【事案】

タクシーに乗っていたところ、タクシー運転手が信号無視で交差点に進入し、右方から自動車が衝突した。事故の衝撃で鎖骨を粉砕骨折し、救急搬送された。

【問題点】

鎖骨の骨幹部を骨折していたが、受傷直後の画像を確認したところ、可動域に制限が生じてもおかしくないレベルであった。しかし、事故当初は20代と若く、手術した医師の腕がよかったこと、事故から1年6カ月近く経過していたことから、回復状態がよく、相談に来られた時には可動域はかなり回復していた。

しかし、外見上、微妙であるが左右差が出ていたこと、疼痛がいまだ残存していることから、これらを立証して等級を狙う方針を打ち立てた。

医師に症状固定して頂き、鎖骨の変形も認めてくださったので、後遺障害診断書にまとめて頂くことに成功した。その後、写真も添付して外見上に左右差があることを証明しようとしたが、写真撮影時に服を脱いでいただいたところ、芸術的な刺青が出現、一緒に写る事になった。この写真を添付して被害者請求をしたが、申請から1ヶ月も経たないうちに非該当が届いた。

【立証ポイント】

本件の鎖骨骨折はひどく、痛みや変形が残ってもおかしくないものであったため、異議申立をすることにした。今回は新しく3DCTで左右の鎖骨を撮影し、それぞれ並べて左右差が出ていることを比較して頂けるように書類をまとめた。

長い審査期間を経て、変形障害を諦めかけていた頃に12級5号の認定の知らせが届いた。もちろん、刺青が審査に影響したわけではない。しかし、事故から相手・保険会社ともめたこともあり、相手保険会社にバッドイメージであったことが響いたかもしれない。刺青に対する見解は欧州と日本とで差があり、偏見が生じたことが疑われる案件であった。

(平成28年5月)

続きを読む »

【事案】

バイクで走行中、交差点を左折した直後に相手方自動車が反対車線から右折進入してきて接触、転倒した。救急搬送後、入院した。診断名は第一腰椎圧迫骨折。 appaku参考画像 【問題点】

相談を受けたときには、既に主治医に後遺障害診断書を依頼していたため、診断書が完成するのを待つことにした。しかし、CTやMRIの撮影を症状固定時期にしていないことがわかった。さらに、間の悪いことに、近日引越し予定で、主治医のいる病院から離れてしまう。

【立証ポイント】

圧迫骨折の変形所見を調べるためには、圧潰率をMRI画像等で確認する必要がある。この点、主治医は、症状固定後は交通事故として診察をしたがらず、また、通常の診察も拒んでいた。やむを得ず、CT、MRIの撮影は引っ越し先の近くの病院で行うことにし、主治医には紹介状だけ書いて頂いた。

その病院に同行したが、医師に入室を拒まれた。このようなことも予想して、事前に打ち合わせを入念に行い、紹介状を渡すと共に相談者にCT、MRI撮影の希望を文章で伝えた。

画像は無事に撮影され、CDに焼いて頂いたものを弊所で確認した。椎体は圧潰しており、圧潰率を主張するため、椎体のつぶれた方とつぶれていない方のそれぞれの長さを計測した画像打出しを用意して申請にあげた。

結果、11級7号が認められた。症状固定後であり、かつ症状固定までに通院したことのない病院で撮影した画像であっても、調査事務所は考慮してくれたのである。

調査事務所は判断に必要な資料であれば、柔軟に検討、妥当な等級を認めてくれるという実例と言える。

(平成28年4月)  

続きを読む »

 秋葉事務所では、目、耳、鼻、口など、感覚器の障害で多くの立証に成功しています。

 特に器質的損傷のない、多くはムチ打ちなど頚椎捻挫 由来の症状について、粘り強く認定を引き出しています。これは簡単なことではありません。

 確かに顔面部の骨折や、明らかな脳損傷、脊髄損傷があれば、「視野が狭くなった、難聴になった、匂いや味がしなくった」事について、因果関係に疑いはありません。しかし、「ムチ打ちで嗅覚が無くなった?」事を信用していただくのは本当に大変、茨の道なのです。

 本例も秋葉事務所、山本の執念で認定を勝ち取りました。長期にわたる慎重な審査で、症状を「信じて」頂いた、自賠責・調査事務所にも毎度、感謝しています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA ← どや顔の山本

12級相当:嗅覚障害、14級相当:耳鳴り(30代女性・東京都)

【事案】

旅行先でレンタカー搭乗中、直進道路で信号待ちしていたところ、後続車の追突を受ける。直後から頚部痛、手のしびれ、頭痛、耳鳴り等の他、異常に鼻づまりが生じ、しばらくしてから嗅覚や味覚が喪失していることに気が付く。

続きを読む »

 当たり前ですが、後遺障害の審査に被害者さんの職業や素行、性格が影響することはありません。障害の有無は医学的な証明によって判断されます。

 しかし、しかしですね・・長くこの仕事をしていますと、どうも疑われやすい職業、信用されやすい職業があるような気がします。加えて事故後の交渉にて、相手や保険担当者を怒鳴りつけるなど、紳士的な態度を取れない被害者さん、不当・過大な賠償請求をする被害者さん、この方たちも、後の後遺障害審査にそのイメージが影響することを忘れてはならないのです。

 怖い人、悪い人、被害者意識の強すぎる人の主張する「痛みが残った」は信用度が下がるのです。それは「症状を推論する」14級9号では顕著でしょう。本件は「鎖骨が変形したのか?」が問われる審査です。初回は実にあっさりと非該当でした。腹立たしさの中、微妙な変形を必死に立証、異議申し立てでなんとか12級5号を勝ち取りました。

 被害者さんがもし、一部上場企業のエリート社員で、加害者や保険会社に穏やかに接していたら・・初回申請であっさり認定を得ることができたかも、と思ってしまうのです。 c_y_28

非該当⇒12級5号:鎖骨粉砕骨折 異議申立(30代男性・埼玉県)

【事案】

タクシーに乗っていたところ、タクシー運転手が信号無視で交差点に進入し、右方から自動車が衝突した。事故の衝撃で鎖骨を粉砕骨折し、救急搬送された。

【問題点】

鎖骨の骨幹部を骨折していたが、受傷直後の画像を確認したところ、可動域に制限が生じてもおかしくないレベルであった。しかし、事故当初は20代と若く、手術した医師の腕がよかったこと、事故から1年6カ月近く経過していたことから、回復状態がよく、相談に来られた時には可動域はかなり回復していた。

しかし、外見上、微妙であるが左右差が出ていたこと、疼痛がいまだ残存していることから、これらを立証して等級を狙う方針を打ち立てた。

医師に症状固定して頂き、鎖骨の変形も認めてくださったので、後遺障害診断書にまとめて頂くことに成功した。その後、写真も添付して外見上に左右差があることを証明しようとしたが、写真撮影時に服を脱いでいただいたところ、芸術的な刺青が出現、一緒に写る事になった。この写真を添付して被害者請求をしたが、申請から1ヶ月も経たないうちに非該当が届いた。

【立証ポイント】

本件の鎖骨骨折はひどく、痛みや変形が残ってもおかしくないものであったため、異議申立をすることにした。今回は新しく3DCTで左右の鎖骨を撮影し、それぞれ並べて左右差が出ていることを比較して頂けるように書類をまとめた。

続きを読む »

win  前回で子供が骨端線や骨端核を損傷しても、後遺障害等級が認められる可能性は極めて低いことを述べました。しかし、他方で、骨端線や骨端核を損傷しているだけではなく、同じ部位で骨折もしている場合があります。

 骨折しているかどうかはレントゲンで確認できる場合もありますが、関節等を骨折している場合がありますので、わかりやすいCT画像での確認も医師にお願いしてみてください。

 子供の場合は大人に比べて骨折後の骨の癒合するスピードが速く、回復が早いです。よって、子供の場合は、大人に比べて骨折でも等級を狙うのが難しくなります。

 ところが、稀に骨折後、骨片が残存する場合があります。痛みが続いており、かつ骨片が残存している箇所と一致している場合には、14級9号、12級13号が認められる可能性があります。

 先程述べたように、子供は大人よりも骨の癒合スピードが速く、回復が早いです。よって、等級を狙うのであれば、事故から半年が経過した場合、すぐに症状固定をする必要があります。

 この点、症状固定せずに、数カ月で完治できるのであれば、医師と相談して検討した方がいい場合があります。骨片の場合ですと、手術する必要性も検討しなければなりません。

 子供にその判断を求めるのは現実的ではありません。

 親や親戚の大人、主治医が、子供にとって何がいいのかを真剣に考える必要があります。

 子供のお怪我には、損傷部位だけではなく、症状固定時期にもご注意を。  

続きを読む »

 患者と医師の関係は、後遺障害の認定にとても大切です。信頼関係がなければ、診断書に症状を克明に記録していただけません。私達は毎度医師との折衝に心を砕いていますが、順調に進むか否かは今まで通ってきた被害者さんの態度次第なのです。

 本件は相当の苦戦を覚悟しましたが、医師の協力であっさりと等級認定を得ました。医師の本音は「診断書など面倒」なのです。その点、運が良かったのかもしれません。被害者さんは常に自己責任においてよいドクターを選び、関係を良好に保たねばなりません。  20070418 

併合14級:頚椎捻挫、腰椎捻挫(40代女性・神奈川)

【事案】 自動車運転中、交差点で右折のため一時停車中、後続車の追突を受ける。直後から頚部・腰部痛、手・足のしびれ、頭痛や吐き気等の神経症状に悩まされる。

【問題点】

むち打ちながら、事故から10ヶ月近く治療費を相手方保険会社から支払って頂けたが、保険会社もこれ以上は出せないという通知が届き、相談に来られた。 すぐに症状固定して後遺障害申請をする方針で固まったが、主治医との関係があまりよろしくない様子。また、6ヶ所近くもこれまで病院を転々としてきており、診断書や画像等の集積、分析が困難であった。

【立証ポイント】

医師は患者に対してあまり好意的ではないような印象であったため、心して病院同行を望んだが、案に反して後遺障害診断書に画像所見の記載や神経学的検査を丁寧に実施してくださった。また、相談者の今後の仕事の復帰を望んでいることなど、今後どのような治療を目指せばいいのか丁寧に説明して頂けた。

続きを読む »

 ムチ打ち、腰椎捻挫など、器質的損傷を伴わない症状の場合、MRIを提出しないで14級9号が認定されることは、0とは言いませんが極めて稀です。

 本件は被害者請求を選択しながら、MRIの提出を漏らしてしまい、苦労して異議申立てを行い、14級認定となりました。単なる捻挫ではない、神経症状が生じたからこそ後遺障害として判断していただけるのです。その場合、医師の指示でMRI検査を行うことに大きな意味があります。

 事前認定では、提出書類の集積を相手保険会社に任せることになります。仮にMRIや必要な資料の提出を漏らして非該当となっても、原因はわからないままでしょう。そのような意味からも、被害者請求は手続きに透明性があると言えます。

t1t2  

非該当⇒併合14級:頚椎捻挫、腰部打撲(40代男性・神奈川県)

【事案】

自動車搭乗中、直進道路脇で一時停車の際、後続車の追突を受ける。直後から頚部痛、腰部痛に悩まされる。 半年後に後遺障害を申請したが、結果は非該当であった。

【問題点】

診断名は、首はむち打ち、腰の方は打撲であった。医師はMRI撮影を頚、腰双方で実施しており、かつ通院回数も100回を超えていた。しびれなどの神経症状は顕著ではなかったが、申請すれば14級が認められたであったと考える。話を聞いてみると、被害者請求を相談者自らが行っていたが、MRI画像を提出していない可能性が浮上してきた。

【立証ポイント】

MRIの提出漏れが原因と考えられる。しかし、異議申立を成就する為には、MRI画像を新たに提出するだけではなく、症状固定後も症状が残存していること、継続していることを医師に診断して頂く必要がある。

本件では、事故当初から通院していた主治医に継続的に見て頂いていたが、診断書を書くことに消極的で、書類完成に非常に時間がかかること、病院同行も拒否する問題先生。仕方なく治療先を変更させた。診断書完成後、MRI画像と共に提出した結果、首だけでなく、打撲と診断された腰痛も信用してくださり、併合14級が認定された。

続きを読む »

【事案】

自動車搭乗中、直進道路脇で一時停車の際、後続車の追突を受ける。直後から頚部痛、腰部痛に悩まされる。 半年後に後遺障害を申請したが、結果は非該当であった。

【問題点】

診断名は、首はむち打ち、腰の方は打撲であった。医師はMRI撮影を頚、腰双方で実施しており、かつ通院回数も100回を超えていた。しびれなどの神経症状は顕著ではなかったが、申請すれば14級が認められたであったと考える。話を聞いてみると、被害者請求を相談者自らが行っていたが、MRI画像を提出していない可能性が浮上してきた。

【立証ポイント】

MRIの提出漏れが原因と考えられる。しかし、異議申立を成就する為には、MRI画像を新たに提出するだけではなく、症状固定後も症状が残存していること、継続していることを医師に診断して頂く必要がある。

本件では、事故当初から通院していた主治医に継続的に見て頂いていたが、診断書を書くことに消極的で、書類完成に非常に時間がかかること、病院同行も拒否する問題先生。仕方なく治療先を変更させた。診断書完成後、MRI画像と共に提出した結果、首だけでなく、打撲と診断された腰痛も信用してくださり、併合14級が認定された。

被害者請求の段階で、ご自身のパソコン等でMRI画像があるかどうかを確認しておけば、ここまでの苦労はしなかったかもしれない。

(平成28年4月)  

続きを読む »

お問い合せはお気軽に!

事務所メンバー

「交通事故被害者救済」がスローガン! 病院同行に日夜奔走しています。解決まで二人三脚、一緒に頑張りましょう。

代表者略歴を見る!

部位別解説 後遺障害等級認定実績(初回申請) 後遺障害等級認定実績(異議申立)

今月の業務日誌

2016年6月
« 5月   7月 »
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

月別アーカイブ