【事案】

青信号の横断歩道を歩行中、相手自動車が右折進入し、両足をひかれた。片足は大きく損傷、そのダメージから整復不能で切断となった。もう一方の足甲も中足骨多発骨折、膝下からデグロービング損傷と重篤。

※ デグロービング損傷とは”広範囲皮膚剥脱”創のことで、皮膚が組織ごとはがれてしまった状態です。ひどいと傷口が壊死し、植皮等が必要となります。

【問題点】

事故から1年以上経過後、症状固定し、後遺障害診断書が出来てから相談に来られた。

下肢の切断については、特に立証作業はない。診断書を確認したところ、切断肢以外の傷病名として、中足骨骨折、肘骨頭骨折、デビロービング損傷、が記載されていた。

一方、切断しなかった片足の足関節の可動域は、他動値で背屈が0度、底屈が35度であったが、足関節に器質的な損傷がみられない。しかし、本件ではひどいデグロービング損傷がある。これにより皮膚が固まり、足関節の可動域制限が生じていると推測した。

また、診断書に足指5本とも用廃レベルの可動域制限があった。

このように、もう一方の脚について、精密に等級を定めなければならない。残った脚の立証作業を開始した。

【立証ポイント】

調査事務所は足関節の機能障害について、片方の足が無いゆえ、参考数値と比較の結果12級7号を認定した。理由は明記されていなかったが、こちらの推測通り、デグロービング損傷の影響から足関節の可動域制がある事を認めたのだろう。

足趾の可動域が診断書上、用廃レベルであったが、足指の骨折について、中足骨骨折以外の記載はなかった。そこで事故当初の画像を精査したところ、CT上で中足骨の骨折だけではなく、第3~5末節骨が砕けて脱臼骨折していることが確認できた。相談時にはすでに症状固定していたことから、ここで細々と診断名を加えることは躊躇われたので、改めて3DCTを医師に依頼することにした。 最新の画像からも、足指全体の不正癒合、変形、転位は明らかだった。この画像CD及び画像打出しを申請時に提出して、調査事務所に足指の用廃をアピールした。

 2016073010060000片方との比較ができないので模型と比較

結果、右足趾すべての用廃で9級15号が認定された。調査事務所は診断書上に傷病名がなくても、画像から足趾の機能障害を判断した。

残った脚は前述した足関節の機能障害で12級7号、足趾の機能障害で9級15号が認定され、本来異なる系列の障害であるが、同一の系列として取り扱われて8級相当に収めることに成功した。

最終的に切断肢5級と併わせ、併合3級となった。なお、本件ではデビロービング損傷による醜状痕で12級相当が認定されており、これは併合ルールにより等級そのものは上がらないが、上記したように足関節の機能障害の立証で重要な役割を果たしたと言える。

(平成28年6月)  

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 毎年8月は相談会をお休みしています。したがって、相談を早めにお願いします。

 本日は、高次脳機能障害が予想される被害者様のご家族にご来所頂きました。今月の事故ですので、まず治療費の労災切り替え、その他治療環境作りについて打ち合わせができました。受傷の初期段階で間違いの無いロードマップをひくことができれば、先々憂い無しです。逆にここでボタンの掛け違いをすると、後に取り返しのつかない失点を食らいます。

 おかげさまで高次脳機能障害は日本全国からご依頼・ご相談を頂いております。夏休み前に早めの対策を呼びかけています。

 明日はこの夏、最後の相談会です。今日は早仕舞いしたいと思います。

012-1

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山本さんイラストsj  山本です。現在、高次脳機能障害の依頼者様を担当しています。      交通事故で高次脳機能障害となる方の家族や本人から相談が来ることがあります。

 脳を損傷したり、血腫で脳を圧迫したりした場合、様々な症状が現れます。記憶力が低下してたり、事故前と事故後で人格が変化したりした、等多種多様です。

 高次脳機能障害を立証するにあたっては、その人の事故前と事故後の変化を分析し、病院にその症状の立証に必要な検査を依頼したり、検査ができない病院であれば検査先を紹介して頂いたりする必要があります。医師は被害者の事故前を基本的に知りません。よって、人格が変化したり、記憶力が低下してももともとそういう人だったとしか見ない場合があります。脳を損傷した場合には、医師に事故前と事故後との変化を伝える必要があります。

 高次脳機能障害は脳の損傷部位によって現れる症状が変化します。これは、脳の部位によって働きが異なるからです。

 一般的には以下のように考えますが、その部位を損傷したからといって必ずその症状が現れるとは限りません。これも個人差があります。また、その部位を明確に損傷したわけではないが、その部位を損傷した場合にあらわれる症状を発症することもあります。現状の考え方はまだ脳の構造が明確になっていないところがあるからです。

c_n_47

(1)前頭葉

前頭葉(左右含む)→遂行機能障害(旅行の計画を立てたりできなくなる)

左前頭葉→非流暢性失語(話すとき突っかかってしまう・ブローカー失語)   (2)側頭葉

左側頭葉→流暢性失語(話し方は流暢であるが、中身が意味不明な会話になってしまう)・聴覚失認(会話を理解できない)

右側頭葉→地誌的障害(迷子になったり、自分がビルの何階にいるのかわからなくなったりする)

両側側頭葉の内側→記憶障害(見当識障害)(日時、場所、人の名前を憶えられない等)    (3)頭頂葉

頭頂葉→失行症(日常生活の動作がわからなくなる、道具の使い方がわからなくなる)

右頭頂葉→半側空間無視(視界に入る情報の半分が脳で認識できず、何かにぶつかっても気づかなかったり、並べられた食事を半分は全く手を付けずにいたりする)   (4)後頭葉

後頭葉→視覚失認・相貌失認(人の顔を覚えられない)     先月の某新聞に、脳の構造や働きに関して180の領域に分けたと米ワシントン大のチームが英科学雑誌ネイチャー(電子版)に発表したという記事が掲載されていた。脳の構造はいまだ謎なところが多くあり、前述したように、損傷部位と症状が合致しないこともあります。

 しかし、脳の構造が解明されていけば、医師が家族でしか知りえない症状についても、脳の損傷部位から推測でき、効率的に検査ができれば治療やリハビリ、今後の生活で起こりうる支障等について診察ができるようになる可能性もあります。  

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 下肢切断の後遺障害・・見た通りの障害ですので、私達の立証作業は無いと言えます。「1下肢を足関節以上で失ったもの」で5級決定です。

 本件は”残ったもう一方の脚の障害”を立証すべく奔走した例です。下肢に限らず、医師は重篤な受傷部位の治療・処置に終始します。骨折箇所が多いと、ひびが入っただけの骨折、処置の必要の無い骨折、保存療法とする骨折・・これらは診断名すら残らないこともあります。

 しかし、障害を余す所なくアピールしなければ、等級を取りこぼします。そのような意味で、本件は切断肢の5級を3級に引き上げた好取組です。私達は後遺障害を常に複眼的な視点で追いかけています。 図1切断肢は近年、医療の進歩で減ったと言えますが・・

併合3級:下肢切断・足関節機能障害+足趾用廃(90代女性・千葉県)

【事案】

青信号の横断歩道を歩行中、相手自動車が右折進入し、両足をひかれた。片足は大きく損傷、そのダメージから整復不能で切断となった。もう一方の足甲も中足骨多発骨折、膝下からデグロービング損傷と重篤。

※ デグロービング損傷とは”広範囲皮膚剥脱”創のことで、皮膚が組織ごとはがれてしまった状態です。ひどいと傷口が壊死し、植皮等が必要となります。

【問題点】

事故から1年以上経過後、症状固定し、後遺障害診断書が出来てから相談に来られた。

下肢の切断については、特に立証作業はない。診断書を確認したところ、切断肢以外の傷病名として、中足骨骨折、肘骨頭骨折、デビロービング損傷、が記載されていた。

一方、切断しなかった片足の足関節の可動域は、他動値で背屈が0度、底屈が35度であったが、足関節に器質的な損傷がみられない。しかし、本件ではひどいデグロービング損傷がある。これにより皮膚が固まり、足関節の可動域制限が生じていると推測した。

また、診断書に足指5本とも用廃レベルの可動域制限があった。

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 骨折の後遺障害は画像審査に尽きます。

 関節が曲がらない、痛みが残った、骨が出っ張っている・・その根拠はすべて画像です。1.受傷時の折れ方、2.手術の固定後、3.癒合状態、この3段階を観れば、訴える症状が裏付けられます。 20140508_6  秋葉事務所では医師面談の際、出来るだけ医師と一緒に画像を観て、予想される後遺症の検討、もしくは、現実に訴えている症状との照らし合せを行っています。ここでの判断が審査側である自賠責・顧問医と同じ見解になれば、問題なく等級が決定します。

 したがって、骨折案件は申請前にほぼ等級の予断が可能です。あとは、間違いの無い等級に収めるべく、該当所見について医師に診断書への記載を求め、関連する必要資料を集積するだけです。

 等級申請とは、当てずっぽうにくじを引くような作業ではありません。自賠責の判断を正確な事実に導くために、審査側に問題点をわかりやすく示し、その審査を助ける材料を集めて預ける作業です。

 これが秋葉事務所が提唱している”被害者側の医療調査”です。  

12級13号:踵骨開放骨折(50代男性・東京都)

【事案】

バイクで交差点を横断中、対抗右折自動車と衝突。右股関節の寛骨臼、右足の踵骨を骨折した。 続きを読む »

【事案】

バイクで交差点を横断中、対抗右折自動車と衝突。右股関節の寛骨臼、右足の踵骨を骨折した。 20160310_1 【問題点】

受傷初期、手術後のレントゲン画像を観ると水平に亀裂が走り、それを斜め上からスクリュー2本で固定していた。最新の画像を観ると骨癒合を果たすも、やや変形が残っていた。しかし、関節面の不整とまでは言えず、事実、底屈・背屈の可動域には問題は残らなかった。医師も外反・内反のみ問題があるとのこと。自賠の審査基準では外反・内反の制限は評価外である。  【立証ポイント】

そこで、CT画像をもう一度見直した。踵骨の裏面に骨棘(骨が癒合する際に残った余分な出っ張り)があることを、転勤で代わった新しい主治医と一緒に発見した。骨棘について、外反・内反の直接原因ではないが、歩行痛や可動痛の原因となることを記載いただき、12級13号の認定に導いた。

13号は神経症状なので逸失利益は10年が相場である。しかし、股関節で機能障害の7号を確保できることから、「逸失利益は67歳まで!」と強交渉ができる。想定通りの併合9級として弁護士に引き継いだ。

※ 併合の為分離しています。

(平成28年6月)  

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【事案】

バイクで交差点を横断中、信号無視の対抗右折自動車と衝突。 脛骨遠位端、腓骨骨幹部、足関節脱臼、足根骨、中足骨を骨折、プレート固定術を施行。この情報だけで10級以上を予断した。

【問題点】

骨癒合が進み、リハビリも順調、しかし、足関節及び足の親指は自らの意志では、わずかしか動かない。腓骨神経麻痺である。症状固定まで周到な準備を重ねる必要がある。

【立証ポイント】

完全麻痺ではなかったが、神経伝導速度検査を指示、早くに有用なデータを備えた。症状固定時は主治医に面談、足関節・足指は自動値での計測をお願いした。  sinkei1(参考)検査表

余裕を持った立証作業で足関節は10級11号、足指は12級12号の認定。同症状について経験豊富な弊事務所にご依頼頂いた結果、横綱相撲で併合9級としました。

(平成28年3月)  

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 先週は静岡相談会でした。当地は毎回のようにたくさんのご参加を頂いておりますが、今回は少なめの参加でした。それでも、重傷者や急ぎ対応を必要とする被害者さまの参加があり、1回の相談だけでは済みそうもありません。事務所を挙げて全力でお手伝いしていきたいと思います。    この6~7月、相談会が毎週のように実施されました。毎日のようにご相談、相談会参加希望のお電話を頂き、その期待の大きさに改めて胸襟を正す思いです。

 しかしながら、ご相談者様一人一人の声にしっかり耳を傾け、全件、有効な対策を示すことができたでしょうか?

 相談者の人数が多くなれば、やはり一人にかける時間が限られます。事務所4人と連携弁護士事務所が共同して奮闘していますが、マンパワーの不足は否めないところです。

 交通事故の医療調査員の採用・育成は人選が難しく、非常に時間がかかります。人体数百に及ぶ後遺障害、すべての立証方法を習熟する必要があります。なにより、地域の病院情報に精通し、検査等に誘致できる、これこそ事務所の実力であり、これができなければ何の役にも立ちません。単なる代書作業、書類を右から左へ提出代理するだけの事務所に依頼しても、無意味な出費となります。 20140508  また、弁護士も交通事故に精通するには、数年にわたり多くの案件を担当し、経験を積む必要があります。昨日まで過払い金利息を計算していた弁護士が、急に交通事故の専門家などになれるはずもないのです。被害者にとって悩ましいのは、その専門家の力量を計り難いことです。質問を重ねて、しっかり見定めなければなりません。

 したがって、依頼を受ける側には、相当の専門知識が求められます。その点、手前味噌ですが、研修会の参加を広く呼びかけています(詳しくは⇒お知らせ 第8回 実務講座)。     あと2週間で恒例、東京2日間の弁護士研修会、そして、翌週はお盆休みに突入です。夏休みまでラストスパートのこの時期、行き届かなかったアドバイスを再度、相談者に提供していきたいと思います。そして、秋から新人の採用を計画しています。

 何より、一人一人への対応を丁寧に、被害者救済の基本に返って、隅々に行き届くような業務を心がけたいと思います。  

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【事案】

原付バイクで交差点を横断の際、右方よりの自動車と出会い頭衝突、鎖骨、中手骨、脛骨を骨折した。脛骨は「プラトー骨折」で、骨折部をスクリュー(ねじ状の金属)で固定した。 c_g_l_55 【問題点】

幸い各部の骨癒合は順調であった。年齢から脛骨のスクリューは抜釘しない方針だったが、骨折は関節面であったため、可動域への影響から抜釘することに。また、膝関節症の既往症があった。

一番の問題は主治医が診断書の記載や、後遺障害診断に非協力的、リハビリ希望も「うちではやらない」、そして、「後遺症は無い」と常に患者に対して高圧的。本件被害者も「もう、あの先生に会いたくない」とまで言う始末。

【立証ポイント】

何度か主治医に面談したが、見切りをつけた。新しいリハビリ先へ誘致、そこで後遺障害診断と診断書記載をお願いした。膝はGradeⅠ程度の膝関節症があり、既往症と切り離す必要があった。そこで、可動域の計測及び、数値の記載内容を主治医と打ち合わせした上で記載頂いた。結果、間違いのない等級評価につなげた。

全体的にケガのわりに回復良く、それが何よりの幸いでした。

※ 併合のため分離しています。

(平成28年6月)   

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【事案】

青信号の横断歩道を歩行中、相手自動車が右折進入し、両足をひかれた。片足は大きく損傷、そのダメージから切断し、もう一方の足甲も中足骨多発骨折、膝下からデグロービング損傷と重篤。さらに、肘も骨折した。

※ デグロービング損傷とは”広範囲皮膚剥脱”創のことで、皮膚が組織ごとはがれてしまった状態です。ひどいと傷口が壊死し、植皮等が必要となります。

【問題点】

事故から1年以上経過後、症状固定し、後遺障害診断書が出来てから相談に来られた。切断肢はある意味、立証作業はない。しかし、もう一方の脚については、精密に等級を定めなければならない。残った脚の立証作業を開始した。

【立証ポイント】

後遺障害診断書の他に写真を添付して申請する。申請後、提出した写真では足りず、自賠責調査事務所から醜状痕の面接の要請があった。

c_g_s_6下肢の醜状痕は12級の認定条件である、”手のひらの大きさの3倍以上”あることは明白であった。しかし、相談者は高齢かつ片足切断で車イスのため、介護施設で生活している。このような状況で面接に行くことは非常に酷であり、メジャーをあてた写真を改めて撮影して提出することにした。

自動車に轢過された際、膝から下の下肢に広くやけどを負ったことで、デグロービング損傷をしていた。 具体的にはは ① 脛側 → ② ふくらはぎ側 → ③ 脛側(①よりも下側)→ ④ 足首 → ⑤ 足の甲・踵までらせん状に広がっており、さらに、周辺の皮膚が溶けて固まっている。脛側から見ると、らせん状(線状)ではなく、一面状に醜状痕があるように見える。脛側の面の計測はすぐにできたが、らせん状の部位についてはメジャーをあてて撮影するのは困難、写真のみでは伝わりにくいと感じた。

そこで、醜状痕を動画撮影し、映像ディスクに焼いた。写真と映像のCDをそれぞれ調査事務所に提出し、無事に12級相当が認められた。

※ 本件は、下肢切断、足関節機能障害、足趾用廃も等級が認められ、最終的に併合3級が認定されている。

(平成28年6月)  

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 残念ながら、後遺症や賠償問題にまったく協力していただけない医師がおります。

 当たり前ですが、医師の本分は治すことです。治らなかった症状をせっせと診断書に書く・・もっとも面倒な仕事なのです。    交通事故被害者は長い治療の末に症状固定し、その後は治療費を絶たれ、後遺症で不自由な生活を強いられます。治療後の補償問題、それは被害者の人生がかかっていると言っても過言ではありません。治療に全力を尽くしてくれた医師には感謝しますが、後遺障害立証のための検査や、後遺障害診断書にもなんとかご協力を頂きたいのです。

 もちろん、補償問題にも心を砕いて下さる医師が多数です。しかし、どの職業にも、極端な主義者、天邪鬼がいるもので、そのような医師に当たったら、患者はたまったものではありません。残念ながら、見切りをつける決断が必要です。

 医師の性格で数百万円を失うわけにはいかないのです。  

12級7号:脛骨近位端骨折(70代女性・埼玉県)

【事案】

原付バイクで交差点を横断の際、右方よりの自動車と出会い頭衝突、鎖骨、中手骨、脛骨を骨折した。脛骨は「プラトー骨折」で、骨折部をスクリュー(ねじ状の金属)で固定した。 c_g_l_55

【問題点】

幸い各部の骨癒合は順調であった。年齢から脛骨のスクリューは抜釘しない方針だったが、骨折は関節面であったため、可動域への影響から抜釘することに。また、膝関節症の既往症があった。

一番の問題は主治医が診断書の記載や、後遺障害診断に非協力的、リハビリ希望も「うちではやらない」そして、「後遺症は無い」と常に患者に対して高圧的。本件被害者も「もう、あの先生に会いたくない」とまで言う始末。

【立証ポイント】

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 「経験豊富です」・・どのホームページでも謳われている宣伝文句です。    秋葉事務所もご他聞に漏れず、経験を売りにしています。しかし、比べれば具体性に大きな違いがあると思います。それは、本件の「腓骨神経麻痺」はじめ、「排尿障害」や「骨盤骨折」などレアな傷病名、そして「高次脳機能障害」「脊髄損傷」のような重傷名、これらが専門書を丸写しした解説ではなく、実際に受任、立証に成功した実例から語られている点です。    宣伝はあくまで客寄せ、誇大、お手盛りの類です。派手な宣伝に踊らされることなく、自らの障害について、実際に経験のある事務所へご相談を頂きたいのです。

 そして、秋葉事務所の実績ページをご覧になる、多くの被害者さまへの参考となるよう、実績で語る姿勢を堅持していきたいと思います。    それでは、今年上半期の下肢の障害について、シリーズでご紹介します。   

併合9級:腓骨神経麻痺・足関節脱臼骨折(40代男性・東京都)

【事案】

バイクで交差点を横断中、信号無視の対抗右折自動車と衝突。 脛骨遠位端、腓骨骨幹部、足関節脱臼、足根骨、中足骨を骨折、プレート固定術を施行。この情報だけで10級以上を予断した。

【問題点】

骨癒合が進み、リハビリも順調、しかし、足関節及び足の親指は自らの意志では、わずかしか動かない。腓骨神経麻痺である。症状固定まで周到な準備を重ねる必要がある。

【立証ポイント】

完全麻痺ではなかったが、神経伝導速度検査を指示、早くに有用なデータを備えた。症状固定時は主治医に面談、足関節・足指は自動値での計測をお願いした。  sinkei1続きを読む »

 学生の頃、大学のキャンパスまで自転車で乗りつけていました。

 ある時、剣道部の先輩が、「秋葉、自転車貸して」と。なんでも自転車に乗ったことがなく、大学に入ってから練習しているとのこと。その先輩の出身は長崎でした。そう、坂の多い港町では自転車が不便なのです。長崎出張中の2日間、ほとんど自転車を見かけませんでした。    入道雲が立上る梅雨明けの猛暑の中、路面電車を大浦天主堂前で下りると、西に臨む港に大型客船がそびえ立っています。世界一周の豪華客船が停泊していました。いつか船旅に出たいものです。

 宿は大浦天主堂・グラバー邸への坂道に沿って建つホテル、部屋の窓下はグラバー通り、行き交う観光客、お土産物売り場の喧騒が目の前です。かすかなざわめきの中、早朝の移動疲れからうたた寝・・目覚めるとどこにいるのか一瞬わからなくなりました。昔、フィレンツェのドォーモ裏の安ホテルに泊まった時が思い出されます。

 目覚めた後、夕食は中華街へ。オランダ通りをてくてく北上、歩いても10分位でしょうか。

2016071813070000

 翌日は朝から病院同行2件、昼までにはミッションを終えました。その後、依頼者様が飛行機までの時間つぶしに長崎市内を案内して下さいました。

 まず、平和公園、出島、続いて眼鏡橋に寄って頂きました。昼食は竜馬ゆかりの亀山社中近くのお鮨屋さん。ヒラマサが絶品でした。竜馬が歩いた水路脇を抜けるとすぐに長崎駅に。

2016071913330000続きを読む »

【事案】

自転車搭乗中、交差点を横断する際、左方から自動車が進入し衝突した。顔面に裂傷、傷跡が残る。 c_h_85

【問題点】

症状固定、後遺障害診断書を主治医に依頼後に相談を受けた。後遺障害診断書を確認したところ、線状痕の記載があり、長さは約3cm以上あった。既にレーザー治療を実施しており、傷は消えてきつつあった。実際、線状痕は診断書の内容よりも薄く短くなっていた。3cmは超えていたが、目立たないことが懸念。

【立証ポイント】

したがって、唯一の女性スタッフ堀越を伴い、急ぎ写真を撮りに長野まで。メジャーを当てて計測する方法を採用した。

結果、ちょっと甘い審査にも助けられ、顔面醜状痕は12級14号が認定された。なお、本件では別に骨盤骨折による生殖器の障害についてでも11級相当が認められ、結果として併合10級が認められた。

もし、レーザー治療をする前に相談に来た場合、その治療をする前に等級申請を勧めていたでしょう。しかし、多くの被害者さん、とりわけ若い女性はキズを消すことに全力を尽くします。等級認定にて先に賠償金を確保し、後に健康保険で治療して総合的に実利を得る・・この理解に及ぶためにも早めの相談を待っているのです。 本人だけではなく、ご家族、主治医とよく相談して、納得できる解決を目指す必要があるのです。

(平成28年6月)

※ 併合により分離しています   

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佐藤イラストsj佐藤が実務を解説!

 今回は労災を適用するまでの手順を説明したいと思います。(死亡事故を除く)

 みなさんが交通事故に遭われたとき、事故の対応は加害者の保険会社が色々とやってくれます。通勤途中の事故や業務中の事故だった場合にも、保険会社が手続きしてくれる場合も多いです。しかし、通勤途中の事故や業務中の事故だった場合でかつ、加害者が任意保険に入っていない場合等はご自身で労災手続き申請を行わなければなりません。会社によっては全て手続きをしてくれる場合もありますが、大抵はご自身で用意して、会社に必要な部分のみをお願いすることが多いかと思います。労災の手続きは書類が多く大変ですが、流れをこれから記載していきます。

 まず、必要な書類は①第三者災害届 ②念書 ③事故証明書です。

① 第三者災害届は全部で4枚(両面印刷の場合には2枚)で2部提出しなければなりません。

② 念書は3部必要です。

③ 事故証明書は原本1部が必要で。会社によってはコピーを1部添付してくださいと指示されることもあります。事故証明書が発行できない場合には事故発生届を2部提出します。

jikoshoumei続きを読む »

【事案】

原付バイクで交差点を横断中、左方よりの右折自動車と出会い頭衝突。股関節の脱臼骨折加え、顔面鼻部を強打、鼻骨骨折及び裂傷となり、切創部を縫合した。

【問題点】

股関節の脱臼骨折の整復が治療の中心となり、鼻のキズは縫った後、特に処置はなかった。症状固定時に確認のところ傷は消えたが、少し鼻りょうが曲がっているように見えた。 c_g_ea_7 【立証ポイント】

股関節で12級を固めるとして、もう一つ等級を引き上げられないか? そこで、新たに鼻部のCT検査を依頼、その画像を精査した。その画像から鼻骨骨折による変形について、断面図を印刷して示した。もちろん、外貌写真も、事故の前後それぞれ揃え、わずかの変形ながら主張した。もちろん、主治医にも醜状痕の欄に鼻部変形の追記を頂いた。何とか面談での判断までつなげたい。

予想通り、調査事務所から面談の要請があり、実際に確認頂いた。判定は「鼻骨の変形については、直接に認定基準上、評価対象とならないが、人目につく線状痕として」12級14号の評価となった。線状のキズは薄く目立たないが、なかなかに柔軟な判断を頂いた。過去の経験からも、鼻が曲がった場合、この評価方法が常套手段のようです。

おかげで等級は併合11級と、一つ引き上げに成功した。

※ 併合の為分離しています。

(平成28年6月)  

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 タイトルを見ただけで気絶しそうです。

 臓器一般に言えますが、腎臓など2つある臓器はどちらかが機能低下しても、バランスをとって働きます。片方を摘出しても大事ない臓器もいくつかあります。精巣もその一つと言えます。13級という微妙な低等級評価の理由は、機能自体に影響のないものだからでしょう。

 しかし、猫の去勢のようなはっきりした効果はなくとも、男性ホルモンの低下はあるはずです。その辺の評価は難しい・・まさか、神経症状の14級9号ってわけもいかないか。 20151111_1

13級相当:精巣損傷(30代男性・千葉県)

【事案】

バイクで直進していたところ、信号のない交差点で対向車が急に右折してきたため衝突、受傷。直後から全身の痛みのみならず、下腹部に激しい痛みや違和感を覚える。

【問題点】

受傷後翌日に緊急手術となり、精巣摘出術を行ったが、事故前に既往症として「陰嚢水腫」があったことにより、加重障害により否定される可能性があった。

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【事案】

バイクで直進していたところ、信号のない交差点で対向車が急に右折してきたため衝突、受傷。直後から全身の痛みのみならず、下腹部に激しい痛みや違和感を覚える。

【問題点】

受傷後翌日に緊急手術となり、精巣摘出術を行ったが、事故前に既往症として「陰嚢水腫」があったことにより、加重障害により否定される可能性があった。 【立証ポイント】

精巣の立証については、主治医にお会いして後遺障害診断に精巣摘出の旨、術式の記載をいただいた。また視覚的な観点から、外傷を裏付けるためにCT画像の打ち出しやレポートを作成していただいた。その結果、自賠責調査事務所の判断は「陰嚢水腫」を既存障害と評価せずに13級相当を認定した。

※併合の為、分離しています

(平成28年6月)  

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 臓器の障害は珍しいものです。その多くは手術で治るもので等級は低めと言えるでしょう。また、手術で治らないひどい損傷、例えば、内臓破裂は大量の腹部内出血を起し、チアノーゼでショック死する危険があります。かつて、衝突事故による内臓破裂で死亡した方がおりました。

 多臓器の損傷、複数の障害となれば、複合的に機能低下が起きるものです。そこで、労災や自賠では多臓器の障害の場合、複合的評価にて等級が認定されます。この辺はあらゆるマニュアル、ネット情報からも得ることはできません。経験のみが頼りになる分野と言えます。  c_g_c_2

11級10号:肝損傷・胆のう障害(20代女性・千葉県)

【事案】

通勤時、自動車で直進走行中、対向車がセンターラインオーバー、正面衝突したもの。自動車の前部は潰れ、左脛骨・腓骨を開放骨折、腹部を強打し、肝損傷の診断となる。

腹部は胆管狭窄・胆のう障害で以後、数度のステント交換手術を強いられる。 ステントとは血管・気管・消化管・胆管などを内側から広げるために用いられる、金属製の網状の筒。   続きを読む »

【事案】

通勤時、自動車で直進走行中、対向車がセンターラインオーバー、正面衝突したもの。自動車の前部は潰れ、左脛骨・腓骨を開放骨折、腹部を強打し、肝損傷の診断となる。

腹部は胆管狭窄・胆のう障害で以後、数度のステント交換手術を強いられる。 ステントとは血管・気管・消化管・胆管などを内側から広げるために用いられる、金属製の網状の筒。

かんぞう たんのう肝臓くんと胆のうくん

【問題点】

手術実績から認定されるものなので、これと言った立証作業はないといえる。問題は手術を重ねても13級止まりで、将来予想される胆のうの障害悪化について、現時点では判断できないこと。

【立証ポイント】

主治医の術式記載のみで「肝損傷による肝機能酵素上昇」は13級11号、「肝損傷による胆のう摘出」にて13級11号がそれぞれの判定。以上、多臓器の障害が複合的に作用した場合の複合評価となり、11級10号と認定となった。

尚、足関節の8級相当がが併合され、最終的には併合7級となった。

※ 併合の為、分離しています

(平成27年5月)  

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「交通事故被害者救済」がスローガン! 病院同行に日夜奔走しています。解決まで二人三脚、一緒に頑張りましょう。

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部位別解説 後遺障害等級認定実績(初回申請) 後遺障害等級認定実績(異議申立)

今月の業務日誌

2016年7月
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