交通事故から精神的に参ってしまい、PTSD(心的外傷後ストレス症候群)、鬱、パニック障害、フラッシュバックなどを訴える被害者さんは珍しくありません。

 誰しも突然降りかかった災難と、治療や相手との交渉、あらゆるストレスから心を病んでしまうものです。しかし、そのほとんどがPTSDではありません。多くは2次的な心身症気味(?)を訴えているに過ぎず、事故によって精神を破壊するほどの強烈な体験がなければ、障害の対象となりません。その点、労災も自賠責も明確な基準によって区別・審査しています。

 その根拠は「厚生労働省 非器質性精神障害判定基準」に細かく設定があり、以下の項目を出発点に細かく審査基準が定められています。

PTSD 診断の基準  ICD-10 ① 自ら生死に関わる事件に遭遇したり、他人の瀕死の状態や死を目撃した体験、などの破局的ストレス状況に暴露された事実があること。 ② 自分が「危うく死ぬ 、重傷を負うかもしれない」という体験の存在 ③ 通常では体験し得ないような出来事 ④ 途中覚醒など神経が高ぶった状態が続く ⑤ 被害当時の記憶が無意識のうちに蘇る ⑥ 被害を忘れようとして感情が麻痺する、そのために回避の行動を取る ...

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