年末年始にかけて認定ラッシュとなりましたので、溜め込まないうちに、いくつか紹介・UPします。年初から骨折画像を観続けの毎日です。お医者さん、放射線技師の次に医療画像を観ている仕事と思います。本年も勉強を怠らず、泥臭くとも努力と根性で行きたいと思います。 

 誰しも後遺症を残さぬよう、治療に全力を尽くします。そして、治りが良ければ、どうしても後遺障害申請に気が回りません。障害など残さず治す事が一番ですが、治療と平行して賠償問題にも気をかける必要があります。症状がはっきりしているうちに、すみやかに申請をすべきなのです。

   若い人は治りがいいなぁ  

14級9号:脛骨骨折(20代女性・群馬県)

【事案】

自動車の後進を誘導中、誘導していた車と駐車場の柵に挟まれたため、すねを骨折した。直後から強烈な痛みに悩まされる。

【問題点】

相手保険会社から示談の案内=傷害慰謝料の提示があったことを機に、相談会に参加された。

髄内釘で固定後、骨癒合促進のため超音波治療を続けた。その効果から変形や機能障害も残さず、回復は良好であった。相談時には既に1年半以上経過しており、最終診察は8か月前も前だった。    続きを読む »

【事案】

自転車で横断歩道を走行中、右折車に衝突される。わずかながら、CTで頭蓋骨骨折とくも膜下出血が発見された。   【問題点】

事故から既に5ヶ月経過していたが、病院・保険会社・労災とのやりとりで疲弊しており、検査が不十分であった。何より、依頼者さんは耳鳴りの立証を強く希望しており、頭部外傷後の諸症状について、ご家族も深刻な認識を持っていなかった。弊所としても、当初から高次脳機能障害の認識は乏しく、主訴とは考えていなかった。

【立証ポイント】

ただちに高次脳機能障害とは思えなかったが、基本通り病院同行し、MRI検査(T2スター)と「意識障害についての所見」を依頼し、初動はひとまず完了した。日常生活状況報告書を後送し、高次脳機能障害としても審査がなされた。

申請から約4ヶ月で9級10号が認定された。予想外の高次脳認定となった。いくら症状が軽度であっても、高次脳機能障害の3要件が揃っていれば、厳しく症状を追求すべきである。今後、反省すべき案件となった。

※併合の為、分離しています

(平成30年1月)  

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【事案】

自転車搭乗中、交差点で右方から来た車に衝突され、前歯を折った。

【問題点】

相談時には、歯で後遺障害申請が出来るとは思っておらず、治療完了からそのまま放置していた為、歯科医には診断書の依頼をしていなかった。

【立証ポイント】

事故前に奥歯を1本治療しており(既存障害)、今回の事故で破折が1本、さらに治療を行った歯牙打撲が2本、計4本が現存障害歯と計算できた。すぐに歯科医の予約を手配し、歯科専用の診断書を依頼した。通常、歯科医は自賠責の加重計算のルールを知らない。歯科医と診断書記載についての打合せを重ねた結果、無事に14級認定となった。

※併合の為、分離しています

(平成29年12月)  

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 今年の交通事故死亡者数の統計がでました。弊所でも昨年は3名の受任がありました。死亡ですと後遺障害の立証の必要がなく、調査・申請業務はかなり限定されます。手続き事務のみとなりますが、被害者家族にとっては取り返しの付かない大事です。近年の減少傾向は歓迎すべきです。早速、傾向を見てみましょう。    警察庁によると、2017年の全国交通事故死者(速報値)は累計3694人となり、前年比では210人減、現行基準の統計開始翌年の1949(昭和24)年の3790人を下回る、過去最少数となりました。

 うち65歳以上の高齢者は累計2020人となり、前年比118人減となっていますが総数の54.7%を占め、同統計開始の1967(昭和42)年以降、2016(平成28)年の54.8%に次ぐ高い値となっています。

 つまり、ここ数年の努力で死亡者数が減っています。昭和40年代は現在の自動車登録数の半分しかない状態で10000人超が続き、16000人が亡くなった年(昭和45年)もあったのです。それに比べれば5000人を割る数字は良い傾向です。その要因ですが、以下が挙げられます。

1、安全意識の向上(とくにシートベルトの着用率の向上=しない場合の厳罰化) 2、交通インフラの向上(道路も標識も信号も年々向上しています) 3、医療技術の進歩(救急救命の向上で即死が減り、延命術の進歩も影響) 4、飲酒運転者の減少(近年の厳罰化) 5、自動車の安全装置の向上(エアバックが大きい) 6、比較的、事故率の高い若年層ドライバーの減少(スピード超過は減っている)

 統計数字からも、人口比率が高齢化したことにより、高齢者ドライバーの事故比率が上がったこと、被害者としての高齢者増加がうかがわれます。  

■ 2017年交通事故死者数(速報値)

【月別】3694人[うち高齢者2020人] ・ 1月:282人(-67) [161人(-36)] ・ 2月:288人(+27) [149人(+ 5)] ・ 3月:303人(-18) [157人(-28)] ・ 4月:244人(-65) [123人(-48)] ・ ...

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【事案】

自動車の後進を誘導中、誘導していた車と駐車場の柵に挟まれたため、すねを骨折した。直後から強烈な痛みに悩まされる。

【問題点】

相手保険会社から示談の案内=傷害慰謝料の提示があったことを機に、相談会に参加された。

髄内釘で固定後、骨癒合促進のため超音波治療を続けた。その効果から変形や機能障害も残さず、回復は良好であった。相談時には既に1年半以上経過しており、最終診察は8か月前も前だった。

   ①が髄内釘、②がプレート+スクリュー(代表的な固定術)

【立証ポイント】

後遺障害がなければわずかの慰謝料で終わる。急ぎ病院に同行し、症状固定とする。主治医・本人・ご家族と相談して、治療の一貫性を重視するために症状固定日を最終診察日に遡ることにした。後遺症の残存はわずかに痛みのみ、調査事務所の心情に訴えることで、なんとか14級9号認定となった。同様のケースでは非該当をみることがある。調査事務所が甘い認定してくれたのではないか?と好意的に考えてしまう。後遺障害の世界は奥が深いと改めて感じた新年一発目の認定事案であった。

(平成29年12月)  

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【事案】

自動車搭乗中、後続車の追突を受ける。直後から頚部痛、腰部痛、両膝の痛みを発症する。 追突で膝も打ったのか?

【問題点】

相手保険会社は一連の症状に疑問を持ったのか、治療からわずか3カ月後に治療費打切りとした。その後、健康保険で約1年に渡り治療を継続する。とくに、片膝は転院を繰り返し、手術まで実施した。ところが、膝の診断名は受傷初期になく、レントゲンすら手術時まで撮ってないかった。

なお、弊所に相談に来る前に既に弁護士に依頼していた。依頼者の話を聞く限りでは、その弁護士も膝の対応に苦慮して逃げ腰、もはや、解任したがっている様子。

【立証ポイント】

依頼を受ける前に、膝については後遺障害等級が認定は厳しいこと、立替治療費や通院慰謝料等は請求困難であることを説明した。つまり、膝を捨てた方がスムーズに解決へ誘導できる。この方針で現弁護士から当方に切替えた。

まず、腰椎捻挫の治療歴を明らかにする必要がある。これまで通院してきた各病院に診断書を依頼し、同時にレセプト開示請求も進めた。診断書、レセプトを確認したところ、1カ月間治療していない空白期間が存在していることに気付いた。この空隙を埋めるべく、当時通院していた接骨院の施術証明書を揃えた。

こうして、腰部痛の一貫性を立証、提出に漕ぎ着けた。膝は仮に事故由来の痛みを立証したとしても、その認定は14級9号が限界であり、膝へのこだわりを排除したと言える。審査中、相手方保険会社から、症状についての回答書の要請があったが、これも丁寧に記載・回答した。

その結果、読み通り、膝は因果関係から否定されたが、腰部痛での14級9号を確保した。

(平成29年12月)  

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【事案】

自動車搭乗中、信号待ちしていたところ、後続車の追突を受ける。頚部痛だけではなく、追って腰部痛と耳鳴りも加わった。

【問題点】

むち打ちの症状だけでなく、耳鳴りや腰部痛の症状もあるが、診断書上、事故直後は頚椎捻挫しか診断名がなかった。腰椎捻挫や耳鳴りも事故当初から訴えていたようだが、それぞれの診断名や症状の記録は、事故から数カ月経過してからであった。

また、既に依頼していた弁護士から、「後遺障害は認定されないから、申請しても意味がない」との方針を受けていた。本人は納得いかず、当方の相談会に参加された。

【立証ポイント】

頚部、腰部の各MRIを確認したところ、画像上、確かに腰部の方が酷そうに見えるが、実際の神経症状は頚部の方が重篤のよう。

さらに、耳鳴を突き詰めても、オージオグラムの数値から14級が限界。14級は何個集まっても併合14級のままであり、併合で繰り上がることはない。そこで、頚椎捻挫以外の症状を捨てて、頚椎捻挫一本で安全に14級9号を確保する方針で被害者請求に進めた。

主治医は腰椎捻挫の治療も続けていたが、主訴を頚椎捻挫に絞り診断書を作成頂いた。おもいきって耳鳴りは不記載に。

申請後、予想通り、腰椎捻挫は因果関係から否定されるも、頚椎捻挫で14級9号が認定された。

(平成29年11月)  

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【事案】

スーパーマーケットの駐車場を歩行中、歩行者に気付かずに前進してきた前方不注意の車に接触、手関節と足関節を痛めた。以後、捻挫にしては長期の治療・リハビリが続いた。   【問題点】

当事者間の話し合いでその場を収めてしまったため、事故として受理されておらず、事故証明書もなかった。また、相談にいらしたときには、後遺障害診断書が既に病院から保険会社に直接提出されており、病院側からも、「もう来なくていい。」と断られていた。

しかも、診断名は手首、足首の単なる捻挫である。正直、後遺障害認定は無理と思った。   【立証ポイント】

それでも最善を尽くすべく、保険会社から後遺障害診断書を回収した。予想通り不備だらけであった。診断書の追記依頼を行う前までにリハビリ継続を指示し、医師や理学療法士とのコミュニケーションを取らせて関係を修復させたのち、院長先生に協力を仰いだ。診断書に追記頂き、今度は万全の状態で被害者請求を行った。  

認定結果は、受傷から一貫した治療が評価され、奇跡的に14級となった。

※ 併合の為、分離しています

(平成30年1月)  

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部位別解説 後遺障害等級認定実績(初回申請) 後遺障害等級認定実績(異議申立)

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