脳障害に限らず、交通事故外傷後に2次的にPTSDを発症するケースは少なくありません。2次的なPTSDの発症は事故との因果関係の立証が難しくなります。さらに、高次脳機能障害とPTSD(心的外傷後ストレス症候群)の症状は一部被りますので、私達も的が絞りづらく、審査側の自賠責も大いに悩むことになります。
本件は事故後6年が経っており、手探りの調査となりました。毎度のことですが、症状固定が早ければ早いほど、障害の把握は容易です。しかし、学生・未成年の場合、親御さんの心情から治療を長く延ばす傾向があります。我が子に障害など残さず、治したい一心なのです。若年層の高次脳立証の難しさはここにもあります。 難しい仕事が続きます・・
9級10号:高次脳機能障害(20代男性・栃木県)
【事案】
自転車で横断歩道を直進中、左方から自動車が衝突、受傷した。救急搬送され、脳挫傷、頭蓋底骨折の診断となった。硬膜をはく離し、縫い付ける手術?を含む「前頭蓋底修復術」を行った。額に陥没痕を残したが、外傷的には予後順調であった。 続きを読む »