日曜午後は浅草に。ここでは江戸時代から続く蛇骨湯がマストです。雷門を過ぎて、仲見世通りを進み、奥の路地にひっそり位置しています。相変わらずわかり辛い。数年前の改装以来では初、それこそうん十年ぶりの入浴です。  

 改装後はサウナ、ジェット水流、電気風呂などの設備が増えましたが、銭湯の情緒は不変です。スーパー銭湯では絶滅種の刺青さんも頻繁に見ることができます。ここの特徴はなんと言っても黒湯です。今では珍しくなくなりました黒湯は、関東平野の沿岸部のどこを掘ってもたいてい湧出します。黒湯は火山性の温泉と異なり、古生代に埋もれた草や木の葉の成分が地下水に溶け込むことによりできた温泉です。水脈の深さによって地熱に温められ、お湯になります。比較的、近年の採掘では高温の水脈まで彫りますが、昔の採掘では深く掘れないので、ほとんど冷鉱泉です。成分は主に「メタけい酸」及び「重炭酸ソーダ」、黒褐色澄明、微塩味無臭です。ペーハー値は中性に近いようですが、浴感は独特の軽さ、まろやかさを感じます。飽きの来ない湯といえるでしょう。まさに温泉銭湯です。

 2時間の長湯を経て出口に、これから入浴の欧米人と入れ違いました。ここは世界中のガイドブックに載るスポットでもあります。次いで、風呂上りの一杯を目指して、そぞろ歩き。かつてはストリップ、今はお笑いで有名なフランス座を過ぎると、真昼間の飲み屋街で有名なホッピー通りに。テレビの競馬中継に混じった酔客の喧騒で溢れています。競馬をやらない私も、末席にひっそり佇み、煮魚をつつきます。    浅草は歴史と猥雑さと下町情緒と、B級の刺激に満ちた極彩色の街です。今日も良い午後だった。明日からも頑張ろう。    

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