佐藤です この1年間、頚椎捻挫・腰椎捻挫でお困りの方の後遺障害申請をサポートさせていただきました。振り返ってみると認定が厳しく、そして審査期間が短くなっている気がしてなりません。以前は早くても40日前後での認定が一般的でしたが、最近では1ヶ月で結果が出ることが多くなりました。ごくまれに20日程度で「非該当」の通知が来ることもありましたが…。 最近の傾向で特に重視されているであろう項目を列挙致します。
まずは受傷形態です。「大破」、「中破」、「小破」と分類されるのですが「小破」と判断されるような小損害の事故である場合の認定はかなりシビアになっています。修理費や、写真等で大体の衝撃が分かりますので、そこでまずは判断されているのではないかと考えます。
次に着目するのは、「物件事故」、「人身事故」の分類です。やはり後遺障害が残るようなケガをされた場合には、救急車で病院に運ばれるか、そうでないとしても当日に病院に行くだろうとの推測が働きます。その場は大丈夫だったので物件事故で対処したが、次の日や2日後に痛みが出たので、病院に行ったというのはかなり説得力に欠けます。もちろん、道路状況や仕事中で時間がない等様々な諸事情は重々承知していますが、そう見られてしまう可能性が極めて高いのです。
次の点が、交通事故被害者にとって一番頭を悩ませるのですが、たくさんの病院に通っていないことです。最近の傾向では救急搬送を除き、事故当日から症状固定まで1ヵ所の整形外科に通院している方の認定数が際立ちました。もちろん相性がありますので、ご自身に合った整形外科を探して治療に専念することが望ましいのですが、転院回数が多い場合には認定が厳しいように感じています。
他にも画像所見、神経学的所見、画像所見と自覚症状が一致していること、痛みのみではなく、痺れが残存している等、以前と変わらず重要視されている点もあります。
ここ数年、交通事故数は減少の一途です。対して、後遺障害の申請数は何故か微増しているのです。弁護士事務所はじめ、業者の誘導が功をそうしたのか、ネット情報の氾濫のおかげか・・・当然ですが、審査側も申請が増加している風潮から、より厳しい目にならざるをえません。 MRI撮影をして、漫然と通院すれば14級9号が認定される。このような時代は終わったのかもしれません。