このタイトルのドラマですが、一昨年の放送以来、人気は衰えず、DVDの売り上げが好調のようです(私もブルーレイ買った)。言葉の意味を調べると、ハンガリーのことわざで、「自分の戦う場所を選べ」、つまり、今の環境にしがみつくのではなく、逃げることも選択肢にいれ、自分の得意なことが発揮できる場所へ行けとの教訓です。これは後遺障害の等級申請にもあてはまります。

 神経症状を伴った頚椎捻挫では、頚部痛のみならず、上肢のしびれ、めまい、頭痛、耳鳴りなど、様々な神経症状が惹起されます。これらを「局部に神経症状を残すもの」と一括りにした判定、つまり、14級9号に導く必要があります。ただし、諸症状は、受傷直後からであれば信用されますが、後になって、あれもこれも診断名を追加していけば、心因性(精神的なもの)や詐病(うそ、大げさ、け病)の疑いを持たれてしまいます。

 また、事故受傷との因果関係が明らかにならない症状もあります。直接、骨折等のダメージがない肩や膝など関節に、事故受傷から痛みや不具合が発症するケースです。しかし、これをすべて事故のせいと言って強弁すれば、相手保険会社はもちろん、後遺障害を審査する自賠責・調査事務所から敵視される結果になります。確かに、既往症(元々、痛めていた?)の影響を捨て切れません。これも、症状の発症が事故直後であれば信用され、信憑性・一貫性から14級9号認定の余地を残します。しかし、後出しじゃんけんのように追加すると、「元々痛めていた所を事故に混ぜたな(怒)」・・疑いと怒りを買うわけです。

 交通事故の解決が金銭解決である以上、被害者にとって一番お金が入る道を選ぶ必要があります。それには、曖昧な症状を掲げて疑いの目をもたれるより、(それが14級を超えるものでなければ)確実な症状を14級9号に収めることです。自賠責の後遺障害等級は、後の賠償交渉や裁判で容易に覆らない、第一級の証拠になります。だからこそ、何でもかんでも症状を訴えるより、認定され易い症状に絞って申請すべきなのです。

 世の中、何事もすべてに白黒はつきません。そして、広げすぎた扇は倒れるものです。後遺障害立証の場面でも「戦う場所を選ぶ」、この現実的な思考が功を奏します。その典型的な2例を紹介しましょう。

   私はドラマを観てませんもので・・  

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