみを日常生活から奪われたご本人のことを考えると、想像を絶する苦悩があったに違いない。脳障害から、様々な症状を引き起こすことを目の当たりにした案件であった。

(平成30年6月)  

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 正確には頚部ですから、頚髄損傷です。本件等級認定のポイントは四肢の麻痺の程度です。もちろん、完全麻痺の車イス生活ほどひどくはありませんが、ご本人の苦しみは中程度~軽度麻痺を越えるものでした。また、排尿や生殖器、感覚器にも不具合が残り、様々な神経症状が残りました。それらの検査を漏らさず実施、丁寧に収束させる作業が望まれます。その点、受傷直後からのご依頼でしたので、二人三脚で認定まで漕ぎ着けました。

 3級認定は大きいと思いますが、それ以上に後の賠償交渉に万全の対策をしてきましたから、連携弁護士も想定された反論を抑える論陣を張ることができます。やはり、事故の発生から解決まで、全体を見通す視点と即応した対策を可能とする事務所にご依頼頂きたいと思います。一歩間違えれば、大変難しい、苦しい交渉になると思います。

( ← 男 秋葉 Va.イラスト)  私達にとっての「奈良判定」、それは、自賠責が既往症を考慮したような等級判定をすることです。これは、後の賠償論での論点であって、自賠責が因果関係を追及するあまり、これに踏み出すことは僭越だと思っています。本件では、自賠法に基づいたジャッジが成されたと思います。  

3級3号:頚髄損傷(50代男性・東京都)

【事案】

交差点で信号待ち停車から青信号で発進のところ、左方からの信号無視の自動車の衝突を受けた。直後から上肢・下肢の痺れを発症、救急搬送された。1週間後に症状が急変し、緊急手術となった。急いで頚髄への圧迫を除去する必要があり、椎弓の拡大術並びに、椎間の固定術を行った。

術後も、4肢のしびれ・運動障害・筋力低下に留まらず、あらゆる神経症状(排尿障害、生殖機能の障害、わずかに嗅覚・味覚低下)が発露した。リハビリを2年続けるも、改善が進まなかった。

【問題点】

年齢相応の脊柱管狭窄症、さらに、後縦靱帯骨化症の兆候がみられた。相手損保は既往症の主張をすること必至と思われる。予想される紛争に対し、等級認定まで隙の無い治療経緯と、万全の検査が勝負を分けることになる。

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【事案】

交差点で信号待ち停車から青信号で発進のところ、左方からの信号無視の自動車の衝突を受けた。直後から上肢・下肢の痺れを発症、救急搬送された。1週間後に症状が急変し、緊急手術となった。急いで頚髄への圧迫を除去する必要があり、椎弓の拡大術並びに、椎間の固定術を行った。

術後も、4肢のしびれ・運動障害・筋力低下に留まらず、あらゆる神経症状(排尿障害、生殖機能の障害、わずかに嗅覚・味覚低下)が発露した。リハビリを2年続けるも、改善が進まなかった。

【問題点】

年齢相応の脊柱管狭窄症、さらに、後縦靱帯骨化症の兆候がみられた。相手損保は既往症の主張をすること必至と思われる。予想される紛争に対し、等級認定まで隙の無い治療経緯と、万全の検査が勝負を分けることになる。

    【立証ポイント】

まず、速やかに労災手続きをとって、治療費の圧縮を図る。0:100の事故ながら、相手損保に対して過度なプレッシャーを抑制、つまり、治療費の増大を押さえた。続いて、症状の緩和を優先、鍼灸マッサージを併用したリハビリの延長をしぶとく取り付けた。それでも、1年半経過で、相手損保がしびれを切らした。以後は、労災の休業給付を引っ張り続けて、諸症状の検査を推進、泌尿器科(排尿、生殖機能)、耳鼻科(嗅覚)、歯科(歯牙欠損)受診後、すべてをまとめた後遺障害診断書と申述書を完成させた。

神経系統の障害は諸症状を総合して判断するので、症状を漏らさずコツコツ積み上げることが等級を決める。歯の障害を除き、すべての神経症状を含めた最高等級が認定された。それが、介護状態に至らずも就労不能とされる3級である。今後の賠償交渉に十分なアドバンテージを得たことになる。

身体障害者手帳の申請を既に済まし、平行して労災の障害給付の手続きを推進中、こちらも年金支給の3級を確保する予定。受傷直後からのフォローは確実にして王道、もめてからの受任とは比べ物にならないのです。

(平成30年7月)  

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 容赦の無い酷暑も峠を過ぎたようです。毎年お盆を過ぎると湿度が下がって、朝晩が過ごし易くなってきます。今日は、事務所の外廊下の風も軽く感じられました。引越しの喧騒も過ぎ、重傷案件や長期案件の申請も終えて、現在は数年ぶりとも言うべき仕事の谷間を経験しています。毎日、新しい案件の相談も入ってきますが、割と余裕のあるスケジュールです。しばらくは、事務所内の規定作りなど、普段出来ない事務作業を進めることができます。それでも、近々のテーマはやはり「営業」でしょうか。

 日々の業務を丁寧に取り組むことは当然ですが、営業活動も平行して取り組まなければなりません。営業と言えば商売的に聞こえますが、つまりは、「被害者救済業の周知」を意味します。秋葉事務所では、とくに困難な案件が頻繁に入ってきます。それらは、交通事故で被害にあったが解決に進めることが出来ない、あるいは、相談している弁護士先生では手に負えない等、被害者さんが路頭に迷っている状態でした。やはり、解決までの様々な段階で適切な手を打たねばなりません。それには、弁護士先生の力はもちろん、事故発生から解決まで、誰かがしっかり付き添っていく必要があります。初期対応から治療、転院、検査、そして、後遺障害の立証等、局面で正しい舵を切る船頭が必要なのです。

 その点、今までの依頼者様から多かったご意見は、「やっと、(秋葉事務所に)たどり着いた」「なんで、もっと宣伝してくれないの」など、渇望の声でした。これだけ、多くの事務所がインターネットで宣伝をしていても、病院同行を主とした被害者救済業は根付いていないのでしょう。被害者側の医療調査は、全件とまでは言いませんが、重傷事故では必須の作業と思っています。残念ながら、そのニーズは潜在的なもので、初めて交通事故にあった被害者さんは気付くまでに時間がかかります。また、多くの事務所が「交通事故の専門家」を名乗っているものの、言葉通りの経験や力量が伴っている事務所は数少ないと思っています。これだけ、セカンドオピニオン(既に、他事務所の契約又は相談中の被害者さん)が多い事実がそれを証明しています。

 求める声に応じ、さらに、隠れたニーズを喚起する為にも、一層の宣伝活動を展開していきたいと思います。私は学校を卒業後、保険の営業マンからスタートしました。営業こそが私のアイデンティティーです。いよいよ、その本領を発揮したいと思っています。もちろん、計画は常に長期的です。日々、コツコツが身上と思っています。  

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 交通事故で歯を受傷、治療費に関することや後遺障害となる場合に歯医者さんに病院同行することがあります。どの歯医者さんも一様に保険会社への治療費請求に窮しているようです。恐らく健保受診と自由診療の2パターンのいずれで請求するか、これに賠償問題が絡むので判断が難しいのでしょう。    さて、恒例の夏休み企画は、猛暑も凍りつく、おそろしい話を・・    私は虫歯体質なので、歯医者さんは欠かせません。子供の頃から歯医者さんは恐怖の対象でした。この歳になって新たに虫歯になることは稀ですが、およそ、3年に1回は歯の金属がだめになり、取替えるために通院します。近年は、自宅近くではなく、職場近くの院を探します。しかし、これだけ歯医者さんがたくさんありながら、信頼して通える院は少ないと思っています。実際、築地~銀座界隈でも、4件目の歯医者さんに落ち着きました。つまり、1件目~3件目からは逃げだしたのです。    逃げ出した理由を話しましょう。   ○ 第1話 恐怖、果てしなく続く歯科衛生士の尋問

 金属が外れたので、新しく被せて下さいと受診しました。ところが、先生が診てくれず、歯科衛生士さんが「歯を綺麗にしましょう」と言って、歯石取りに使う道具?で、歯をキューンと始めました。若くて可愛い娘だったので悪い気はしませんが、これが罠だったのです。時折、作業を休めて世話話と言うか、質問してきました。

 「職場はお近くですか?」 「どのようなお仕事ですが?」 「お役職に就かれているのですか?」・・・曖昧な回答をしていたのですが、どんどん質問が鋭くなってきました。ついには「年収はおいくらですが?」と聞かれそうです。いかん、このままでは口を割ってしまう(焦)。

 要するに、私の治療方針は「どの位お金を持っているか」で決めるのです。 銀座界隈の歯医者はこのような怖さがあります。   ○ 第2話 恐怖、次はどの歯を治してやろうか

 2軒目は、ちゃんと金属を治してくれましたが・・それで帰してくれるほど甘くありません。子供の頃に神経を抜いた別の歯について、「中が汚れています」と言い、神経の穴の掃除の為の通院を求めてきました。そんなものかなぁ、と数回通ったのですが、3回目に「歯の色が変色していますので、新しくセラミックを被せる処置をします」と・・。恐る恐る金額を聞くと、先生は冷徹な口調で「材質にも寄りますが15万円からゴニョゴニョ、皆さんやっていますよゴニョゴニョ」。そんな治療はお願いしていません。

 下駄を持って逃げ出したのは言うまでもありません。   ○ 第3話 恐怖、背後に迫り来る歯科医

 しばらくして、別の歯の金属が剥がれたので、別の歯科医へ。ここの院長は人柄も優しそうで大丈夫かなと思って、診察台に。

 しかし、歯の金属はもうダメで根本的に治す必要があると・・インプラント、ブリッジ、それらの材質・・説明が続きます。私は芸能人でもないので、「先生、健保適用ができる方法でお願いします」と言いましたが、先生の目は狂気を帯びて勢いは納まりません。やばい、診察台の上ではまな板の鯉です。(ショッカーに改造手術を受ける仮面ライダーのように逃げださねば・・)そこで、「次回まで検討しますので、何か見積もりみたいなものに書いて下さい」とお願いしました。すると、メモ帳みたいな紙切れに、3パターンの金額を書いてくれました。5万円から60万円まで・・いい加減なもんです。

 その日の治療費を支払って、そそくさと院を出ました。ここも、「ない」 な、と内心つぶやくと、後ろから「秋葉さーん!」と大声で、歯医者さんが走って追ってきました。手に先ほどの見積もりの紙っきれを持って。

 その姿が今でも脳裏に焼きついて、夢にもでそうです。。       続きを読む »

 むち打ちでの異時共同不法行為はたまにありますが、手関節捻挫のケースは珍しいと思います。異時共同不法行為とは、同じ箇所を1回目、2回目と2度の別の事故で痛め、後遺障害となることです。後遺障害は1回目+2回目の連続した事故で残ったもの・・としますので、前後の賠償義務者が後遺障害についてのみ按分して賠償金を負担することになり、賠償交渉がややこしくなることを防いでくれます。

 このように自賠責には特殊な認定方法があり、意識的に活用することで、後の解決の道筋を整理することができます。

自賠責特有のルールです

併合14級:手関節捻挫(50代女性・埼玉県)

【事案】

自動車運転中、直進道路で後続車の追突を受ける。通院を継続していたところ、再び追突事故に遭う。

【問題点】

ふたつの事故により、同じ個所をそれぞれ痛めたと相談に来たが、1回目事故では頚、腰部痛、手関節痛を認めていたが、2回目の事故は診断書上、手関節について途中から診断されているように記載されていた。なお、事故はそれぞれ別々ではあるが、同じ医師が治療していた。

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【事案】

自動車運転中、直進道路で後続車の追突を受ける。通院を継続していたところ、再び追突事故に遭う。

【問題点】

ふたつの事故により、同じ個所をそれぞれ痛めたと相談に来たが、1回目事故では頚、腰部痛、手関節痛を認めていたが、2回目の事故は診断書上、手関節について途中から診断されているように記載されていた。なお、事故はそれぞれ別々ではあるが、同じ医師が治療していた。

【立証ポイント】

本件の場合、後遺障害等級の申請にあたっては、1回目、2回目事故についてばらばらに申請するのではなく、異時共同不法行為という自賠責特有のルールで申請して、主訴となる手関節痛についても等級を狙うことにした。

主治医に1回目、2回目それぞれの事故日を後遺障害診断書にまとめて頂き、申請した。その後、自賠責から回答書の依頼もあったが、丁寧に症状をまとめて回答した結果、頚、腰部痛を含め、手関節痛にもすべて14級9号が認定された(それぞれ併合して14級である)。

(平成30年5月)  

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 続いて、佐藤の近時の仕事です。

 ムチウチや腰椎捻挫は、常に相手損保から疑いの目でみられます。たかがムチウチ、打撲・捻挫の類だからです。何ヶ月も通院することなど、そもそも異常なのです。そして、保険会社から被害者感情が高じた「賠償病」とまで揶揄されています。確かに、相談会に同症状で参加される相談者さんの多くは、大げさな方が多いように思います。一方、明らかに神経症状が発症し、症状が長引く被害者さんも一定数は存在しています。残念ながら、被害者ご本人の症状、苦しみの度合いは他人からは分かりづらいものです。それでも、私達なりに症状の真偽、軽重を検討します。本当に苦しんでいる方を助けなければなりません。

 以下、3例も自賠責に信じてもらえましたが、いずれも認定・非該当のどちらにも判断されうる際どいものです。とくに、3例目の整骨院・接骨院での施術は、その治療効果は別として、後遺障害認定には大変に不利に働きました。弊所の認定例からも、整骨院・接骨院を治療・リハビリの中心にした場合の認定率は著しく低いのです。もっとも、優れた施術によって症状が緩和され、結果として後遺障害にならずに良かったと思います。 (じゃあ、なんで後遺障害申請したのよ?と言いたくはなりますが)

整骨院・接骨院の役割・効果は認めますが・・  

14級9号:腰椎捻挫(50代男性・山梨県)

 

14級9号:頚椎捻挫(40代男性・東京都)

 

非該当⇒併合14級:頚椎・腰椎捻挫(40代女性・山梨県)

 

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【事案】

自動車運転中、渋滞の為減速のところ、後続車から追突を受ける。直後から頚腰部痛のみならず、手足の痺れ、頭痛、めまい等、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

相談時には既に4ヶ月が経過しており、それまでは整骨院との併用であった為、通院回数がやや少なかった。また、今回の事故が3回目であり、以前の2回は整骨院中心の通院で、いずれも非該当であった。

本事故では、整骨院の通院をやめて整形外科1本でリハビリするよう指示した。また、半年では通院回数に不安を感じたため、治療延長依頼をするよう指示し、なんとか7ヶ月までOKとなった。支払終了日に病院同行し、後遺障害診断としたが、受傷機転、通院回数、診断書の内容も問題ないにも関わらず、1ヶ月で非該当の知らせが届いた。

【立証ポイント】

理由書の精査、症状の一貫性、症状固定後の通院等から異議申立を決意し、非該当通知からわずか4日後に再度病院同行となった。主治医に経緯を説明し、すぐに追加資料の作成をしてくださったため、非該当通知から約1ヶ月でスピード再申請(異議申立)となった。初回申請同様、約1ヶ月で認定が覆り、併合14級認定を勝ち取った。ご本人も諦めかけていたが、三度目の正直で大満足の結果となった。

(平成30年8月)  

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【事案】

原付に搭乗中、渋滞の為停止していたところ、後続車に追突される。その衝撃によって前方の車に衝突。直後から頚部痛のみならず、手のしびれ等、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

相談を受けたのが受傷から約11ヶ月後だったにもかかわらず、まだMRI撮影未実施であった。また、相手が無保険なのか所属会社が全て支払っており、今後の賠償についても不安な様子であった。

【立証ポイント】

指示通り、本人がMRI撮影を依頼、主治医の承諾を得た。撮影後すぐに後遺障害診断に同席し、神経誘発テスト等も実施してもらう。症状固定時には神経学的検査も実施してもらった。なかなか診断書が完成せず、何度も催促するも、完成までになんと半年を要した。主治医も申し訳ないと思ったのか、非常に良い診断書が出来上がった。申請後、40日で14級9号認定となった。

(平成30年7月)  

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【事案】

原付に搭乗中、安全確認の為停止していたところ、後続車に追突される。直後から頚部痛のみならず、手のしびれ等、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

相談を受けた時点で受傷から1年後だった為、直ちに症状固定を指示し、病院同行の日程調整を行った。

【立証ポイント】

診療報酬明細書を精査してみると、自由診療にも関わらず治療費が驚くほど安価だったため、保険会社が治療費を出し続けた理由も納得であった。後遺障害診断に同席し、自覚症状、画像所見、知覚・握力低下を主に記載いただいた。約1ヶ月での14級9号認定となり、ご本人も大満足の結果となった。

(平成30年8月)  

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 事務所の受任の半数以上はムチウチ・頚椎捻挫・外傷性頚部症候群の範疇になります。重症案件には入りませんが、被害者の苦しみや解決の難しさは特有のものがあります。全件の実績はUPしきれませんが、山本による近時認定の2件を紹介します。    1件は、相手が無保険(任意保険)かつ、逆切れ支払拒否のところ、相手の自賠責からきっちり回収を果たしたケース。

 もう1件は、相手保険会社の治療費打ち切りに対し、健保通院を継続して14級認定に導いたケース。

 いずれの策も、弊所ではお手のもの。 ケガの症状が酷ければ早めの相談をお待ちしています。   対策を誤ると賠償金の多くを失います。  

 併合14級:頚椎・腰椎捻挫(30代男性・埼玉県)

 

 14級9号:頚椎捻挫(50代男性・静岡県)

   

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