【事案】

自転車で走行中、道路を横断しようとしたところ、右方からの自動車と衝突、受傷した。全身を強打し、顔面骨折、くも膜下出血、肋骨骨折、骨盤骨折となった。

【問題点】

面談当時、事故から額が陥没したことをご家族ご本人から伺った。見たところ凹みは確認できるが、外観上、元からと言われても違和感がない微妙な状態であった。

【立証ポイント】

額の凹みが受傷後からであることを立証するため、ご家族に事故前の写真を探して頂いた。最近に写真を撮っておらず、家族以外のサークルやご友人にも、写真を広く探して頂いた。幸いご友人との会合中の写真を見つけることに成功した。これで、受傷前後の比較が可能となった。

さらに、内部的にも頭蓋骨のCT画像を打ち出し、陥没骨折の様子を内側・外側の両面から明らかにする資料を作成した。その後、自賠責調査事務所の面談を経て、外貌醜状の陥没痕で7級12号が認定された。

 (参考画像)

本件では、他にも高次脳機能障害で9級10号、外傷性横隔膜ヘルニアで14級9号がそれぞれ認定され、併合6級となった。

※ 併合の為、分離しています。

(平成29年3月)  

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 事務所の窓際に赤い夏の花。    たった一輪で事務所が南国気分です。これから次々と開くでしょう。   

 今朝は急ぎの事務が立て込んで・・記事だしできず、すみません。今週も事務所一同、頑張ります!   

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【事案】

自転車で走行中、道路を横断しようとしたところ、右方からの自動車と衝突、受傷した。全身を強打し、顔面骨折、くも膜下出血、肋骨骨折、骨盤骨折となった。

【問題点】

高齢から治療は長期化したが、高次脳機能障害をスルーするほど、他の症状がより重く、数が多い。

あえて、高次脳機能障害を挙げれば易怒性か。面談時は穏やかにお話しができたが、家族の話では事故後、怒りやすくなったことを確認した。病院同行にて主治医に話を聞くが、易怒性などの情動障害については、日常生活上、問題ないレベルと診られていた。

【立証ポイント】

高次脳機能障害がメインの障害とならない珍しいケースである。上記主治医とは別に、リハビリ先の別の病院の主治医に後遺障害診断書を書いて頂くことになった。高齢者であるため、神経心理学検査は限られ、ミニメンタルステート検査等のみとなり、易怒性など検査上数値として現れにくい点については、いつも通り日常生活状況報告書で説明した。結果、高次脳機能障害は微妙ながら9級10号の評価となった。

本件では、前額部陥没骨折の7級12号が主訴となり、これまたレアな障害である外傷性横隔膜ヘルニアの14級9号を追いかける作業に終始した。これらを併せて、最終的に併合6級とした。

(平成29年3月)   

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【事案】

自転車で道路を横断中、自動車と衝突、救急搬送された。診断名は、頭蓋骨陥没骨折、脳挫傷、急性硬膜下血腫、くも膜下出血。脳出血は止まり、安定をみせるも嚥下障害があり、胃ろう(胃から管を通して栄養接収する)造設となる。

その後、体力の回復に従い、ひどいせん妄(脳のダメージで興奮状態となり、暴れや暴言)を発症した。

【問題点】

せん妄から、暴言、乱暴、破壊行動があり、病院を追い立てられるように退院、転院先のリハビリ病院でも異常行動が続いた。医師からは、事故前からの認知症状が急進行したと認識されていれた。その後、急激に体力が低下、事故から半年を待たず、亡くなってしまった。診断名は肺炎による心不全だが、事故との因果関係なく「老衰」と診断された。

家族は「死亡は事故によるもの」と主張し、相手保険会社と対立、弁護士に依頼した。受任した弁護士は自賠責保険に死亡保険金の請求を試みるも、非該当の結果。これを受けて、弁護士から秋葉事務所へ相談となった。弊所は生前に「高次脳機能障害になった」との観点から、後遺障害での再請求を計画した。

つまり、既に亡くなった被害者さんに対して、”事故から亡くなるまでの6ヶ月間の後遺障害”を立証するミッションとなった。   【立証ポイント】

まず、すべての病院のカルテの検証から始めた。経験上、暴れるなど問題のある患者に対して、病院の目は冷たく非協力的となる。本件でも病院の協力を取り付ける苦労が続いた。とくに、診断書の記載について、当時の主治医に面談を申し入れたが、医師だけではなく病院スタッフ同席のもと、録音下での面談となった。これは、死亡事案であるゆえ、病院側が医療過誤の指摘を警戒しての緊張であったよう。懇切丁寧に事情を説明したところ、当方の目的を理解した病院側はほっとしたようだった。 続いて、緊張が解けた医師に、生前の記録を元に後遺障害診断書類の記載を依頼した。協力的に転じた医師は、限られた治療記録から、ギリギリの診断書を作成していただいた。

さらに、数百ページからなるカルテから有用な情報を抜粋したが、高次脳機能障害の等級を確定させるほどの客観的な情報は乏しく、神経心理学検査もわずかに長谷川式スケールのみ。十分なリハビリ・検査を経ずに、数ヶ月で亡くなったのだから当然である。かつて、これほどタイムマシンが欲しかったことはない。情報の空隙を埋めるべく、看護記録や本人の破壊した設備の見積もりなど、あらゆる記録を検証した。最後に家族からの聴取を十分に分析、日常生活状況報告書とその別紙を作成して、限界まで審査書類を膨らませた。

申請後、待つこと5ヶ月、審査上不十分であろう状態から、自賠責は介護を認めた2級を認定、望みうる最高の等級がでた。ようやく、ご家族の気持ちを形にすることができた。死亡との因果関係は別として、これで故人が事故で負った障害の苦しみを主張できる。

(平成29年5月)  

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 昨日は、まさかのカストロ&チェ・ゲバラで締めくくりました。     毎回、オチを意識していますが、真面目なテーマではなかなか難しいものです。     さて、チェ・ゲバラは昭和の、いえ、20世紀の偉人ですが、かたい話題が続いたので・・世代間のギャップを感じる一ネタを。     事務所の若手でも、さすがにチェ・ゲバラを知っています。    しかし、世界史に疎い女子に、「この人、誰か知ってる?」と聞いてみました。

 すると、すかさず、  

 「缶コーヒーの人ですよね」

     

 それは、BOSSですやん!

  

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【事案】

通勤帰宅中、原付バイクで交差点を直進のところ、対抗右折自動車と衝突した。脳挫傷、硬膜下血腫、くも膜下出血の診断で、救急搬送後、開頭手術で命を取り留めた。

その後、記憶障害、言語障害、注意機能障害、開口や嚥下にも異常があり、味覚・嗅覚の喪失も確認できた。また、てんかん発作もあり、長期のリハビリとてんかんへの警戒が続いた。

【問題点】

受傷一ヵ月後から、弁護士経由で受任となった。急性期治療が済めば、高次脳機能障害の評価ができる適切な病院を選び、リハビリと各種検査を進める必要がある。

また、てんかんの危険があるため、早期の症状固定は躊躇われた。

【立証ポイント】

秋葉の主導で、地域で懇意にしている医師の元に転院、以後、計画的に作業を進めることができた。受傷初期からの依頼は大変ありがたいのです。リハビリが続く中、他院で嚥下障害のVF検査、嗅覚・味覚の検査を備え、立証の困難は2年9ヶ月に及ぶ期間のみだったと言える。

症状固定時には、カルテ開示、労災レセプト開示他、膨大な検査結果の集積となったが、万全を期して申請した。高次脳は受傷直後に宣言した通りに3級の認定を確保(嗅覚の全脱失の12級相当とあわせ、併合2級)、弁護士にお返しした。

また、残った労災の後遺障害申請を実行中。労災は年金支給となるため、大変に重要である。こちらも併合2級をノルマとしている。

(平成29年5月)  

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【事案】

デパートの屋上駐車場内を歩行中、前方不注意の自動車の衝突を受け、頭部を受傷した。主な診断名は、頭蓋骨骨折、急性硬膜下血腫、くも膜下出血。救急搬送後、脳出血への対処から地元で有名な大学病院に急ぎ転院した。

ご家族の説明では、見当識に混乱があり、記銘、注意機能の低下、易怒性がみられた。

【問題点】

治療先では、脳出血さえ止まれば、案の定、痴呆扱い。また、大学病院ながら、検査設備のない病院。

入院先のご本人と面談を実施、明らかに認知症ではなく、高次脳機能障害と判断できた。しかし、高齢者ゆえ、認知症との関与だけでなく、介護状態が年齢相応のものか事故外傷によるものか、この問題も常に付きまとう。それでも、主治医は高次脳機能障害への理解があり、他院で検査データを完備さえすれば、正しい評価をしていただけると踏んでいた。また、他の持病を診てもらっている以上、完全な転院とできない事情もあった。

ところが、症状固定が近づく頃、主治医が変わってしまい、交代した医師は痴呆症が強いとの認識。これでは正当な診断書は無理。主治医には診断書の記載を断ろうとしたが、診断書を書くと譲らない。仕方ないので、他院での神経心理学検査の結果を託し、十分な説明の上、仕上がりを待った。しかし、それから半年以上、未記載放置。ある意味、願ったりなので、医事課に正式に診断書記載を断り、次いで、検査を実施した病院に戻り、専門医による正確な診断書の記載となった。

これで、問題をクリアと思いきや、数日後、断ったはずの医師から診断書が届いた。しかも、内容は9級レベル!。こんなものは提出できない。当然に提出書類から外した。恐らく、長く治療してきた大学病院の診断書も要求されるだろうが・・。

【立証ポイント】

申請後、やはり、自賠責調査事務所から、「主たる治療先の診断書(神経系統の障害に関する医学的意見)」が必要との追加提出依頼がきた。これには、医師に手紙を書き、”記載を見送る”内容の回答書に署名頂いた。また、調査事務所へは、この病院の特殊性と本件の事情を説明する文章を送付、どうやら理解を得ることができた。この病院、何かと問題が生じるので、保険会社や審査機関も承知しているのかもしれない。

技術面では、本件被害者元来の頭脳明晰さと、障害による低下を切り分ける作業となった。WaisⅢでは言語性IQ100を超える成績ながら、動作性IQが言語性との比較上、低い点に注目、読み書き・計算にはまったく衰えがないが、記銘力に明らかな低下があることを浮き彫りにした。ここで、三宅式記銘力検査、リバーミードが有効となった。その他、易怒性を主訴とした性格変化なども、以前から家族に克明な記録を促し、精密な文章を作成した。申請から5ヵ月後、当方の主張した症状のほぼ全てが反映され、随時介護の2級とすることに成功した。

本件は主治医交代から当初の計画が狂い、病院と医師に振り回された。最初から転院させることが安全ではあるが、できれば、主たる治療先で医証を完備するに越した事はない。しかし、高次脳の経験乏しい医師に漫然と診断書を任せたら・・9級になったかもしれない。これからも、この大学病院に運び込まれる高次脳機能障害・患者が大変に心配です。

(平成29年5月)   

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 人生でお世話になりたくない2大先生とは? それは、医師と弁護士ではないでしょうか。    病気やケガとなれば、医師に頼ることになります。また、揉め事となれば、弁護士先生に相談、場合によっては代理人になっていただくことになります。病気も揉め事も、それが深刻であればあるほど、起きてほしくないことです。2大先生には、できれば一生お世話になりたくないものです。

 依頼者にとって深刻なことは、2大先生は共に専門分野、得意分野、そして能力差があるので、それぞれの専門家を慎重に探さなければならないことです。幸い医師は、内科・外科の各科、眼科・歯科など専門院に分かれていますので、最初のドアノック先は決まっていると言えます。例外的に、救急車で搬送された場合、患者に選択の余地がありません。もっとも、救急処置の後に、評判や症例実績、医師との相性で転院するなど、患者には自ら判断・選択する自律性が必要です。その前に、医師間のルールで、より専門性のある院や医師に紹介することがあります。患者の生命・健康がかかっているので、当然なことでしょう。

 その点、弁護士は看板に受任可能分野を表記するも、なかなか素人には解り辛く、依頼者はとりあえず弁護士なら何でもできると思いがちです。当たり前ですが、弁護士にも専門分野、得意分野があり、”何でもできる事務所は、何も出来ない事務所と同じである”とすら、言われます。どのような仕事にも、専門特化したプロと器用貧乏が存在するものです。その点、弁護士さんも医師と同じく、より専門の先生への紹介を常として頂きたいと思います。

 また、医師も弁護士も、当たり前ですが、能力差があります。ヤブ医者とはよく言いますが、ヤブ弁護士も当然に存在します。不案内な依頼がきても、他へ紹介せず、何でも抱え込み、挙句の果てに間違った方向へ・・弁護士過誤ともとれる事例を何度も目にしてきました。罪深いことですが、素人目には判断できないと思います。依頼者さんはできれば、複数の事務所を尋ね、専門性、能力、相性を吟味する必要があると言えます。

優秀2割、ダメ2割、どっちつかずが6割?

   さて、メディカルコーディネーターは、日夜、この2大先生の間を行き来しています。頑固な医師に検査を拒まれ、診断書の記載もおざなり・・困り果てた被害者さんに代わって、保険審査に必要な書類を完備させるべく奔走しています。そして、連携弁護士に有用な証拠をせっせと引き継ぎます。交通事故の場合、最も重要な証拠が、自賠責保険の後遺障害等級と思っています。

 その後遺障害認定について、被害者さんから助けを求める声が毎日のように事務所に届きます。より良い治療環境や検査可能な病院へ誘致し、医師と粘り強く折衝、後遺障害○級の”のし”をつけて、弁護士に引継いでいます。このように、弁護士を縁の下から強力にバックアップ、時には尻を蹴飛ばしながら、被害者救済の仕事を貫徹していきたいものです。    2大先生を結びつける・・まさに、私達の仕事です。  

 ちなみに、キューバ革命を成功に導いた2人、そもそもの職業は何でしょう?    昨年、亡くなったフィデル・カストロは弁護士、チェ・ゲバラは医師です。

 

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