山本さんイラストsj前回の続きです

 味覚について、保険手続上で代表的な検査として、①電気味覚検査、②ろ紙ディスク法検査、があげられる。

① 電気味覚検査とは、簡単に言ってしまうと、舌に電気を流して神経が正常に働いているかどうかを確認する検査です。

 手順は以下の通りです。

・首に極線の首輪をはめます。 ↓ ・舌の前後左右の表面に電極を当てて電気を流します。 ↓ ・びりびりと感じたら手持ちのスイッチを押して、その舌の部位の神経が働いていることがわかり、逆にびりびりと感じなかった場合、電気が流れていることがわからず、スイッチを押さないままとなり、舌の神経が働いていないことがわかります。

 なお、舌の後ろ部分の味覚を支配している神経は舌咽神経、舌の前の部分の味覚を支配している神経は鼓索神経です。検査表にはこれら2つの神経支配領域をさらに左右に分けて4部位で検査します。   c_g_m_3 ② ろ紙ディスク法検査とは、ある味のついたろ紙をピンセットでつまんで舌の左右にそれぞれ付けることで何の味かを当てる検査です。

 味は、基本となる、甘味・塩味・酸味・苦味の4種類にわけられます。

 味の濃さのレベルについては、薄い味から濃い味まで5段階あります。

 なお、検査で何も感じなければ、味がしない旨を伝えます。

 上記各検査で、味覚を減退したと認められれば14級相当が、味覚を脱失したと認められれば12級相当が認められる可能性があります。

 味覚の減退は、上記基本の4種類の味のうち、1つ以上を認知できない場合を指し、味覚の脱失は、4種類の味のうち、すべてが認知できない場合を指します。  

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山本さんイラストsj山本、今日は熱海へ

 交通事故でにおいがわからなくなった、あまりにおいを感じなくなった、または味がしなくなった、味がわかりにくくなった、と相談されることがあります。

 味覚障害の原因は、交通事故等の外傷によるものから、加齢による味蕾の機能低下や唾液分泌の低下、亜鉛不足、ストレス、その他病気によるもの等、様々な点があげられます。他方、嗅覚障害の原因も、交通事故等の外傷によるものから、単なる鼻づまり、加齢、ストレス、その他病気によるもの等、様々です。

 交通事故で鼻や顔面の骨折、脳挫傷等がされていれば、神経や脳がやられている可能性があり、疑われることは少ないですが、そうではない場合、保険会社は高い確率で疑います。

 相談者も整形外科の方の治療費は出してくれるが、味覚・嗅覚の方は治療費を出してくれないこと、後遺障害の申請で、嗅覚障害が認められないこと等で相談に来られることがあります。

 しかし、上記相談をした方々は、大抵の場合時間が経過しすぎたために認められない場合が多くあります。

 味覚・嗅覚障害は他の怪我の場合と同様、交通事故の後に発症した場合には、直ちに医師や保険会社に相談してください。症状を早く明らかにすることはどの怪我の場合でも同じですが、器質的損傷が認められない場合(鼻や口の怪我、脳、神経の損傷がない場合)の味覚・嗅覚障害は特に大切です。整形外科の医師に相談しても、大抵の場合はそのままにせず耳鼻咽喉科を紹介して頂けます。

 なお、味覚障害か嗅覚障害となった場合、双方を患っている場合があります。その場合、味覚、嗅覚それぞれの傷害を併せて治療・検査を耳鼻咽喉科で出来ますので、併せて紹介状を作成して頂くことができます。

 しかし、病院先によっては、治療はできても検査が出来ず、今後の立証に影響が出ることがあります。必要な検査ができる病院も抑える必要があります。  c_n_2 c_n_5続きを読む »

佐藤イラストsj佐藤です

 心臓震盪という言葉をご存知でしょうか?    私も依頼者様から伺って初めて知った傷病名です。脳震盪はよく聞くのですが、心臓震盪…。

 心臓震盪とは、「胸部に衝撃が加わったことにより心臓が停止してしまう状態」だそうです。※1比較的弱い衝撃によって起こることが多いらしく、スポーツ中のお子様や若年層に多い症状ですが、一般的に広く知られてはいないようです。

※1:「比較的弱い衝撃とは、胸骨や肋骨が折れたり、心臓の筋肉が損傷するような強い衝撃ではなく、子どもが投げたボールが当たる程度の衝撃です。」

 心臓震盪は衝撃の力によって心臓が停止するのではなく、心臓の動きの中で、※2あるタイミングで衝撃が加わったときに、※3致死的不整脈が発生することが原因と考えられています。

※2:「あるタイミングとは、心臓の収縮のための筋肉の興奮が終わり始める時で、心電図上でT波の頂上から15-30msec(15-30/1000秒)前のタイミングです。」

※3「致死的不整脈とは、心室細動を起こしている状態です。」

hart  調べてみると、まだ1990年代から北米で研究が始まったばかりの傷病名です。ほとんどが前述したスポーツであり、18歳までに多く発症しています。確かに交通事故であればハンドルや転倒時に胸部を強打することもあるので、可能性はあります。しかし、頚椎捻挫や腰椎捻挫と同様に器質的損傷がなく、立証は難しいと思われます。やはり、初期から診断名又は症状を訴えているかどうかの一貫性が鍵になってくるかと思います。しかし、心臓震盪にリハビリが必要でしょうか?リハビリが必要ではないのであれば、どのようにして一貫性を主張すればよいのでしょうか?また、交通事故との因果関係が頚椎捻挫や腰椎捻挫以上に難しいのではないかと考えます。

 この分野はまだ歴史が浅く、整形外科ではなく、循環器内科かもしれません。交通事故はほとんどが整形外科での治療ですが、今後は循環器内科の医師に後遺障害診断書をお願いしに行くときがあるのでしょうか・・・。

 参考文献 心臓震盪から子供を救う会 http://narumi-ecl.co.jp/shinzou-shintou/index.html  

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