頭蓋骨骨折、顔面骨折、脳挫傷・・これらの診断名があれば、予後の耳鳴りはじめ、視力・嗅覚・味覚の障害が残存したと言っても信じてくれるでしょう。つまり、後遺障害等級が認定されます。しかし、頚椎捻挫、いわゆる、むち打ちでそれらの障害を訴えても、「なんで捻挫ごときでそうなるの?」との疑義を払拭できません。

 立証のポイントは、1、受傷直後からの訴え 2、早期の検査実施と数値 3、全体的な信憑性 でしょうか。

 本件の立証は、この3つについて、申請側と審査側の双方にギリギリの攻防(正確には調査ですが)が続きました。それでも、最後は人が審査するもの、自賠責は実態を重んじ、そして信用してくれました。

   本件は山本が担当、耳鳴り14級は経験済み、さらに12級も立証完成!  

12級相当:耳鳴り(60代男性・埼玉県)

【事案】

自動車運転中、交差点で信号待ちしていたところ、後続車の追突を受ける。直後から頚部痛や手のしびれのみならず、耳鳴りも発症した。

【問題点】

相談を受けた当時、整形外科の他、接骨院にも通院していたことから、まず整形外科で集中的に治療するよう指示した。また、本件では頚椎捻挫の診断名ながら、事故当初から耳鳴りも発症していた。オージオグラム検査上、検査数値は8000Hzで60dB以上、6分平均で35dB以上出ていたが、診断書上、耳鳴りの記載が登場したのは、事故から1ヶ月後で、かつ、耳鼻科での治療先を探すのに時間がかかったため、耳鼻科での治療開始時期が事故から2カ月以上経ってからとなっていた。

自賠責保険の申請で最高難度の一つと言える、骨折などの器質的損傷がない、「むち打ちで耳鳴り12級」の立証が課せられた。 続きを読む »