三国志で有名な曹操は、講談・小説の中での悪役のイメージを脱却し、今や時代を変えた英雄として、中国、日本で高い評価をされています。
曹操は、ダヴィンチに匹敵するような万能の才を発揮したことで知られています。すぐれた兵法家であり、政治家、文学者、発明家としても多くの功績を残しています。曹操は万能の人によくある、ワンマン型のリーダーではなく、終生、すぐれた人材を求め続けました。曹操にスカウトされた有才の人物が、この時代に変化をもたらし、彩りのあるものにしたと思います。おかげで三国志は面白くなったのではないかと。 曹操は家柄や品行にとらわれず、才能ある人材を積極的に求めるリクルート方針を打ち立てました。建安15年(西暦210年)に布告した「求賢令」です。これは、呂尚や陳平のエピソードを例に、「才能を重視し、家柄や人間性にこだわらず、当時身分の低かった専門職の人々も厚く用いる(唯才是挙)」という登用姿勢を公表したものです。
当時は「郷挙里選」と言って、地方の有力者が管内の優秀な人物を推薦し、官吏として任用するスタイルが一般的でした。試験による登用(科挙)はまだ後の時代です。儒教の影響が濃い時代ですから、評価基準もまず清廉、つまり真面目であることです。さらに、世の常ですが、優秀であってもコネがなければお手上げです。そのような時代に、「家柄、身分、道徳なども気にしない、才能あるもの求む!」としたのですから、破天荒この上ないのです。
ちなみに例として挙げた、呂尚は有名な軍師、太公望です。周の文王にスカウトされたときは、釣りを日課とするリタイヤした老人でした(逸話ですが)。また、陳平は漢建国に功績のあった軍師・政治家で、若い頃は兄嫁に密通したり、任官した後も賄賂を取ったり、とかく人物・道徳に問題があった人です。しかし、一度重要な役を与えられると必ず成功します。そして、劉邦vs項羽の戦いを決す仕事をやってのけ、最終的には一国を担う大政治家となりました。
曹操は問題のある人物でも才能さえあれば、野に埋もれさせることを惜しみ、積極的に登用したのです。話が長くなりましたが、秋葉事務所でも現在、求人中です。もちろん、才ある人物が来てくれたらうれしいのですが、そもそも優秀な人の活躍の場は別、吹けば飛ぶような小事務所に来るはずがありません。また、才あっても道徳のない人は困ります。とても「求賢令」になぞらえることはできません。
やはり、求めているのは真面目な人です。ですから「求堅令」。性根がまっすぐで正直ならば、技術は時間をかけてしっかり教えます。私達の仕事は被害者救済を根幹としていますので、誠実さが絶対条件です。これがなければ間違った道に進んでしまいます。過去、能力がありながらそのような人をたくさんみてきました。邪まな精神や拝金主義では続かないのです。
しょせん、世の中は金かもしれません。誰しも金のために仕事をしています。しかし、私はそれだけではないと思います。どこかに堅い職業意識や、高い志がなければ、いずれダークサイドに落ちてしまう・・人は弱く、誘惑に負けてしまうものです。だからこそ、お金以外に大事にしているものを持っていなければならないと思います。
現在、事務所で活躍しているスタッフも真綿が水を吸い込むように、日々、目覚しい成長を遂げています。事務所は真綿のように真っ白で、吸収力のある人物を待っているのです。