靱帯損傷はそれが画像所見で明らかにならなければ、単なる捻挫となります。

 もちろん、捻挫であれば、消炎鎮痛処置を施せば月日と共に完治するでしょう。しかし、画像上、微細な(もしくは不明瞭な)靱帯損傷であっても、疼痛がいつまでも続く被害者さんを多数経験しています。その場合、無事に14級9号に収める仕事が望まれます。そのためには、できるだけ受傷初期から誘導していく作業になります。つい、捻挫扱いでMRIを撮っていない、湿布を貼るだけで病院に行かない・・確定診断の遅れもさることながら、適切な処置をしなければ改善すら遅れてしまいます。

 捻挫程度で保険会社がいつまでも治療費を払ってくれるわけはありません。長期の治療を確保するためにも14級が必要なのです。例え14級でも、最終的に慰謝料・逸失利益は主婦で200万円近くも増額するのです。 佐藤イラストsj佐藤がしっかり担当しました!  

14級9号:内側側副靭帯損傷(30代女性・埼玉県)

【事案】

道路工事の警備中、停止させていた車が急発進、衝突され受傷した。直後から腰部痛のみならず、足の強烈な痛みに悩まされる。

【問題点】

アルバイト中であったため、救急車は呼ばずに自力で帰宅して当日は整骨院で応急処置した。次の日に総合病院へ受診することに。その後1ヶ月間、病院の通院が空いてしまった。依頼を受けて、即、軌道修正に入った。

【立証ポイント】

次の日に受診した総合病院でレントゲン、触診により膝関節内側側副靭帯損傷となり、転院先のMRIでも所見有りとの診断となった。しかし、弊所の分析ではMRI画像上、明らかな断裂等、損傷は見つけられなかった。そこで、半年間しっかりリハビリするよう促し、14級9号認定を目指した。 想定通り、認定票の理由書では画像上、損傷等の明らかな異常は認められずとも、症状の残存を認めていただいた。続きを読む »