最近、相談例から脊柱の障害について復習したいと思います。

 脊柱の構成は、頚椎”サーヴィカル”・胸椎”ソラシック”・腰椎”ランバー”・仙骨”サクラム”(仙骨は分類上、含めないこともある)と分かれます。

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 5年前に改定があって以来、大きな変更はないと思いますが、圧迫骨折の認定基準が掴めてきた印象です。詳しくは後日の「変形」で説明します。

 それぞれ、① 運動障害、② 変形障害、③ 荷重障害の観点から後遺障害等級が認定されます。まずは、全体の障害基準表を総覧します。  

脊柱の運動・変形・荷重障害の後遺障害等級

① 脊柱の運動障害

等級 ...

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 これから明日の相談会のために高崎に入ります。高崎での相談会は平成24年以来、実に4年ぶりです。それでも、参加された相談者の皆さんを覚えています。3名様の参加と少なかったのですが、内2名様のご依頼を頂きました。

 まずお一人は、脛骨骨幹部骨折後の足関節の可動域制限で12級を立証しました。もう一人は、事故から数年経過後ながら、鎖骨骨折後の神経症状で14級。いずれも手ごたえのある案件でした。

 それでは、今日は高崎相談会が”想い出深い”理由を語りましょう。      その日の主催・弁護士事務所と時間を合わせて、埼玉から自動車で高崎の会場に入りました。小一時間前に到着し、スーツに着替え待機していました。ほどなく、弁護士さんチームの到着が渋滞で遅れる旨の連絡が入りました。前日は近隣の温泉に慰労会も兼ねて泊まりだそうです(草津にでも行ったのかな?)。

 それではと、一人黙々と会議室の机を並べ替え、相談会に必要な骨モデルや備品を設置しました。 1014210_501755296585499_495301298_n  すると、一息つく間もなく、最初の相談者さまがいらっしゃいました。弁護士さんチームはまだ到着していません。仕方なく、私一人で受付、続いて相談に、あたかも一人で相談会を開きました。相談者さんも「お一人なのですか?」と怪訝な顔です。

 この相談者様が、鎖骨骨折の件です。やや難しい案件でしたが、解決までのプロセスをよどみなく説明、病院に同行して何とかすることを約して、ご契約の意向となりました。相談が終了する頃、ようやく弁護士チームが到着、即座に契約説明・調印となりました。

 続けて2名の相談者様に対応し、冒頭に言いましたように、もう1件もご契約を頂きました。

 到着した弁護士さんチームは私に平謝りでしたが、結果として、よい相談会となりました。

 私にとって高崎は「たった一人の相談会」の地として記憶されています。    012-1

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mikurasu  今回はテニス肘についてです。病院同行の際、頚部捻挫からくる神経症状をテニス肘と診断されたケースがありましたので、テニス肘の検査方法や一般的な治療法をご紹介します。

 テニス肘とは、別名(上腕骨外側上顆炎)といい、物をつかんで持ち上げる動作等をすると肘の外側から前腕にかけて痛みが出る症状のことをいいます。一般的には交通事故外傷によるものではなく、年齢とともに腱がいたんで起こるものと言われています。テニス愛好家に多い症状ということからテニス肘と呼ばれているそうです。分かりやすくていいですね。

 診断としては以下の3つの検査でテニス肘と診断されます。

1、thomsen(トムセン)テスト 肘を伸ばした状態で、手首を反らし、反らした手首に抵抗を加えると肘が痛みが出るかどうかを見るテスト。

2、chair(チェア)テスト 患者さんに肘を伸ばしたまま椅子を持ち上げてもらうと痛みが出るかを見るテスト。

3、中指伸展テスト 中指を上から押さえつけて、患者さんにはそれに抵抗して肘を伸ばしたまま中指を伸ばしてもらうと痛みが出るかを見るテスト。

 テニス肘と診断された場合の治療法としては保存療法が推奨されています。手首や指のストレッチやシップや外用薬を使用して安静にします。それでも効かない場合には肘の外側に局所麻酔薬とステロイド注射を行うこともあります。テニス肘用のバンドを装着してみるのもいいかもしれません。保存療法が効かない場合には手術(筋膜切開術、切除術、前進術、肘関節鏡視下手術)等がありますが、プロのアスリートが行う可能性のあるのもで、一般的ではないかと思われます。 20150611_1  前述した通り、テニス肘は交通事故外傷としては判断されにくく、後遺障害申請には難しい症状です。ご自身の症状が頚部捻挫からくる神経症状なのか、テニス肘なのか分からない場合には上記のテストや、ジャクソンテスト・スパーリングテスト等で確認してみてはいかかでしょうか。

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【事案】

道路を歩行横断中、バイクにはねられ受傷。救急搬送され、腹部を手術、その他、次の診断名となった。腸間膜損傷、恥坐骨骨折、腓骨骨折、顔面裂傷、歯牙欠損、そして脳挫傷。

【問題点】

日焼けで線状痕が目立たず、かなりの長さ。17cmでも7級は無理か?

【立証ポイント】

連携弁護士が付き添った面接では、キズの計測よりも高次脳機能障害の観察もあったよう。これについては本人への面接で大いに参考になったかもしれない。

醜状痕の判定は”目立つか否か”が問われる。新基準の9級も致し方ないところ。

※ 併合の為、分離しています。

(平成28年2月)       

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 今更ですが、自賠責で高次脳脳機能障害として認定されるための入口部分の3つの要件をおさらいしましょう。

(1)傷病名が脳挫傷、びまん性軸策損傷、びまん性脳損傷、急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血、脳室出血であること、  骨折後の脂肪塞栓で呼吸障害を発症、脳に供給される酸素が激減した低酸素脳症は、これに該当します。

(2)それらの傷病がXP、CT、MRIの画像で確認が出来ること、

(3)頭部外傷後の意識障害が少なくとも6時間以上続いていること、もしくは健忘症あるいは軽度意識障害が少なくとも1週間以上続いていること、    この3要件の特に(2)と(3)の両方が欠けていれば、いくら症状があろうと、高次脳機能障害はきっぱり否定されます。(2)の画像所見がなければ「MTBI」(外傷軽度脳損傷)と烙印を押されてしまいます。今まで高次脳が否定された数々の悲劇を見てきました。本件も自賠が蹴ったら訴訟認定を目指すしかないのか、と常に不安でした。

 しかし、自賠責の高次脳・専門調査機関である、高次脳審査会は全体の医証を検討、認定しました。その柔軟かつ、事実を重んじる審査姿勢に脱帽、本件では調査事務所に最大の賛辞を贈りたいと思います。

 

3級3号:高次脳機能障害(60代男性・栃木県)

【事案】

道路を歩行横断中、バイクにはねられ受傷。救急搬送され、腹部を手術、その他、次の診断名となった。腸間膜損傷、恥坐骨骨折、腓骨骨折、顔面裂傷、歯牙欠損、そして脳挫傷。

ケガに比して回復良く、1ヶ月ほどで退院できた。しかし、その後、難聴、排便障害、右脚の外反など、いずれも自賠責の障害基準に満たない微妙な症状の表出が続いた。通った病院は6ヶ所、受診した診療科は10科を超えていた。

【問題点】

警察、病院とも関係悪く、相手保険会社もわずか3ヶ月での打ち切り。続いて自らが契約の人身傷害も1年で治療費対応を終了。このまま症状固定もせず、だらだらと治療が続いてさらに2年が経過した。このような状態で家族は弁護士を探したが、どこも受任していただけず、最後の弁護士が受任し、秋葉への協力依頼となった。

また、本件最大の問題は「画像所見」が微妙で、脳に器質的変化がないこと、意識障害は「せん妄」(性格・行動が荒れる症状)があるものの、「意識障害なし」とされている。これでは自賠責の基準上、高次脳の認定は「門前払い」が濃厚だった。

【立証ポイント】

事故の終結に向け、人身傷害の保険会社とまず協力、休業損害の先行払いをお願いした。この軍資金を得て、11回の医師面談を実施した。どの医師からも敬遠されていた依頼者さんであったが、平身低頭、検査と診断書の記載をお願いして回った。

意識障害は救急科の医師に記載を直して頂き、「せん妄」の追記を頂いた。画像所見は微妙であったが、唯一、挫傷痕を指摘した医師と面談、主治医とは別にその所見を診断書にしていただいた。並行してリハビリ科の医師に出来るだけ他覚的所見をまとめて頂き、他科の診断書も歯科も含め6科に依頼、所見の記載をせっせと集めた。

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【事案】

道路を歩行横断中、バイクにはねられ受傷。救急搬送され、腹部を手術、その他、次の診断名となった。腸間膜損傷、恥坐骨骨折、腓骨骨折、顔面裂傷、歯牙欠損、そして脳挫傷。

ケガに比して回復良く、1ヶ月ほどで退院できた。しかし、その後、難聴、排便障害、右脚の外反など、いずれも自賠責の障害基準に満たない微妙な症状の表出が続いた。通った病院は6ヶ所、受診した診療科は10科を超えていた。

【問題点】

警察、病院とも関係悪く、相手保険会社もわずか3ヶ月での打ち切り。続いて自らが契約の人身傷害も1年で治療費対応を終了。このまま症状固定もせず、だらだらと治療が続いてさらに2年が経過した。このような状態で家族は弁護士を探したが、どこも受任していただけず、最後の弁護士が受任し、秋葉への協力依頼となった。

また、本件最大の問題は「画像所見」が微妙で、脳に器質的変化がないこと、意識障害は「せん妄」(性格・行動が荒れる症状)があるものの、「意識障害なし」とされている。これでは自賠責の基準上、高次脳の認定は「門前払い」が濃厚だった。

【立証ポイント】

事故の終結に向け、人身傷害の保険会社とまず協力、休業損害の先行払いをお願いした。この軍資金を得て、11回の医師面談を実施した。どの医師からも敬遠されていた依頼者さんであったが、平身低頭、検査と診断書の記載をお願いして回った。

意識障害は救急科の医師に記載を直して頂き、「せん妄」の追記を頂いた。画像所見は微妙であったが、唯一、挫傷痕を指摘した医師と面談、主治医とは別にその所見を診断書にしていただいた。並行してリハビリ科の医師に出来るだけ他覚的所見をまとめて頂き、他科の診断書も歯科も含め6科に依頼、所見の記載をせっせと集めた。

さらに、通常より「日常生活状況報告書」を綿密に作成、審査側に窮状を切々と訴えた。これだけの作業が出来るのは日本で秋葉だけ、との自負をモチベーションに各所の理解を取り付け、複雑に絡んだ案件を整理、調査期間14ヶ月を経て弁護士の委任請求まで漕ぎ着けた。

これら立証努力は報われることに・・審査は7ヶ月に及んだが、異例ともいえる高次脳認定、望みうる最高等級である3級(醜状痕と併合して2級)の評価となった。この、誰もが避ける複雑な案件を断らなかった弁護士にとって、収益の大きな案件として蘇った。

※ 併合の為、分離しています

(平成28年2月)     

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 事務所開所以来、高次脳機能障害に注力、取り組み続けています。ありがたいことに、北は北海道から南は九州・沖縄まで、全国の弁護士事務所からご相談やご依頼を頂いております。

 その期待は大きなプレッシャーですが、絶対に応えなければなりません。それは、弁護士を助けると同時に被害者の運命を変える仕事だからです。

 重傷事案の解決は何より、後遺障害の立証に尽きます。

「絶対に負けられない戦い」なのです。 7ee7bb29

7級4号:高次脳機能障害(30代女性・北海道)

【事案】

交差点を歩行横断中、後方よりの右折自動車に跳ねられ受傷。診断名は外傷性くも膜下出血、脳挫傷、骨盤骨折となった。

ご本人は完全回復を目指してリハビリを続け、仕事にも復帰したが疲れやすく、家族も示談を急ぐ相手保険会社とこのまま示談してものか不安になり・・弁護士事務所へ相談に訪れた。

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【事案】

交差点を歩行横断中、後方よりの右折自動車に跳ねられ受傷。診断名は外傷性くも膜下出血、脳挫傷、骨盤骨折となった。

ご本人は完全回復を目指してリハビリを続け、仕事にも復帰したが疲れやすく、家族も示談を急ぐ相手保険会社とこのまま示談してものか不安になり・・弁護士事務所へ相談に訪れた。

【問題点】

身体は回復よく、リハビリの成果から障害が残らなかった。しかし、事故以来、疲れやすく、物忘れも目立つ。また、性格も怒りっぽくなった。しかし、これまで特別な検査は一切していなかった。 家族にしかわからない微妙な障害をいかにあぶりだすかがテーマとなった。3度北海道まで病院に同行することに。私が付き添わなければ埒があかないからである。

【立証ポイント】

まず、脳神経外科医に最終MRI検査と読影をして頂いた。そこで前頭葉の損傷に注目、家族の観察と受傷部位を結ぶべく、必要な検査を検討した。

改めて主治医と相談、神経心理学検査への協力を取り付けた。直後、言語聴覚士と検査内容を打合せ、オーダーした検査は、WaisⅢ、ウェクスラー記憶検査の基本検査に加え、TMT、WCST、VFT、浜松式かなひろい、を加えた。病院ごと、設備の有無が影響するが、これで相当の評価は得られるはず。

もちろん、日常生活状況報告にはご家族から精密な聞き取りを行い、審査側にとっても、助かる情報・内容にまとめた。

結果、労働能力の減退と性格変化を主として7級の評価。ご家族も弁護士も納得のいく等級を引き出した。期待が大きかっただけに、私もほっとしました。

(平成28年2月)  

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 金曜は熊谷にて代協北部支部から講師の拝命、「約款解説・人身傷害」をテーマに1時間半、務めました。

 この人身傷害・約款シリーズもだいぶ慣れてきました。各社の約款の細かい違いをお話しするたびに、ご参加の皆様から反応があり、今回も「居眠り知らずの講習」となりました。 OLYMPUS DIGITAL CAMERA  講習のたびに約款とにらめっこ、”日本で最も自動車保険約款に精通すること”を目標に頑張っていいます。この知見を出版原稿にフィードバック、急ぎまとめていきたいと思います。

 懇親会では焼肉をこれでもかって位、頂きました。翌日の東京相談会に向けてエネルギー充填です。

 協会のO支部長はじめ、ご参加の皆様、ありがとういございました。      

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win

 ある相談者は腰の痛みを訴えていました。診断書を確認したところ、当初は腰部打撲等と診断され、その後CT画像を撮影し、結果、仙骨骨折と診断されていました。診断当初から腰から臀部にかけての痛みを訴え、CT画像撮影は事故から少ししか経過していませんでしたので、12級13号ないしは14級9号が認められそうでした。

 前回の例と異なり、相談段階で画像CDを用意できたので、画像確認をしてみました。

 仙骨部分をXP画像で確認すると、尾底骨部分が曲がっているようにみえました。尾底骨部分は人によっては通常よりもまがっていることがありますので、これのみでは判断できません。   c_g_sp_8  その後、CT画像を確認してみました。

 尾底骨部分に他の部分と比較すると、「骨傷」が確認できました。しかしながら、骨折しているようにはみえませんでした。3DCTも確認しましたが、やはり骨折箇所は見当たらず、骨折レベルには至っていない状態でした。

 尾底骨部分の疼痛は後遺障害等級が認められにくいため、結論として14級9号が認められる可能性がわずかにあるのみでした。    前回の例を含めて、お医者様は治療に役立つかどうかで検査や画像をみますので、後遺症(後遺障害)の立証については初めから考えていません。治療上必要か否かで観ております。前回の例では、骨折していなかったのですが、痛みはその箇所にあるため、投薬治療して痛みを抑えていました。本件の例も同じく、リハビリができない箇所である上に治療上痛みを止めるために投薬するしかない場合です。

 医師が後遺症(後遺障害)を認めたとしても、診断を立証できる程度の証拠を提出する必要があります。 とある医師は自分が検査内容や後遺症(後遺障害)を決めるものであると言っておりましたが、実際、申請しても後遺症(後遺障害)が認められない(非該当)場合が多くあります。医師は後遺症(後遺障害)の立証を知る方は非常に少ないです。お詳しい医師が近くにいれば心強いですが、極めて稀です。

 月に1回行っている相談会では、主に後遺症(後遺障害)での立証に必要な情報をお教えできますので、もしよろしければご参加ください。    

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 昨日から、2度目の熊本出張です。空港に降りたつと粉雪が舞い散っていました。ここ数日、急に冷え込みましたが、肥後は暖かいとの期待は見事に裏切られました。

28.2.16 市内の移動は路面電車が便利です。(←写真)電車の後ろにお城がそびえています。

 2日間の病院同行でしたが、ご家族の協力もあり、スムーズにミッションを達成できました。

 夜はホテル下階のバーで一息。店内は70’Sの彩り。コステロ、ラモーンズ、ウイングスなどのドーナツ盤を回してくれました。「Band on the run ♪」が頭にグルグル・・

 さすがに疲れましたので、今日は日記で終わります。    

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 「人身傷害」と「無保険車傷害」の併存問題、続いて東京海上日動の整理を見てみましょう。   (3)東京海上日動

人身傷害条項 第5条(支払い限度額に関する特則)

(1)第4条(お支払いする保険金)(1)ただし書の規定にかかわらず、下表のすべてに該当する場合は、1回の人身傷害事故について当会社の支払う保険金の額は、被保険者1名について2億円を限度とします。

① 第1条(この条項の補償内容)(2)の表の①に該当する事故のうち、無保険車の運行に起因する事故により人身傷害事故が生じ、その直接の結果として、第4条(お支払いする保険金)(2)の表の②または同表の③に該当すること。 ② 賠償義務者があること。 ③ 保険証券記載の保険金額が無制限以外であること。    ①は読みづらいですが、従来の無保険車による傷害事故を指しています。②は事故の相手がいること、つまり、自爆事故ではないとの意味です。③は人身傷害の限度額が無制限であれれば、無保険車による被害は2億円ではなく無制限とします。

 要するに内容は三井住友と同じです。人身傷害約款に無保険車傷害を吸収させました。すると、三井住友同様、人身傷害を付保していない契約はどうなるのか?東海日動はしつこく?、いえ、論理的に整理しています。   18  無保険車事故傷害特約

第1条 (この特約の適用条件)  この特約は、この保険契約に対人賠償保険が適用され、かつ、人身傷害保険が適用されていない場合に適用されます。

19  無保険車事故傷害特約不適用に関する特約 第1条 (この特約の適用条件) 続きを読む »

 それでは人身傷害と無保険車傷害の競合問題について、3メガ損保の現約款を確認してみましょう。

 いずれも「27年10月改定」版からです。(最近は毎年のように約款改定が続き、追いかけるのが大変です!) c_y_1

(1)損保ジャパン日本興亜

4-5 無保険車傷害特約  第10条 支払い保険金の計算

⑦ 普通保険約款人身傷害条項第8条(支払い保険金の決定)の保険金が支払われる場合は、その保険金額 ・・を無保険車傷害の保険金から差し引きますよ。    つまり、無保険の自動車にケガをさせられた場合、多くは人身傷害で治療費や休業損害を賄っているはずです。続いて後遺障害が生じた場合も「まず人身傷害で支払い、足りなければ無保険車傷害から払います」、との意味になります。これは実務的な流れを裏付けるものです。

 損保ジャパンは日本興亜との合併前、一時期、人身傷害の約款に無保険車傷害を組み込みましたが、すぐに無保険車傷害を独立した約款に戻しました。結局、両者の約款を併存させたまま、被り問題をこの約款条文で調整しました。

 最初からこうすればよかったのにね。

★ 限度額は人身傷害付き契約(THEクルマの保険)、人身傷害がない契約(SGP)共に、限度額の記載がありません。2年前の改定から「2億円」⇒「無制限」に統一したようです。保険証券には「無制限」ときっぱり記載されています。

  (2)三井住友

人身傷害条項続きを読む »

mikurasu  会社で働く方たちは協会けんぽと組合けんぽという言葉をきいたことがありますよね?

 全国健康保険協会(通称=協会けんぽ)と健康保険組合(通称=組合健保)があります。    協会けんぽは適用事業所である中小企業等で働く従業員やそのご家族が加入している保険です。保険料率は各都道府県や標準報酬によって決まり、事業主と被保険者の負担割合は折半になっています。

 組合健保は政府に代わって健康保険事業を行う公法人であり、厚生労働大臣の許可を得て設立されます。1つの会社で700人以上の従業員がいる場合か、同じ業種の会社または同じ地域の会社が集まって3000人以上の従業員がいる場合に設立できます。    1、協会けんぽの場合、協会けんぽのサイトに「協会けんぽについて」→「個人情報保護」→「保有個人情報の開示請求について」→「診療報酬明細書(レセプト)の開示について(ご本人用)」をクリックすると、必要書類の欄に請求書のPDFデータがありますので、それをダウンロードして記入します。具体的には全国健康保険協会支部長の欄には、所属する支部を記入します。お手元の保険証の下の保険者名称の欄に支部名が記載されています。診療年月には開示を希望する期間を、診療報酬明細書等区分には病院の名称、所在地を記載し、必要な区分に〇をつけます。開示する書類は年度ごと(毎年4月1日から翌年3月31日まで)によって手数料300円(収入印紙)がかかります。

2、請求は窓口・郵送どちらでも可能ですが必要書類が多少異なるので、注意が必要です。窓口であれば、「診療報酬明細書等開示請求書」、「身分証明書」を、郵送であれば「診療報酬明細書等開示請求書」、「身分証明書のコピー」、「住民票(請求の30日以内のもの)」を用意し、全国健康保険協会の所属する支部に提出します。

3、その後、開示請求手数料の納付書が届きますので、その金額を納付し、領収書の写しをFAXで送信するとスムーズに進みます。その後決定の書類が届きますので、開示請求の意思と方法(閲覧かコピー請求)を示します。コピー請求の場合、開示書類の枚数によって該当金額を切手同封で支払うと、無事にレセプトが届きます。

 組合健保の場合は、協会けんぽと流れはほぼ一緒ですが、申請書類様式が各組合よって異なりますので、ご自身が所属されている組合のホームページ又は会社の事務の方に聞くことが望ましいと思います。    

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win  

 タイトルのみでは意味不明かと思いますので、具体例をあげつつ述べていきたいと思います。以下の例は実際にあった相談内容です。  

<例1> 相談の際、診断書を拝見しました。

 診断名に「骨折」と記載されていました。相談者の痛みの部位と医師から説明を受けた骨折部位とが一致していると考え、後遺障害診断書に疼痛及び画像所見を記載して頂くことにしました。

 相談当日には画像を持参されなかったので、後日、画像をすべて収集し、実際にみてみました。しかしながら、骨折したと説明を受けた箇所をいくらみても骨折しているようには見えません。事故当日の画像から最後に撮影された分すべてを見ても骨折箇所がわかりませんでした。  c_g_a_6 実際に後遺障害診断書を依頼する前に骨折箇所を主治医(個人で経営されている整形外科)に質問してみました。主治医は改めて画像をみてくださいましたが、そもそもどこなのかよくわかっていないよう様子でした。主治医によると、骨折については紹介元の病院で診断されており、ここではリハビリのみを頼まれていた、とのことでした。

 やむを得ず、紹介元の病院に依頼者と共に行き、骨折しているかどうかを確認すると共に、念のため画像も撮影しました。そこでは当時依頼者を診察して下さった医師は他の病院に移ってしまい、他の医師に診て頂くことになった。その結果、骨折箇所がなさそうであること、さらに、最初に撮影した画像を診ても、骨折箇所は不明であること、さらに、大元の医師は単に「骨折の疑い」と記載していることがわかりました。

 結論として、最初に診察した医師は骨折していると直接診断しておらず、紹介状や依頼者の口頭説明等で伝言ゲームのように骨折していることにされてしまったようです。

 依頼者は怒っており、訴えたいようなことを言っていました。しかし、骨折していたのに骨折を見逃したのであれば医療過誤になりうるといえますが、骨折していないのに骨折と診断されたことについては、依頼者に損害が発生しているわけではないので、訴えるだけ無駄です。依頼者をとりあえず説得して保険手続きを進めることにしました。

 しかし、痛みについては嘘ではなさそうでした。骨折が原因であったと考えていれば治療すればいずれ良くなると思えますが、今回では痛みの直接の原因が最後で不明になってしまい、より不安になってしまった依頼者には気の毒なことになってしまいました。  

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 弁護士先生と共同主催の研修会は2度目です。秋葉事務所のお題目は「むち打ち」、弁護士の担当は「裁判基準と保険会社基準」、「被害者専門の弁護士」です。

image333  交通事故の解決で前半の勝負は「等級認定」、後半は「裁判基準での賠償金の獲得」です。弁護士との連携業務でこれまで多くの成果を積み上げてきました。今後も日々、コツコツ実績を重ねていくのみです。

 参加した皆様から積極的にご質問を頂きました。席は円卓形式で、一方的な講義ではない、双方向性が発揮されたと思います。

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 年間100人に及ぶドクターとお会いしています。お医者様と言っても同じ人間、色々な性格の先生がいらっしゃいます。何の商売でも中身は人間です。

 さて、本日、同行した整形外科の先生は、以前から良い評判を聞いておりました。本日お会いして、噂以上と感激しました。膝を受傷した被害者さまが手術を終え、リハビリのために選択した個人開業医です。

 まず、受付の事務の方はにこやかで親切です。リハビリ室は明るく、理学療法士の先生は、常に患者に言葉をかけながら熱心に作業、技術の高さをうかがわせます。看護師さんも明るくキビキビ動き回っています。

 そう、これらは”良い病院”の特徴です。

 そして、いよいよ院長先生の診断です。扉を開けて名刺を出すと、立ち上がり会釈をして受け取ってくれました。このような礼儀正しい医師は100人に2~3人です。

 そして、肝心の診断ですが、まず、説明がゆっくり丁寧、MRI画像を示して患者の理解を促しています。そしてなんと、触診で前病院には記載のなかった、「後十字靱帯損傷」を診断、ストレスXPを実施していました。本来、膝の動揺性を診断するにあたって、「ストレスXP」は私達がしつこく熱心に先生にお願いして、ようやく実施されるものです。それを初診時から・・!

 人格を備えたドクターは、診断力も兼ね備えているケースが多いように思います。病院全体のホスピタリティ(本来、病院の語源)が高い病院は、このように優れたドクターが存在しています。私達の仕事は、”被害者さんの為になる”よい病院を見つけることでもあります。

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 行列ができることがうなずけます。    

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 平成10年10月、東京海上から人身傷害特約(保険)が発売されました。以後、各社、ほぼ同内容で続きました。

 しかし、従来から存在していた、搭乗者傷害特約、無保険車傷害特約、自損事故特約と”自らの人身事故に支払われるもの”として、補償が被ることになりました。

 搭乗者傷害保険は重複して支払われるので問題ないとして、無保険者車傷害と自損事故は調整が必要となりました。損保ジャパンは無保険車傷害を一時期、人身傷害約款に組み込み、また独立させた経緯があり、軽く混乱したと言えます。また、各社、約款に不明記ながら、「人身傷害の金額を超えたら無保険車傷害で支払う」などの社内規定で整理したり、また、請求事故が起きたら、その都度、社内会議で決めていたようです。

c_y_200(例1)人身傷害と無保険車傷害が競合した場合

 人身傷害は最低保険金額が3000万円、最高は無制限です。保険金額は選択でき、最も多い契約金額は5000万円です。対して無保険車傷害は2億円、もしくは無制限が保険金額です。保険金額は選択できず、約款で決められています。

 ケガの治療費や休業損害は人身傷害で支払います。なぜなら、無保険車傷害は後遺障害と死亡のみの補償だからです。後遺障害が認定された場合、やはり、人身傷害特約で支払います。それが契約金額を超えた場合、ようやく無保険車傷害からの支払いとなります。

 明らかな高額賠償の場合、最初から治療費・休業損害・その他費用を人身傷害から、後遺障害・死亡保険は無保険車傷害からとばっさり分けたケースもありました。   (例2)人身傷害と自損事故が競合した場合

 自損事故は死亡1500万円、介護費用200万円、入院1日6000円、通院1日4000円の定額保険なので、支払い保険金は人身傷害の方がほとんどのケースで高額になります。したがって、約款上、人身傷害付きの保険では自損事故特約は消滅しています。     さて、(例1)の実務上の対応もさることながら、人身傷害と無保険車傷害の併存問題について、約款上の整理もしくは統合を各社、進めました。最新約款を確認してみたいと思います。 

 前置きが長くなりましたが、ここからが本シリーズの主題に入ります。

 続き⇒  

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セミナー表紙20160214_00002 昨年末から自動車保険の約款をテーマとしたセミナーが続いています。  約款と言えば「難解」、「何が言いたいのか解らない」等々・・約款をじっくり精読してから契約を検討する自動車保険の契約者さんは皆無でしょう。一部の約款マニアは別として、保険会社社員や代理店さんですら、余程必要がないかぎり、約款を開くことはありません。現場ではカラーで解りやすいパンフレットで十分なのでしょう。

 さて、被害者救済業を名乗る以上、約款の熟知・活用は私達にとって避けられない重要事項です。

 とくに、任意保険に未加入の自動車による被害者さんは、人身傷害特約、無保険車傷害特約が頼りとなります。無保険車の被害者にとって知られざる重大なテーマなのです。

 約款解説は毎回長文となり、シリーズ化しますが、まずは以前に使用した表をご覧下さい。自動車保険で自らのケガ・後遺障害・死亡に支払われる主要な補償は以下の通りです。見ての通り、いくつか補償がダブっています。平成10年10月に東京海上が開発、販売をスタートさせた人身傷害特約の登場によってダブりが頻発したと言えます。

 明日からの内容について、下表と併せて以下を復習しておくと理解が容易となります。(長いですよ)

そして『無保険車傷害特約』は吸収された・・・①~⑧

結局、無保険車傷害特約は独立した ①~③  

契約車 搭乗中 他車 搭乗中 歩行中 自転車 他の交通機関 保険金 計算方法 重複 払い  人身傷害保険 〇 △ (特約で選択) △ (特約で選択) 実額 × 無保険車 傷害 特約 〇 〇 〇 実額 × 自損事故特約 〇 〇 × 定額 × 搭乗者傷害保険 〇 × × 定額 〇

  ※ 保険金支払い方法

実額… 実際にかかった治療費、交通費の他、契約している会社の基準により慰謝料、逸失利益、休業損害を個別に計算する。

定額… 契約時に定めた死亡・後遺障害・手術・入院・通院・その他金額。その金額により入通院は1日当たり○○円、もしくは部位症状別に○○円と決まります。   ※ 重複払い

 搭乗者傷害(現在は多くの会社で「傷害一時金」と改名されています。あえて旧名で表記します。)のみ、上の3つに加算して支払われます。しかし治療費を人身傷害に、後遺障害を無保険車傷害にと、ケガと後遺障害を別々に請求する場合は重複とはなりません。

 つづく  

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部位別解説 後遺障害等級認定実績(初回申請) 後遺障害等級認定実績(異議申立)

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